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生物多様性とは何か の商品レビュー

3.7

22件のお客様レビュー

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2010/07/11

『生物多様性とは何か』(井田徹治、2010年、岩波新書) かつて地球上で5度の生物の大絶滅が起こったという。それらはすべて地球環境の変化によってもたらされた。しかしいま地球は6度目の生物の大絶滅が起ころうとしている。人類の活動によって。 本書は危機にある生物多様性について...

『生物多様性とは何か』(井田徹治、2010年、岩波新書) かつて地球上で5度の生物の大絶滅が起こったという。それらはすべて地球環境の変化によってもたらされた。しかしいま地球は6度目の生物の大絶滅が起ころうとしている。人類の活動によって。 本書は危機にある生物多様性について、その大切さの理由、各地の生物多様性の保護必要地区(ホットスポット)、生物多様性保全のための外国の取り組みなどを紹介している。 思えば、人間は生物多様性を含めた自然界なしには生きられない。人間は自然界から資源を取り、癒され、また産業にすらなる生物多様性の世界。我が国で生物多様性条約の締約国会議COP10が開かれるこの年に、生物多様性を学んでみるのも悪くないと思う。 (2010年7月11日 大学院生)

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2018/10/31

第1章は、ハゲワシの廃棄物処理業としての役割やミツバチによる受粉の働きを例にあげて、生態系サービスについて解説。その経済的評価についても、自然を破壊しない方が利益が大きいことが判明した研究結果を紹介。 第2章は、絶滅危惧種が毎年増えていることや、歴史的にも6回目の大量絶滅が進ん...

第1章は、ハゲワシの廃棄物処理業としての役割やミツバチによる受粉の働きを例にあげて、生態系サービスについて解説。その経済的評価についても、自然を破壊しない方が利益が大きいことが判明した研究結果を紹介。 第2章は、絶滅危惧種が毎年増えていることや、歴史的にも6回目の大量絶滅が進んでいることを解説。 第3章は、コンサベーション・インターナショナルが選定したホットスポットのうち、日本を含む5つの事例について、著者の現場調査を報告。 第4章は、保護・再生の方法について、保護区の設定、アグロフォレストリー、REDD、人工繁殖、自然の復元のそれぞれの具体例を紹介。 第5章では、これまでの生物多様性条約の歴史や、ビジネスとの関係について簡単に流れを追っている。 環境問題に取り組む記者として、世界各地の状況を取材してきた労力には脱帽します。生物多様性に関する動きについて様々な角度から解説されており、概要を理解する足がかりとしても役立つ内容になっています。

Posted byブクログ