1,800円以上の注文で送料無料

空白の叫び(下) の商品レビュー

4

75件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かなり前に読んで内容を忘れていたので再読。 重い。重いなー。 でも3人の少年の心の闇が同時進行で書かれていて、すごく引き込まれた。 少年院のあたりは読んでいて辛くなるような描写も多かった。 爽やかな終わり方をすることはないと思っていたけれど、予想通りじめっとした読後感。

Posted byブクログ

2024/01/23

重厚すぎ!!!!!!! 自分の中に巣くった闇を飼い慣らしきれず、闘いきれず、呑み込まれてしまった神原。自分が置かれた環境をそれなりに冷静に分析し、対応を決めた久藤。真実を知り、それでも生きていかないといけないと決めた葛城。 交わったけど、それぞれに全然違うものを抱えていて、同じ犯...

重厚すぎ!!!!!!! 自分の中に巣くった闇を飼い慣らしきれず、闘いきれず、呑み込まれてしまった神原。自分が置かれた環境をそれなりに冷静に分析し、対応を決めた久藤。真実を知り、それでも生きていかないといけないと決めた葛城。 交わったけど、それぞれに全然違うものを抱えていて、同じ犯罪を犯した人でも分かち合えない部分もあることをあらためて思った。 けっきょく1番まともなのは、久藤なのかもな…。 生きてたらおそらくまた同じことを繰り返したであろう神原と、自分の境遇を知って、他者から他者への愛を見ることで自分に注がれる愛がないことを感じている葛城は、ねじれているんだとおもう。 生来の悪はなく、環境が悪にする。 考えさせられる。

Posted byブクログ

2023/02/23

上中下のボリュームが良かった。著者はミステリ的消費に終わらず犯罪心理を描いているのが個人的に気に入っている。ここでは加害者心理が(ここまで14歳で心理を言語化できるのかというリアリテイはさておき)解像度高めにじっくり味わえる。また少年院での生活などは脚色があるとは言え普段思考しな...

上中下のボリュームが良かった。著者はミステリ的消費に終わらず犯罪心理を描いているのが個人的に気に入っている。ここでは加害者心理が(ここまで14歳で心理を言語化できるのかというリアリテイはさておき)解像度高めにじっくり味わえる。また少年院での生活などは脚色があるとは言え普段思考しないので読めて良かった。その意味では上中巻が興味深く銀行強盗パートなどはあまり入り込めなかったが物語上、出所者が集うこうした舞台装置が必要ではあろう。神原だけが一人称になっているのは中でも特別な位置に置いているのか、どんどん邪悪になっていくのが良い。柏木、彩、佳津音、英里。救いなき世界で女性の存在が彼らにも大きかったのであろうと心に残る。

Posted byブクログ

2022/10/22

少年院を出た後の3人の生活と世間の厳しさが描かれた下巻。 恐ろしいと思うのは3人が3人とも、自分の犯した罪について反省の念を持っていないこと。 殺人は罪であることは分かっているけれど自分の犯したそれは、正当であったとすら考えていそうな部分に 人間の恐ろしさを垣間見たような気持ち...

少年院を出た後の3人の生活と世間の厳しさが描かれた下巻。 恐ろしいと思うのは3人が3人とも、自分の犯した罪について反省の念を持っていないこと。 殺人は罪であることは分かっているけれど自分の犯したそれは、正当であったとすら考えていそうな部分に 人間の恐ろしさを垣間見たような気持ちになりました。 読後感が良い意味で、非常に悪い。 自分の中にも瘴気があるような気分になります。 贖罪とは。 更正とは。 非常に重く、難しいテーマです。 それにしても・・・ ストーリーが妙に謎解き風になっていたけれどそれは個人的に要らなかったと思います。 テーマが変わってしまった?と残念に感じるほど。 “慟哭”でもそうでしたが、どこかしら肩透かしをくらったような気分になるのは自分と貫井氏の相性の悪さなのでしょうか。

Posted byブクログ

2022/03/27

少年犯罪と、当時の少年法の在り方について考えさせられる作品。 少年達が殺人に至るまでの感情の表現が複雑。 法で捌けなくても世間が許さない。 少年たちは殺人という罪を一生抱えて生きて行くしかない。 個人的には久藤、葛城は更生の余地ありだと思うが神原は無理。 一番子供らしくて...

少年犯罪と、当時の少年法の在り方について考えさせられる作品。 少年達が殺人に至るまでの感情の表現が複雑。 法で捌けなくても世間が許さない。 少年たちは殺人という罪を一生抱えて生きて行くしかない。 個人的には久藤、葛城は更生の余地ありだと思うが神原は無理。 一番子供らしくて純粋に見えた神原だったが、話が進むにつれてその様子は一変してどんどん闇堕ち(というより眠っていた本来の人間性なのか?)していく。犯罪を行うことに快楽を感じ始める。何でもかんでも責任転嫁で人のせい。 本当に無理で神原のせいで読むのが嫌になるほど。 神原の最期はあっけなかったが、あれでよかったのだと思う。

Posted byブクログ

2021/03/14

少年院を出てから、誰かの手によってまた運命が動き出す。 殺人を犯したら、やはり普通には生きていけない。 そんな状況にならないよう、大人達はしっかり子供を見守らないといけない。

Posted byブクログ

2021/03/10

生まれも育ちも全く異なる3人の少年が、それぞれの事情から突発的発作的に殺人を犯してしまいます。 少年院で出会った3人は、卒院後に再び巡り会い、やはりそれぞれの事情から、共に手を組んである計画を実行に移すことになります。 まず、上巻はまるまる全編にわたって、3人それぞれの視点で3...

生まれも育ちも全く異なる3人の少年が、それぞれの事情から突発的発作的に殺人を犯してしまいます。 少年院で出会った3人は、卒院後に再び巡り会い、やはりそれぞれの事情から、共に手を組んである計画を実行に移すことになります。 まず、上巻はまるまる全編にわたって、3人それぞれの視点で3人が殺人を犯すまでの経緯と心情が、丹念に丹念に描かれます。そのせいか、うち2人については、その凶行に「同情」や「共感」すら覚えるほどでした。 実際の犯罪では、犯人の心理がここまで詳らかにされることはないですしね。 同情も共感も湧かなかった1人については、その被害者となった女性の視点で語られるパートが出てくるのですが、むしろその女性の心の動きと考え方、そこから生まれる彼女の言動に衝撃を持つと同時にとても興味をそそられました(すでに本作を読まれた方にとって、この言い方は冷酷で不謹慎と思われそうです)。結果的にその言動こそが、彼女の命が奪われる原因となってしまうのですが。 中巻の前半では、3人の少年院での生活が描かれます。この様子がどれほどリアルなものなのか僕には判断がつきませんが、もしこれがリアルだとすると「更生」なんて望むべくもない絵空事やなと思えました。それほど理不尽で心が荒む環境でした。 中巻の後半から下巻にかけて、卒院後の生活、そしてある計画を実行する3人の様子が描かれます。 ここでは、先に同情も共感もできないと述べた1人の少年に対しての様々な「嫌がらせ(という言葉では生ぬるいくらいの中傷)」と、それにより、更生して真っ当な生活を送ろうとする本人の意思意欲にかかわらず、それを断念せざるを得ない姿が印象的で胸が痛みました。ここで、初めて彼に同情と共感を覚えました。 片や、ここまで最も共感できていた別の少年の言動の大きな変化に、吐き気を催すほどの嫌悪感と憤りを感じました。 全て読み終えてみて、それ以上の嫌悪感と憤りを感じたのは、先にも言及した女性被害者の父親と、少年院のある教官でした。 むかし、阿部寛さん主演で「最後の弁護人」ってドラマがあったんですけど、その最終回での主人公の姿がふと浮かび、それと対比するとあまりにも無様だなと思いました。 とりとめのないレビューですが、とにかく読んでいる間中、目まぐるしく感情(特に憤りと怒りかなぁ)が揺さぶられました。 安易に「面白い」とは口に出せない、とてつもないものを突きつけられた気がしています。

Posted byブクログ

2021/03/05

結構重いテーマだったし、全部読むには相当の頁数だったので少し躊躇したけど、後半にかけては時間を惜しまず読み切った。 面白かったね。 最後は実は違うシナリオを想像していたんだけど、まあこれで良かったのかもしれない。 犯罪者にハッピーエンドは良くないと思うけど、少しは救ってあげたかっ...

結構重いテーマだったし、全部読むには相当の頁数だったので少し躊躇したけど、後半にかけては時間を惜しまず読み切った。 面白かったね。 最後は実は違うシナリオを想像していたんだけど、まあこれで良かったのかもしれない。 犯罪者にハッピーエンドは良くないと思うけど、少しは救ってあげたかった。 酷いことをしたので仕方がないのだが、特に久藤については更生の機会はあったのかなと思う。

Posted byブクログ

2021/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんで神原だけぼくという一人称だったんだろう? 最後まで読んだらわかるかと思ったけど わからなかった。 この子だけ最後まで殺人を反省しなかったな。 本当の悪党だ。 近くに愛があったのに気づかなかった可哀想な子。 久藤は家庭環境は本当に普通なのに どうしてあんな風に育ってしまったのか? 大体、少年犯罪者は家庭環境が悪い子ばかりなのに ちょっと納得がいかない。 イジメが原因だと思うけど 今まで虐められた子がいじめっ子になるのは知らないな〜 葛城も久藤も もっと楽に生きれたら良かったのにね。 生きにくい世の中だったのかな。 暗い話だった…

Posted byブクログ

2021/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三人の少年がそれぞれに殺人を犯し その後どう生きていくか 罪を犯すまで、少年院、卒院後、と三部に分かれて書かれている。 まず、殺人に至るまでの理由や感情が とてもリアル。私は少年では無いので 少年の感じかたは分からないのだけれど 相手を「憎らしい!」と思える。 とくに葛城君の相手には。 少年院の段は、これでは更正は出来ないだろうな、と。本当にこんな感じなんだろうか? 今は違うのかな?違うといいけど、という感じ。 卒院後の三人の出会いはやはり悪い方に。 貫井さんだからそうですよね ただ出生の偶然や久藤に対する嫌がらせを 手伝う人物、その理由とか ちょっと無理を感じてしまい それらが無い方が卒院後の葛藤などを リアルに読めたかな?と。

Posted byブクログ