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日本語作文術 の商品レビュー

3.9

33件のお客様レビュー

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2012/08/15

実用文にあっては、起承転結ならぬ「結」起承「転」が読みやすく分かりやすい達意の文章。これまでにない斬新な手法で作文術を展開。巻末の日本語語彙道場などはかなりのスグレモノ。

Posted byブクログ

2012/05/01

文章讀本のような本が好きです。ウェブで読めるものとしては、Kazuさんの『正確な文章の書き方』や、結城浩さんの『文章を書く心がけ』が好きです。本書もそういった本のひとつです。 ★★★ 本書の目標は「達意の文章」です。はじめにに、  達意の文章を書くための基本方針は「外国...

文章讀本のような本が好きです。ウェブで読めるものとしては、Kazuさんの『正確な文章の書き方』や、結城浩さんの『文章を書く心がけ』が好きです。本書もそういった本のひとつです。 ★★★ 本書の目標は「達意の文章」です。はじめにに、  達意の文章を書くための基本方針は「外国語を初めて学んだときの姿勢で日本語を見直そう」ということだ。「初心忘るべからず」である。だから普段なにげなくやり過ごしている基本的なことにも目配りした。文の長さ、読点の打ち方、語順、「は」と「が」の使い分け、段落の立て方などをしっかりと押さえた。特に、論証(説得力)との関連で段落の問題をていねいに説明した。 とあります。 したがって、とても実用性の高い本です。実用性を重んじるので、「起承転結」ではなく「結起承展」を勧めています。「展」はタイプミスではありません。  起承転結はいかにしたら読者に「感動」を与えることができるかを意図している。エッセーには向いているかもしれないが、実用文では絶対に真似をしてはいけない。実用文には脱線は禁物である。大切なのは「転」ではなく「展」である。話をさらに展開しなければならない。話をさらに掘り下げなければならない。転じるなんて飛んでもない。 という意味です。 この他にも、「文が曖昧になるよりは、うるさくても遠慮なく接続詞と指示語を使うことをおすすめする」といったアドバイスは、他の文章讀本にはあまり見られないのではないでしょうか。 ★★★ 本書のもう一つの特徴は、日本語とヨーロッパ語を対比して、日本語の性質を理解したうえでその弱点を補う作文をすべきとしている点です。  日本語は基本的には主観的判断(と思う)か事実の記述(雨が降る)しかできない。   (1)あなたは悲しい。(You are sad.)   (2)彼は悲しい。(He is sad.)  (1)と(2)は英語なら問題ないが、普通の日本語では不自然である(たとえば(2)は小説の中なら可能だろう)。自然な日本語なら次のようになるはずだ。   (1)’あなたは悲しそうだ/悲しそうに見える。   (2)’彼は悲しそうだ/悲しそうに見える。 翻訳をしていると、英語には必ず主語があり、それをそのまま日本語に直すととってもうざい文書になることがわかります。また、逆に日本語を翻訳ソフトにかけるといかに主語がない文章が多いか唖然とします。 (上の文章も主語が書かれていませんね) 本書では「無生物主語」を立てることで、論理的な文章になるとしています。そして、「名詞中心文を動詞中心文へ書き換える」ことによって、日本語らしい文章になること、また、逆をすることによって論理が明確になることを示しています。つまり、「名詞中心文を動詞中心文へ書き換える」のであれば、  [1]名詞は動詞に換える  [2]形容詞は副詞に換える  [3]無生物主語は原因・理由、手段・条件、あるいは場所・時間の表現に換える のステップを踏みなさいと具体的に方法を示しています。 ★★★ さっき気が付いたのですが、文章讀本って、単に「この文章は悪文だ」と書いているのではなく、「これこれこういう理由で、ほら実用文としては名文と言われたこの文章もいまいちでしょう」と悪文の原因を分析して悪文を書かない方法を伝えているじゃないですか。 これって、ソフトウェアテストが目指しているものととても近いと思うのです。本書でも、句読点の打ち方で文の作り方を解説し、そのあと接続詞と指示語を使うことで文と文との接続の仕方を教え、段落の切り方で意味のまとまりについて説明しています。 私のソフトウェアテストのとらえ方も同じで、今度、SQiPシンポジウムで、「体験! テスト技法:点 、線、面、立体、四次元の観点で」というタイトルで併設チュートリアルをするのですが、まったく同じ視点でやろうとしています。 ということで、そういう類の(分析とか)が好きなんでしょうね。>自分

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2012/03/29

術もここまで扱えればどれたけ心強いことだろうか。文章を書く機会が多い人は資料としてこの本を自宅の本棚に保管しておいても損はないだろう。日本語の文章を書くにあたって、気をつけなければならないこと、意識しておくべき有益な情報がかなりある。基本的には結論を先に書くことを重要視することか...

術もここまで扱えればどれたけ心強いことだろうか。文章を書く機会が多い人は資料としてこの本を自宅の本棚に保管しておいても損はないだろう。日本語の文章を書くにあたって、気をつけなければならないこと、意識しておくべき有益な情報がかなりある。基本的には結論を先に書くことを重要視することから始まり、諺や格言、そしてオノマトペをどのように使うべきかまで指南してくれている。ありがたい一冊である。

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2012/02/18

関西外国語大学国際言語学部教授の野内良三(1944-)による作文術指南。 【構成】  1 作文術の心得-短文道場  2 文をまとめる-段落道場  3 段落を組み立てる-論証道場  4 定型表現を使いこなす-日本語語彙道場 文章読本の多くは、文学的な名文を書くことを目指している...

関西外国語大学国際言語学部教授の野内良三(1944-)による作文術指南。 【構成】  1 作文術の心得-短文道場  2 文をまとめる-段落道場  3 段落を組み立てる-論証道場  4 定型表現を使いこなす-日本語語彙道場 文章読本の多くは、文学的な名文を書くことを目指しているように感じる。しかし、本書が目指すのはあくまで実用的な文章である。 実用的な文章とは「要を得て簡」な文章である。 第1章の短文術こそ本書のエッセンスである。 以下に本書での指摘に沿って、箇条書きで例を挙げる。  ・短文=単文  ・文は長い順に並べる  ・形容詞、副詞は修飾関係と語順に注意する  ・「は」と「が」の使い分け、「は」と「を」の使い分け  ・堅い名詞中心文から柔らかい動詞中心文へ 第2章と第3章は応用編であり、単文ではなく文章全体の構成がテーマとなっている。レポートや論文を書く機会の多い大学生が読めば文章の質がぐっと上がることだろう。 第4章は筆者が求める「こなれた日本語」を書くために役に立つと思われる語彙集(言い回し)である。 作文指南術としてよく出来た一冊である。

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2011/09/04

 読みにくい日本語では、誰にも読んでもらえない。説得力のある、わかりやすい文章をどう書くか。短文を意識すること、語順や読点に敏感になること、段落の構成や論証の仕方に気を配ること。そして、起承転結ではなく、「結」起承「展」。これだけで、文章の説得力はぐんとアップする。本書では、作文...

 読みにくい日本語では、誰にも読んでもらえない。説得力のある、わかりやすい文章をどう書くか。短文を意識すること、語順や読点に敏感になること、段落の構成や論証の仕方に気を配ること。そして、起承転結ではなく、「結」起承「展」。これだけで、文章の説得力はぐんとアップする。本書では、作文に役立つ「使える定型表現」のリストも大々的に披露。日本語力を、生きていく上での強力な武器とするための指南書。(扉紹介)  文章を綴る場合に、まずその文句を実際に声に出して暗誦し、それがすらすらと云えるかどうかを試してみることが必要でありました、もしすらすら云えないようなら、読者の頭に這入りにくい悪文であると極めてしまっても、間違いはありません。 現に私は青年時代から今日に至るまで、常にこれを実行しているのでありますが、こう云う点から考えましても、朗読法と云うものは疎かに出来ないのでありまして、もし皆さんに音読の習慣がありましたら、蕪雑な漢語を無闇に羅列するようなこともなくなるであろうと信ずるのであります。 (谷崎潤一郎『文章読本』より) 文豪故に成立させることができている名文を、一般の人が実用的な文章にすると以下のように変換する必要がある。 文章を綴る場合に、まずその文句を実際に声に出して暗誦し、それがすらすらと云えるかどうかを試してみることが必要である。もしすらすら云えないようなら、読者の頭に這入りにくい悪文であると極めてしまっても、間違いはない。 現に私は青年時代から今日に至るまで、常にこれを実行している。こう云う点から考えましても、朗読法と云うものは疎かに出来ない。もし皆さんに音読の習慣があれば、場違いな漢語を無闇に羅列するようなこともなくなるであろうと信じる。 また、上述例文中で指摘されているように、推敲のため音読するというのはわかりやすい文章を書くための極めて有効な作文術だ。

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2011/04/23

内容的には目新しいものはなく、日本語の作文の技術(本田勝一)の流れを踏襲しているように思いました。(本文でも記載されていますが。)巻末の定型表現を使いこなすの部分は秀逸でした。コピーしていつでも見れるようにしたいです。「括目に値する」使ってみたいですね

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2011/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・作文は既存の言い回しをいかに上手くつかいこなすか-英作文をするときの考え方をこう説く人は多く見るが、日本語にまでこれを適用する人は初めて見た。 ・今の自分の年で樋口一葉が書いたというたけくらべを青空文庫でチェック。正直ほとんど分からない。時代背景が全く異なるとはいえ、自分が仮にあの時代に生まれても、こんなもの絶対に書けなかっただろう。 ・複雑な事柄を説明するには、個々の事例を挙げる前に、いったん全容を示す。 ・4文節の並び替えは4×4通りって…4のだろう。高1レベルの数学。 ・「意味的にまとまった」文節は長い順に並べるとよい。 ・「読点には『遠くの文の単位にかかる』というサインとしての用法がある」 ・長い順に並べるのは修飾語も同じ。修飾語がどの語にかかっているのかに注意を常に向けるべし。 ・読点はなるべく打たない。原則を以下に挙げる。①長い順に文単位が並んでないとき ②ほぼ同じ長さの大きな単位が連続するとき ③「は」のあとは基本打たなくていい。読みやすさのために打ってもいい(④ひらがなの連続で読みにくくなるとき これは乱歩の作例による) ・基本的には、読者が読みやすいように打つ。文全体にかかる接続詞、漢字・かなの連続、助詞の省略、接続詞のあと、並列関係、倒置法、引用・説明etc ・「は」は選択・退避、「が」は排除・特定 ・「が」と「を」の使い分け:「が」は「状態」、「を」は「行為」 (例)私はコーヒー「が」飲みたい、私はコーヒー「を」飲む ・「は」には文を越えてかかる用法がある。「が」は近くの述語にかかるのが基本。 ・翻訳文をこなれた日本語に変える方法:①名詞は動詞に変える ②形容詞は副詞に変える ③無生物主語は原因・理由、手段・条件、あるいは場所・時間の表現に変える ・・・昔習った英文和訳法と一緒だ。特に③ ・観念的で堅い文章を書くときには、上の①~③の逆のプロセスを行えば良い。 ・慣用表現を使うのはいいんだけど、言葉のチョイスがいちいち古臭いなこの人・・・ ・帰納法の文章においてスタートとなる前提。これはかなりの確度を持った情報でなければならないと思う。本書の作例に示されているそれは、どれもこれも根拠に乏しいもので、文の土台が弱いように見える。 ・「書き慣れない人の文章でまず目につくのは、やたらに「と思う」、「と考える」が出てくること」 まさに俺 ・漢字のひらきかたに関しては記者ハンドブックにしたがうのがベターだろう ・筆者はオノマトペの利用を勧めているが自分は反対。筆者も述べているように文章が稚拙に見える。それこそひどいラノベみたいに。

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2011/04/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 読みにくい日本語では、誰にも読んでもらえない。 説得力のある、わかりやすい文章をどう書くか。 短文を意識すること、語順や読点に敏感になること、段落の構成や論証の仕方に気を配ること。 そして、起承転結ではなく、「結」起承「展」。 これだけで、文章の説得力はぐんとアップする。 本書では、作文に役立つ「使える定型表現」のリストも大々的に披露。 日本語力を、生きていく上での強力な武器とするための指南書。 [ 目次 ] 1 作文術の心得―短文道場(書き言葉は「外国語」;書くとは「引用」 ほか) 2 文をまとめる―段落道場(文から文章へ;段落とはなんだろう ほか) 3 段落を組み立てる―論証道場(「強い」論証と「弱い」論証;人は「権威」に弱い ほか) 4 定型表現を使いこなす―日本語語彙道場(オノマトペを見直す;慣用句を見直す ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2011/03/17

101024byNHK books 次→p101~110317 --- カードというか単文帳 20 『楽園』 宮部みゆき ←提携表現上手 22 --- 頭、 27,

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2011/01/31

これは良書ですね。「日本語の作文技術」(本多勝一)に並ぶ、「読み手にとって分かりやすい日本語の文章を書くための技術」が解説されています。(タイトルも似ていますね) こちらは一つ一つの「文章」だけではなく、「段落」についても論が展開されています。 オーシャンブリッジの必読書にし...

これは良書ですね。「日本語の作文技術」(本多勝一)に並ぶ、「読み手にとって分かりやすい日本語の文章を書くための技術」が解説されています。(タイトルも似ていますね) こちらは一つ一つの「文章」だけではなく、「段落」についても論が展開されています。 オーシャンブリッジの必読書にしたい本です。

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