望みは何と訊かれたら の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
学生運動や連合赤軍、セクトなどの時代背景はいまいちよく分からなかったが、途中のリンチのシーンは怖くて読むのを辞めようかと思うほどだった。 こんな怖いテイストの作家だっけ?とよくよく見ると林真理子と間違えていた! 後半は歪んだ関係でありながらも2人の結びつきの強さにのめり込んで、かなりのスピードで読んでしまった。 この作者を知れたことが一番の収穫だったと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大好きな小池真理子さんの作品。 学生運動の時代を舞台にしてます。 沙織が秋津に出会うまで、出会ってからのこと、離れてからのこと。情景的にも心情的にも細かく書かれていて主人公になりきって読み進めました。 小池真理子さんの作品を読むたびにこんな身を焦がすほどの恋愛をしてみたいと思います。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
学生運動や粛清などは出会うこともなく、当時の空気感なども全く想像できない世代です。程度の差はあれ若者全てが学生運動になんらか関係を持つ時代らしい、くらいの認識しかありませんが、松本沙織は受動的とはいえ相当奥深くまで入り込んだ数少ない若者だったのかと思っています。 学生運動よりはやっぱり恋愛小説だと思いたい。沙織の学生運動への関わり方も恋愛が主軸だし、秋津吾郎との関係も結局は恋愛だし、独特な恋愛の形を描くための土台として学生運動を極めて丁寧に忠実に描くことで、時代の異様さが異様な恋愛の形にリアリティを添えるよう意図されているのではないか。なにより、美しく惹かれる表題が恋愛小説だと位置付けている。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こ…これはすごい小説に出会ってしまった!「おすすめ文庫王国2010」で恋愛小説部門第1位だったものなんだが、なるほど、超・納得の作品。 あまり読んだことがない、70年代の学生運動の頃が舞台。主人公の沙織はセクトに所属し、リンチ殺人を犯してしまう。その恐怖から脱走、ボロボロになったところを年下の吾郎に拾われて…というストーリー。 壮絶なセクト活動でのあとの、吾郎との親鳥と雛のような生活が、本当になんとも表現できないけど、ぶおぉ〜っと心にくるわけですよ。 とにかく“読ませられる”作品。ラストまで完全納得の一作。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いわゆる学生運動に大学生の多くが何らかの形で関わってきた1960年代後半~70年代前半期は過激派活動も活発であった。本作は、この時代に焦点を当てた、私より一回り半ほど年長の女性の青春回顧物語である。 本作は過激派内でのリンチ事件を題材にしていて、確かに著者の描く題材は他の作と違ってはいる。 しかし、著者の人物造形は過去作と大した違いは見出せない。そして、その青春の燃え滓が、現在の幸福そうに見える家庭の虚構性と、女の破滅願望を炙り出す様も同様だ。 ただ小池氏著の小説「律子慕情」でも感じたが、この狂騒の時代と称すべき70年代前半期の空気感は、同時代を生きた著者ならでは。 なかでもここで描かれるのは、高邁な理想を高らかに歌う政治的暴力革命肯定主義者たる男性(リーダーだけではない)による、同士女性への態度と行動が人間的に唾棄すべきレベルであることだ。 70年代的フェミニストと規程されそうな著者らしい切り方である。 一方で、主人公沙織の、自己決定の意思力の乏しさと、素敵な男性に飼われたいという幼児退行的願望もまた、当時の同性への痛烈な皮肉を感じさせる描写である。
Posted by
この前に読んだ無伴奏と同じ時代背景。 またまた主人公に感情移入できず。 悪くはないと思うけど・・・
Posted by
初めて読んだ小池真理子さんの著作。 去年の秋頃、とっても色っぽく年を重ねている女性の方とお会いする機会があって、その際におすすめの恋愛小説として小池真理子さんの著作を挙げられた。 彼女曰く、小池真理子は作家の中で特に美人で、きっとものすごくもてていた、そういう人が書く描写はすご...
初めて読んだ小池真理子さんの著作。 去年の秋頃、とっても色っぽく年を重ねている女性の方とお会いする機会があって、その際におすすめの恋愛小説として小池真理子さんの著作を挙げられた。 彼女曰く、小池真理子は作家の中で特に美人で、きっとものすごくもてていた、そういう人が書く描写はすごく生々しくて、だから好きなのだそう。 それ以来ずーっと読んでみたくて本作を購入し、今年になってようやく読み始めたの。笑 読んでみての感想は、久しぶりにこんなどろどろした気持ちになった。 読んでいて気持ちがずーーーんとなる小説が(特に去年の夏、ロンドンから帰国後)好きだったんだけど、まさにそう。 本作については、読んでいる間はすらすら先が気になって読み進めちゃうんだけど、ふと本を置いた時とかにくるなんとも表し難い暗さが癖になっちゃう。 どうしようもなく、包まれる、 暗くて、痛くて、狂気的な感じ。 なんか、流されて生きるって怖いと思った。 自分の芯を持ってそれを信じ続けて生きるのって、今の私にとっては難しい。(自信がないからかな?) 他人を応援することや、思想や行動についていくのは、簡単。 簡単だけど、その分なにかを犠牲にするのかな。 なにかを犠牲にするって言うのも語弊があるな。自分のために使える時間なのに、他人のために貴重な時間を費やしてしまってる、というニュアンス。 確かにそれは誰かと生きていくことに必要なこと、、、だと思う。ある程度までは。 ただそれが過度になりすぎちゃうと依存度の高い、自分がない人生になっちゃうのかなって思った(・ω・)ノ 私も最近そうだから気をつけよう。
Posted by
小池真理子にやられました。 モロー美術館の一角獣の前で再開! 名刺の裏に携帯ナンバー → これはやったー!!! どろどろの恋愛小説! → これはやったー!!! しかし、読んでも読んでも秋津吾郎が出てこない。 どろどろとした不倫だと思っていたのに。 しかし・しかし・・ 読むにつ...
小池真理子にやられました。 モロー美術館の一角獣の前で再開! 名刺の裏に携帯ナンバー → これはやったー!!! どろどろの恋愛小説! → これはやったー!!! しかし、読んでも読んでも秋津吾郎が出てこない。 どろどろとした不倫だと思っていたのに。 しかし・しかし・・ 読むにつれ引き込まれていきます。 「震えるほど怖いと思うのに、追いすがりたくなるほど恋しい。」 小池真理子の恋愛小説である。
Posted by
この時代(政治と思想)の小説がとっても好き。60年代70年代の大学生を描いたものがたまらなく好き。 私らの時代には時代の核とよべるものはもう何もないからなぁ。核の有無は単純な善し悪しでは測れないけど、ぼんやりとした憧れがある。 安穏としているうちに終わりそうな今も好きだけど。 ...
この時代(政治と思想)の小説がとっても好き。60年代70年代の大学生を描いたものがたまらなく好き。 私らの時代には時代の核とよべるものはもう何もないからなぁ。核の有無は単純な善し悪しでは測れないけど、ぼんやりとした憧れがある。 安穏としているうちに終わりそうな今も好きだけど。 小池真理子さんの作品は3作目。 「恋」(これも政治と思想の季節が描かれている)、「瑠璃の海」。 「恋」はひょっとしたら今まで読んだ恋愛を扱った小説の中でもかなり好きな作品になったんだけど「瑠璃の海」があまりにも陳腐なフリンものだったんで萎えてそれ以来読んでなかった。 「無伴奏」も「恋」と本作と同じような時代が描かれているらしいので次は「無伴奏」かホラー短編集を読む。
Posted by
本としてはとても読みごたえがあるし、 さすがに小池真理子さんって事で、一応★は4つにしました。 が、 内容は自分の好みから言えばものすごく気持ちの悪い本でした~。 学生運動盛んな時代に青春を過ごした人には、 あの時代は本当に特別なものなんでしょうが、 その時代を知らない自分には...
本としてはとても読みごたえがあるし、 さすがに小池真理子さんって事で、一応★は4つにしました。 が、 内容は自分の好みから言えばものすごく気持ちの悪い本でした~。 学生運動盛んな時代に青春を過ごした人には、 あの時代は本当に特別なものなんでしょうが、 その時代を知らない自分には、その特別感がうまく言えませんが なんだかうっとうしい。 (だからどーした。何がそんなに特別なわけ??って、感じ・・・。) それに50も超えた男女のあられもない性描写は、なんだか醜悪・・・。 色々理解出来ない感覚が多かったせいか、 人間の内面の毒気にあてられたせいか、 読後感はなんともいえない気持ち悪さ・・・。
Posted by
- 1
- 2