板垣退助(上) の商品レビュー
「板垣死すとも自由は死せず」という言葉があまりにも有名であるため、板垣退助の名は誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。しかし、大抵の人は板垣その人をよく知らないというのが現状だ。そんな時、気軽に手に取れる小説である。 上巻は、板垣の武人的才能を描きつつ、後に四民平等、自由民権運...
「板垣死すとも自由は死せず」という言葉があまりにも有名であるため、板垣退助の名は誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。しかし、大抵の人は板垣その人をよく知らないというのが現状だ。そんな時、気軽に手に取れる小説である。 上巻は、板垣の武人的才能を描きつつ、後に四民平等、自由民権運動へと展開していく彼の人生の布石のようなものがうかがえる。加えて、河野広中や片岡謙吉など民権派の要となる人たちとの出会いや繋がりが描かれている。 会津を落とし、武人としての面が晴れ晴れしく目立つ中で、征韓論の話から今後板垣がどのように民権派の第一線として人生を歩んでいくのか。下巻へと進んでいく。
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上巻は戊辰戦争を経て板垣が四民平等の思想をもつに至る経過を細かく書いている。こういうの、好きだなあ。当時は四民平等なんてだれも考えもしないまっさらな、”0”の状態だったわけで、殻を破るようにいろいろな葛藤があって、板垣は戦争明けの祝いの席でその考えを口にしたんだと思う。どこかの思...
上巻は戊辰戦争を経て板垣が四民平等の思想をもつに至る経過を細かく書いている。こういうの、好きだなあ。当時は四民平等なんてだれも考えもしないまっさらな、”0”の状態だったわけで、殻を破るようにいろいろな葛藤があって、板垣は戦争明けの祝いの席でその考えを口にしたんだと思う。どこかの思いつきで行動する政治家とはわけが違う← それでも誰にも理解されずに「こいつ狂ってるんじゃないか」という目で見られてしまう。だれだって、どんなことだって最初の最初はそんな感じだ。今でこそ四民平等は当たり前だけど、もとはひとりの軍人の頭の中で花開いた、たったひとひらの花弁だった。
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