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サラの鍵 の商品レビュー

4.3

112件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

    5

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2024/09/30

運命との対峙の仕方や、人と人との心の通わせ方について考えさせられる内容だった。 ヴェルディヴを体験した少女サラの足跡を、2002年にジャーナリストのジュリアが追いかける。この事件がマレ地区というおもいっきり都心部で起きていたことに驚いた。当然、市民は、見ていた。 物語の主軸は...

運命との対峙の仕方や、人と人との心の通わせ方について考えさせられる内容だった。 ヴェルディヴを体験した少女サラの足跡を、2002年にジャーナリストのジュリアが追いかける。この事件がマレ地区というおもいっきり都心部で起きていたことに驚いた。当然、市民は、見ていた。 物語の主軸は、パリ近郊のユダヤ人13,152人が、同胞であるフランス警察の手によってナチスの絶滅収容所へ送り込まれた史実。ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件、通称ヴェルディヴ。 1942年7月16日から17日にかけて検挙されたユダヤ人たち、しかも4,115人は子ども。計13,152人が、ヴェロドローム・ディヴェールという競輪場へぎゅうぎゅうに押し込まれ、ろくな食事を与えられずトイレが詰まって溢れかえるなか6日間も放置。この時点で死者が出る。その後全員が絶滅収容所に送られ、奇跡的に生還したのは約400名で、子どもはほとんど還ってこなかったそうだ。 さらにこの事実は長年隠蔽され、見た者も口をつぐみ、1995年に大統領が政府として謝罪するまで忘れ去られていた。著者も、1995年に初めて知り、ショックを受けたので、いつか調べて本を書こうと決めたらしい。 いろんな人が何かを隠して生きていることも露呈する。ジャーナリストのジュリア自身も、生き方にどこか嘘があるが、取材の過程で段々覚醒していく。 受け入れるには辛すぎる運命もある。ましてナチス圧政のもと、個人の力には限界があった。でも、事実を受け入れなければ、いつか人間関係は破綻する。 一冊読み終えて、素直に感じたことは、偽らない生き方を目指そう、ということ。不安や権力に負ける時があったとしても、最期まで諦めないで挽回したい。それは、戦争や政治の話とは限らず、日々の生活とコミュニケーションで試される。真心で繋がらないと苦しく、結局、真心が恋しくなる。双方の真心がないと人生は悲しい。 2015年5月22日読了

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2024/09/25

#13奈良県立図書情報館ビブリオバトル「the world(is ours again)」で紹介された本です。 2012.3.3 http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-748.html?sp

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2024/07/01

【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB02212973

Posted byブクログ

2024/01/20

読んでから2、3日心にずしんとくる作品でした。 映画で見ているから大丈夫だろうと思ったのですが、映画とはまたちょっと違いより、リアルで、重たく感じるシーンも…。 やはり活字で読むと想像力が働くので、そちらの方が生々しいのかもしれません。 色々考えさせられる本です。 あえて多くを...

読んでから2、3日心にずしんとくる作品でした。 映画で見ているから大丈夫だろうと思ったのですが、映画とはまたちょっと違いより、リアルで、重たく感じるシーンも…。 やはり活字で読むと想像力が働くので、そちらの方が生々しいのかもしれません。 色々考えさせられる本です。 あえて多くを語るのではなく、一人一人が読んでみてどう感じるかが大事な本なのかなと思いました。

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2023/04/18

映画がよかったので、原作にあたりたいと思い手に取った。過去の物語と現代の物語という二重構造になっていて、本筋のヴェルディヴ事件についてはもちろんだけれど、現代におけるアメリカとフランスの恋愛や結婚観の違いなどがわかったのも興味深かった。フランスでは meetoo運動が盛り上がらな...

映画がよかったので、原作にあたりたいと思い手に取った。過去の物語と現代の物語という二重構造になっていて、本筋のヴェルディヴ事件についてはもちろんだけれど、現代におけるアメリカとフランスの恋愛や結婚観の違いなどがわかったのも興味深かった。フランスでは meetoo運動が盛り上がらなかったと聞くけれど、なるほどね、という感じ。さまざまなタイミングでジュリアが大きな選択を迫られ、揺れるところがよい。夫のベルトランも、わりとダメなんだけど、ダメなりに誠実だし葛藤しているのですよね。見限らずそこを推し量るジュリアの誠実さと優しさもすごいと思った。一方で、優しくされても流されない強さもあって。こういう、ダメ男が女性に甘やかされるのもフランスっぽい気がした。 真実を知らされてからのウィリアムの心の動きは映画より繊細な描写で心動かされた。映画でも最後の場面は泣いたけど。 自国に都合の悪い真実には蓋をしてしまうというのは、どこの国でも起こりうるのね。フランスは戦勝国側だったから、検証することも裁かれることも無くてドイツだけが矢面に立たされていたのだろうけれど、1995年にシラクさんがこの事件について現役大統領として初めて言及したというのは、ほんとに英断だったと思う。 ジュリアがフランス警察や、ユダヤ人輸送に携わった運転手など、加害者側の取材をしなかったことを上司に指摘される箇所は意外に重要な気がした。物語としては流れてしまうけれど、明らかにそこでちゃんと問題提起がなされているという印象だった。今の人権意識からすると、勝った方も負けた方もどの国も相当な酷いことをしている。それが戦争。「戦争中の話だし、もう昔のこと」というセリフが何度も出てくる。けれど、その過去は現在に繋がっていて、決して無関係ではないことをおしえてくれる、良書でした。

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2023/04/12

翻訳も良いのだろうけれど、読むのがつらくて先を読むのを躊躇するのにぐいぐいと読まされる、圧巻の一冊だった。正直、半分くらい読んだところで、この本に出会わなければ良かったと思ってしまった。そのくらい重たくてしんどい。

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2023/03/19

サラの、ジュリアの深い悲しみが豊かに紡がれている翻訳文から伝わった。物語性、共感性、言葉、どれをとっても素晴らしい作品だったと思う。サラの真っ直ぐで深い眼差しが遠く今もなお私たちに向けられていることを感じた。

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2022/08/03

ナチス占領下のパリでのユダヤ人一斉検挙1942年の「ヴェルディヴ事件」が元になっている。 ただ幼い弟を守りたい。その一心だった。 「必ず戻ってくる」と4歳の幼い弟に約束したサラは、両親と共にヴェルディヴに押し込められ、のちにパリ近郊の収容所へ。その間、ずっと弟のことを思い続ける...

ナチス占領下のパリでのユダヤ人一斉検挙1942年の「ヴェルディヴ事件」が元になっている。 ただ幼い弟を守りたい。その一心だった。 「必ず戻ってくる」と4歳の幼い弟に約束したサラは、両親と共にヴェルディヴに押し込められ、のちにパリ近郊の収容所へ。その間、ずっと弟のことを思い続ける。 ナチスに占領されたフランス人が、恐怖から良心を失っていく段階がよくわかる。 戦争、ナチスの恐怖で消えかかりそうな良心と戦い、苦しむ人に手を差し伸べるべく、立ち上がれた人はごく少数だった。 子供たちが笑って過ごせる時代が続きますようにと願わずにはいられない。

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2022/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

二人の女性の物語。 どちらも自らの選択によって自分自身を壊され、 がらんどうの自分を抱えることになる。 そこからの再生への物語。 そのためには向き合わなければならない。 守るために沈黙することは、 苦しみを引き延ばすだけで、 その絶対量は変わらない。 そして自分の力で変わり切れないとき、 思いもかけない方向から変革者はやってくる。 それはその者の姿を借りた、 運命そのものなのではというほど圧倒的な力で来る。 大事なことがもうひとつ。 片方の主人公が当事者ではないこと。 その彼女が人生をやり直すことの意味。 それは読者である私たち自身にも 同じ「人間」たちとして無関係と逃げることは 許されないということなのではないだうか。

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2022/01/08

この本は途中まで2つの時代の2人の女性を中心に交互に描かれています。 1つは1942年。パリでのユダヤ人一斉検挙で自身が捕らえられながら、置いて来た弟を思い「助けに行かなければ」と切迫した思いを抱えている10歳の少女サラのストーリー。収容された状況がリアルに描かれ、実際に起きてい...

この本は途中まで2つの時代の2人の女性を中心に交互に描かれています。 1つは1942年。パリでのユダヤ人一斉検挙で自身が捕らえられながら、置いて来た弟を思い「助けに行かなければ」と切迫した思いを抱えている10歳の少女サラのストーリー。収容された状況がリアルに描かれ、実際に起きていたことだけに恐ろしいし、読んでる間は他のことをしていてもサラのことが気になり続けていました。 もう一つは現代のジャーナリスト女性がこの検挙事件についての取材する中で、サラの足跡に近づいていくストーリー。 フランスでもこんな形でユダヤ人を捕らえていたことを知らなかった。辛い部分もあるけどストーリーに引き込まれて、読み終わっても気持ちが離れません。この時代や歴史をもっと知りたくなりました。

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