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日本の学級集団と学級経営 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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日本の新しい教育指導法の定義

今日本の教育システムが時代の流れとともにその限界点を露呈していると解き明かす。 その代償として減少するどころか増え続けるいじめやそれを苦にする自殺問題、学級崩壊と不登校、校内暴力などです。 日本は教育システムの革新を迫られていますが、未だ特効薬を見つけだせないまま、そ...

今日本の教育システムが時代の流れとともにその限界点を露呈していると解き明かす。 その代償として減少するどころか増え続けるいじめやそれを苦にする自殺問題、学級崩壊と不登校、校内暴力などです。 日本は教育システムの革新を迫られていますが、未だ特効薬を見つけだせないまま、その全責任は現場教師と学校に押しつけられており教師が精神疾患やうつ病を患い中途退職していく悪循環な状態なのだと思います。 そんな現状を的確に把握して、今ある条件の中で学校や教師、管理職ができることを具体的な論理で展開し、しかもわかりやすく実践の形で説いた意義ある一冊ではないでしょうか。 詰め込み教育でもなく、ゆとり教育でもない、あらたな日本の教育システムの返還を提案しています。 日本の教師は学習指導と生活指導、その他雑務の手一杯な状態の中で新たな学級経営としてQ-Uによる学級状態把握からの指導法レクチャーしていきます。 全国でリサーチされた膨大な結果とデータがその効力を物語っていると思います。 一つの方法論ではありますが、現状で考えられる唯一確実な展望を見せているものだと思います。

diamondlectures

現状を打破するために

日本の教育というものを時代背景から歴史を遡って読んだことは本書が初めてであった。 教育の温故知新を知ることは有意義な読み物でもあった。 もちろんただの読み物ではなくデータを取り入れ時代ごとの教育の問題から教育システムを 臨機応変にテコ入れしていきている史実は教育の今後を考え...

日本の教育というものを時代背景から歴史を遡って読んだことは本書が初めてであった。 教育の温故知新を知ることは有意義な読み物でもあった。 もちろんただの読み物ではなくデータを取り入れ時代ごとの教育の問題から教育システムを 臨機応変にテコ入れしていきている史実は教育の今後を考える上で非常に参考になった。 だが教育方針と現場でのズレが時代に追い付いていないギャップを どのように埋めるべきであるかという点が問題であるのだ。 現場の教師として上から具体的な学級経営方針を打ちたてられることなく、 教師独自の方針で進めることになり多くの雑務に追われる中で 何か問題が起きれば個人の教師の学級経営方針を責められる。 自信とアイデンティティを失う教師が増えていき、そんな担任が経営する学級では子どもたちの学力と人間性は高められない。 この負の連鎖を根本的に改善なくどうのように打破できるのか? 著者の推奨する学級状態というものさしで計る集団づくりという捉え方はとても斬新であり、 今まで誰も唱えなかったことである。教師個人のポテンシャルはいつの時代もみな完璧ではないのだから どんな段階のポテンシャルであれ学級状態に根差した経営技術の習得が今の日本教育の諸問題を解決してくれる糸口になるような気がする。そんな教育の明るい未来を予感させる読後感を味わえました。

swingswingy

警鐘から学ぶもの

今ある日本の教育における限界とさしせまった現状、今後の切なる変革の必要性、現職教師と管理者、学校、教育委員会が考えなくてはいけないことを世界の教育の歴史やデータなど使ってあらゆる角度から警鐘しています。今までの日本は中央集権制の教育方法でしたが地方分権などでその土地の特色を生かし...

今ある日本の教育における限界とさしせまった現状、今後の切なる変革の必要性、現職教師と管理者、学校、教育委員会が考えなくてはいけないことを世界の教育の歴史やデータなど使ってあらゆる角度から警鐘しています。今までの日本は中央集権制の教育方法でしたが地方分権などでその土地の特色を生かしたさまざま試みを推奨しています。確かに学級崩壊と一言で言っても環境とその保護者の暮らしなどから生活スタイルや考え方も多岐にわたっていてその中で構成されている学級ひとくくりで比較もせず討論されるには無理があると思います。教育に携わっているのものとして今ある現状の日本教育と自分が所属する学校と担当しているクラスをあらためてまた別の大きな視点から考え直す良い機会を与えられました。担当教師が取り組めること、リーダーシップ行動も必読の内容ですぐに取り組めるものとして参考になりました。

最新アナログシステム

一斉指導のこれから

自分は中学校の一教員ですが現場の人間として雑務に追われる毎日です。 言い訳になりますが余裕をもって計画的な学級経営ができていない現状は否めません。 もちろんそのしわ寄せは自分たちとそれ以上に精神衛生的に生徒たちが被っていると思います。 この本を読んで現在の日本の一斉指導の限...

自分は中学校の一教員ですが現場の人間として雑務に追われる毎日です。 言い訳になりますが余裕をもって計画的な学級経営ができていない現状は否めません。 もちろんそのしわ寄せは自分たちとそれ以上に精神衛生的に生徒たちが被っていると思います。 この本を読んで現在の日本の一斉指導の限界を強く感じました。 学術的ではありますが、世界の中の日本の教育の歴史と、現在持ち上がっている問題など 身にあたることが多くとても読みやすいと思います。教員として読むべき一冊に加えて欲しいと願います。 これからは以前のような一斉指導ではなく柔軟に地域ごとの教育選択をすべきという主張は全く同感です。

slowspeedsoul

これからの学級経営に必要なこと

教師の存在が児童生徒の人格形成に大きな影響を及ぼすという点は誰しもが思い当たると思います。 かくいう自分も小学校の一教師なのでその責任は計り知れないと感じています。 自分の小学時代を思い出せば担任からの言動が、 今でもたまにフラッシュバックすることを考えればその重要性は明ら...

教師の存在が児童生徒の人格形成に大きな影響を及ぼすという点は誰しもが思い当たると思います。 かくいう自分も小学校の一教師なのでその責任は計り知れないと感じています。 自分の小学時代を思い出せば担任からの言動が、 今でもたまにフラッシュバックすることを考えればその重要性は明らかです。 学校システムの問題を浮き彫りにさせ、筆者が懸念するこれからの日本教育界を どのようにすれば道が開けるかが提案されています。 日本の教育システムに限界が来ていることは現場の教員をはじめ保護者一般にも周知の事実なので 各個人がこれらのことをより真剣に考えなければいけないところまで来ていると思います。 現場の教師としてできうる学級経営をしていこうという力をもらいました。 著者のQ-Uもこれからの日本の教育システムをサポートできるツールになる気がします。

shunaider

教育関係者へ一読を

現在の日本の教育における問題、「いじめ」「登校拒否」「学級崩壊」について 日本の教育指導法をどう変化し対応していくべきかを考えさせられる内容です。 今までの日本の学級システムが現代の教育問題に作用してきたか、 さらに現在の学校システムをどうテコ入れしていくべきか また教育...

現在の日本の教育における問題、「いじめ」「登校拒否」「学級崩壊」について 日本の教育指導法をどう変化し対応していくべきかを考えさせられる内容です。 今までの日本の学級システムが現代の教育問題に作用してきたか、 さらに現在の学校システムをどうテコ入れしていくべきか また教育モデルでもあったアメリカや海外の文化を踏まえて日本の学校システムと比較検討しています。 あらゆる問題は教師の力量や日本の授業形態だけではなく根本であると気づかせてくれます。 教育に携わる全ての教育関係者に読んで欲しいそんな本だと思います。

教育レシピ

2014/05/05

Q-Uテストに基づいた学級分析。他の本とは異なり研究者としての学術図書。「日本の」がポイント。 日本の学級集団の独自性と,その集団に合わせた学級経営手法について。

Posted byブクログ

2012/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

河村先生の集大成といえるべき著者の伝えたいことが凝縮された中期完成品とも言えると思いました。 そして日本の教育についてその歴史と世界から見た軌跡を確認することができます。 その辿ってきた現在の日本教育の懸念と限界、弊害と歪、これからどのようにしていくことが日本の教育全体を革新することができるのか、著者のするどくも具体的で集団心理学に裏付けされた展望を読むことができます。 データもかなり膨大で、それだけでも本書をそのまま教育現場に活用できるのではないでしょうか。 タイトルから想像した以上に読みやすく実践的であると思います。

Posted byブクログ