空白の叫び(下) の商品レビュー
初貫井さんで『失踪症候群』を手に取り気に入って、その他の症候群作品も読みたくなり、図書館で探していたところ、探していた本はなく、あったのがこの『空白の叫び』上中下巻。読み出したら止められず、すっかり貫井徳郎症候群となりました。
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少年院を出た3人を待ち受けてた運命は彼らにとってあまりにも厳しいもの。。。娑婆でも協力して生きていく事になった3人が引き起こす事とは。。。
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ボリュームがありますが、それを感じさせない読ませる作品。少年犯罪を加害者の立場から描き、途中読むことを躊躇する程重い作品でしたが、最後まで読んで良かった。どんどん読むにつれて、最初に感じた3人の少年のイメージが覆っていった。
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少年法改正以前に書かれた小説であるため、14歳で殺人を犯した少年たちは1年以内で卒院して世間に戻る。 世間の目。知らず知らず恨まれ厭われる中で、彼らは罪を償う機会も与えられず、認められず(もはやこれはよしあしではない)、自らが生き抜くために、あるいは破滅するために、さらなる犯罪を...
少年法改正以前に書かれた小説であるため、14歳で殺人を犯した少年たちは1年以内で卒院して世間に戻る。 世間の目。知らず知らず恨まれ厭われる中で、彼らは罪を償う機会も与えられず、認められず(もはやこれはよしあしではない)、自らが生き抜くために、あるいは破滅するために、さらなる犯罪を企てる。 少年院ってなんだったんだろう?彼らを擁護するつもりはないけれど、生きにくい社会の中でより彼らがとがり荒んでくるのは当たり前ではないかとすら思う。 もちろん、理解者はいた。それでも愛してくれる人もいた。それなのにその声は届かず、結局被害者も加害者も救われない。 少年法改正前とはいえ、少年犯罪が多発している時期にこれだけ丁寧に描かれた作品があることに驚いた。ミスチルじゃないけれど「被害者に、加害者になった時、できることはただ愛すること」というのはまさに真実で、でもそれが非常に難しい真実な気がしてならない。3人の少年たちのつながりやミステリー要素もあり、読みごたえのある3冊だった。
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社会復帰したものの、挫折して再び犯罪に手を染める三人。計画は成功するが、予期せぬ展開が少年たちに待ち受ける。 結末には賛否両論あると思う。特に神原の性格の豹変と最期の瞬間には驚いた。小説にリアルさを求めるか、それとも夢や理想を求めるかで、この小説の評価も別れる気がする。私は評価し...
社会復帰したものの、挫折して再び犯罪に手を染める三人。計画は成功するが、予期せぬ展開が少年たちに待ち受ける。 結末には賛否両論あると思う。特に神原の性格の豹変と最期の瞬間には驚いた。小説にリアルさを求めるか、それとも夢や理想を求めるかで、この小説の評価も別れる気がする。私は評価したい。
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やっと終わったァ! ここまでていねいに書かれた少年犯罪系の本はすくないのではないだろうか?3人が瘴気を爆発させるまでの流れはすごい。心の闇とよくいわれたが、それは傍観者にとって都合のいい言葉であって決して少年たちのなかでは闇なんかじゃないんだとおもう。 空白を埋めて生きていかなく...
やっと終わったァ! ここまでていねいに書かれた少年犯罪系の本はすくないのではないだろうか?3人が瘴気を爆発させるまでの流れはすごい。心の闇とよくいわれたが、それは傍観者にとって都合のいい言葉であって決して少年たちのなかでは闇なんかじゃないんだとおもう。 空白を埋めて生きていかなくては!
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読後感は良くない。気分が悪くなる話ではないが、悲しいし切ない。なんでうまくいかないんだろう、と切ないけれど、誰もがそれなりに生きにくいと感じてるからこのお話にのめり飲んで一気に読んでしまうのかな、なんて思った。 神原くんは幸せだと葛城くんは言っていたけど、どうなんだろう。自分以...
読後感は良くない。気分が悪くなる話ではないが、悲しいし切ない。なんでうまくいかないんだろう、と切ないけれど、誰もがそれなりに生きにくいと感じてるからこのお話にのめり飲んで一気に読んでしまうのかな、なんて思った。 神原くんは幸せだと葛城くんは言っていたけど、どうなんだろう。自分以外をすべて憎んで生きていくことは、自分自身を憎むより不幸じゃないかと思った。 葛城くんが生き続けるように、という宗像さんのセリフは印象的。 なにが悪で何が正義かというのは、どれだけ言葉を尽くしても正解には辿りつかない問題なんだな、と思う。
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結末に向けて加速して読み進むことができた。 少年に巣食う瘴気の源が明かされ、それを直視して受け入れる、あるいは動揺し、混乱し、破綻していく。。 終わり方が良かったと思う。 ただ、葛城と神原、このふたりを狂わすもととなる葛城の父の過去についてはあまりに非現実的で、ちょっと冷めたが。
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少年法って何だろう?と考えさせられた。読んでて辛い。3冊読み終わって、ため息しか出ない。そういう終わり方だった。 3人はまだ15歳なんだ。重罪を犯しているとはいえ、社会が分かりすぎてるし、希望が無さ過ぎる。柏木の父、葛原の父、それぞれの告白が衝撃的だった。これを15歳が受け止めるには荷が重すぎないか?もちろん、それが彼らにとっての償いなのかもしれないけど。 結局一番人間臭いのは久藤だったのかな。
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犯罪までの流れ→少年院→その後 の3作品でできている。 まったくちがう境遇、性格の少年3人の犯罪。少年側の気持ちから書いていて、何でこんなに気持ちが一つ一つわかるんだろうと思った。 いつも大きな社会の題材を扱ってるので、すごく考えさせられる。
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