こころの病理学 の商品レビュー
全体を俯瞰する精神医学史から始まって、診断における問題点、医療と刑罰・社会復帰の関わりにおける問題点がしっかりと指摘されている。一方、自殺について念慮から企図へ至る道標として軽躁を持ち出している点も、最重度のうつ状態では企図できない実態とマッチしており解かりやすい。
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各種精神疾患について ICD-10 に基づき分類を概説した後、特に統合失調症と気分障害(鬱病)について詳述している。 細かい点を論うと、節分けがざっくりしていて若干どこに何が書いてあったか探しにくい、芝伸太郎氏による気分障害の説明はフロイト的過ぎないか(性発達途上での固着・退行に...
各種精神疾患について ICD-10 に基づき分類を概説した後、特に統合失調症と気分障害(鬱病)について詳述している。 細かい点を論うと、節分けがざっくりしていて若干どこに何が書いてあったか探しにくい、芝伸太郎氏による気分障害の説明はフロイト的過ぎないか(性発達途上での固着・退行による説明は一般的なのか?)、といった不満もあるが、大筋として解り易く精神障害について俯瞰する事が出来たと思う。 追記: p.94 "一〇〇%「うつ」と見えるような状態にも必ず少しは「躁」が混入しており" とあるが、単極性うつ病を認めない見方はあまり一般的でないのではないか。
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自殺念慮と自殺決行には連続性があるが、歩いて到達はできない。なぜなら自殺決行には相当な決断力がいるから。うつでは自殺しない。その決断力を招いてしまうのは、躁の状態の時。
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