愛してよろしいですか？ の商品レビュー

田辺聖子【著】

2013/02/11

34才、OLのスウは常々思う。「ハイ・ミスは生きにくい。」
色気を出せば男狂いと怖がられ、地味にしてればおばはんとガッカリされ、キチンといいものを着ればパトロンがいるのではと勘ぐられる。

私が生まれる前に書かれたのだ、世間は尚更そんな感覚でハイ・ミスを見ていたに違いない。

そんな現実を嘆くスウがうっかり、ひとまわりも年下の大学生のワタルに惹かれてしまった！
職場ではおばはん扱いされ、仕事も押し付けられ…そんなところに優しく愚痴を聞いてくれ、オレンジを剥いてくれ、可愛い女の子扱いしてくれる人が現れたら…スウがいくらしっかり者でも、ね。
付き合ってみて初めて、感覚の違いやら何やらに悩まされるのだ！

私自身は4才下ならお付き合いした経験があるけれど、12才も下となるとさすがに…（笑）
自分がまだ20くらいのときは1才でも年下は子供に思えて恋愛を意識できなかったけど、年を重ねるにつれ上でも下でも多少なら気にならなくなった。許容することを覚えたのかもしれない。
若いときは事前にあれこれ考える前に恋に落ちていた。今は慎重になりすぎて恋も芽のうちに摘み取ってしまったり…あの頃の瞬発力はどこへ行ったんだー！

スウちゃんとワタルはどうなるのかな。
他人事ながら、応援したくなります。

2012/09/26

34歳、ハイ・ミスのすみれ。何かと生きにくい、自分で自分を守らなければ誰も守ってくれない、そんな年頃である。それなのに一回りも年下の大学生ワタルと出会ってしまう。おばあちゃん子で人好きのするワタルに次第に本気になって悶々とする日々…。
ワタルと特別な関係になりたい、独占したい、と思う一方、あとで一人で生きていられなくなったら困ると二の足を踏むすみれ。その葛藤が非常にかわいらしく描かれていて読んでいてとても楽しかった。ワタルの言動に振り回されているくせに平静を装っているところなんて実にかわいい。ハイ・ミス（この時代錯誤的用語もツボであるが）をこんなに軽やかに爽やかに描くのは田辺氏だけではないか。

2012/09/01

ワタルくんは妻夫木聡くんのイメージで読んでいた。この小説に限らず田辺聖子先生の作品は日々を丁寧に大切に過ごしている人たちが出てきて憧れる。

2012/08/21

なぜ80年代にこんな小説が書けるのだろう。ハイミスと大学生の男の子の恋。ワタルくんがくるくる動き回る子猫のようで、なんかいい～胸キュン～！でした。

2012/04/29

スウの不器用な態度が可愛いくて。
それに反してワタルのフラフラした態度。
一緒にやきもきしてしまった。

2012/04/17

スウの気持ちの揺れ動きの描写がすごくかわいらしかった。
ワタルは個人的にちょっと愛せないキャラだけど…スウは好き、友達になりたい。
これは82年に書かれたものだそうで。
自分が生まれるより前！！
でもやっぱり、時代はかわっても人は恋をせずにはいられないのかな。
想定外の相手に惹かれて、相手を信用しきれないがゆえに、『愛してよろしいですか？』
スウはホントは、こうも聞きたかったんじゃないかな。

愛していただけますか？

2014/03/17

孤独な夜のココアを読んで、
田辺誠子にはまりました。
かたっぱしから作品読んできて、どれも大好きなお話ばかりだったけど…
このおはなしもはすばらしい。

ヒロインが年齢も近くて感情移入しやすかったから？
イタリア旅行のあとだから？
遠距離恋愛に疲れていた？
わからないけど、今のわたしにこの作品はドンピシャでした。
結末が読めず、読みながらどきどきはらはら、さいごまで夢中になりつつも大事に大事に読みました☆
まだ胸がどきどきしてるわー

こんな風に魅力的な女性になりたいし、元彼のことをこんなふうに思えたらいいなと思うし、こんな風な恋愛したい。

近い将来予習したきぶん

少女漫画の心理描写が細かい丁寧ver。
男が謎なのもまた漫画っぽい笑

わたしもとしとったということかしらね

それにしても相変わらず時代を感じさせない小説！

図書館で借りたけど、買おう。

140317
再読。
やっぱりおもしろい。
ワタルはわたしにしっくり来るとか、
ワタルを好きになってからのすうちゃんとか、
ハイミスのもやもやとか、全部わかるわかるわかるー！！ておもう
大好き

2011/03/07

2010/07/14読了
解説評のわりにはウケなかったなあ
ノリが軽すぎる部分もあるかもしれない
この先の二人とか、そういうのはないんですかね

2019/01/16

タイトルの意味が、全部読むとよ～くわかります。

しかも主人公の斉坂さんと私は同年代。
１０コ以上も年下の男子に好意をもたれて、「この子にからかわれてるのかしら？　本気なのかしら？」と戸惑う気持ち、わかります。

お金の問題はシビアだから、斉坂さんがどうしてもどうしても気になってしまうのは頷ける。

とにかく共感するところ満載でした。

しかしワタル君、かわいいやつなんだけど、誠実さが足りない気がするなぁ。
携帯もない時代の話だから、突然のことがあったら連絡できないっていうのはあるだろうけどさぁ……。

これ、鴨居まさねさんの漫画で読んでみたいなぁ。

2010/09/08

大好きな田辺さんの新刊（文庫化か。）が出てたので。
82年の作品らしいけど、色褪せない。
すぅちゃん、きちんと生きてるな。