共感の時代へ の商品レビュー
霊長類研究の世界的権威によるエッセイ。形式は軽いが内容は重量級だ。読者層を拡大する意図があったのか、あるいはただ単にまとめる時間がなかったのかは不明。ファンの一人としてはもっと体系的・専門的な構成を望んでしまう。勝手なものだ。 http://sessendo.blogspot....
霊長類研究の世界的権威によるエッセイ。形式は軽いが内容は重量級だ。読者層を拡大する意図があったのか、あるいはただ単にまとめる時間がなかったのかは不明。ファンの一人としてはもっと体系的・専門的な構成を望んでしまう。勝手なものだ。 http://sessendo.blogspot.com/2011/06/blog-post_21.html
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● 人間とは集団性の動物である。非常に協力的で、不公平に敏感で、好戦的になることもあるが、たいていは平和を好む。 ● 二匹のサルに同じ課題をやらせる研究で、報酬に大きな差をつけると、待遇の悪いほうのサルは課題をすることをきっぱりと拒む。 ・ 収入が一定の水準を超えると、物質的な豊...
● 人間とは集団性の動物である。非常に協力的で、不公平に敏感で、好戦的になることもあるが、たいていは平和を好む。 ● 二匹のサルに同じ課題をやらせる研究で、報酬に大きな差をつけると、待遇の悪いほうのサルは課題をすることをきっぱりと拒む。 ・ 収入が一定の水準を超えると、物質的な豊かさの重要性は驚くほど小さいことが、さまざまな研究から明らかになっている。 ・ スペンサーは「適者生存」という言葉を作った。「適者」に「不適者」への義務感を少しでも負わせるのは非生産的と。アメリカはスペンサーの言葉に熱心に耳を傾け、ビジネス界はそれに飛びついた。
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共感という能力は、人間固有の能力ではなく、他の動物も 持っている能力である。その能力は、幼児から大人になる につれて発達するように、動物も進化の過程で高度な共感 能力を得てきた。 ということが、この本で主に述べられていること。 私たちは困っている人に対し手を差し伸べるように、あ...
共感という能力は、人間固有の能力ではなく、他の動物も 持っている能力である。その能力は、幼児から大人になる につれて発達するように、動物も進化の過程で高度な共感 能力を得てきた。 ということが、この本で主に述べられていること。 私たちは困っている人に対し手を差し伸べるように、あらか じめプログラムされているということらしい。 共感は自動化された反応で、制御しようにも限界がある。 その限界を上げるのが、大人になるということ。 例えば、赤ずきんちゃんがオオカミがおばあさんのふりを して寝ているところにいるとき、赤ずきんちゃんはどんな 気持ちでしょうかという問いをしたときに、 子供は怖がっているという。これは、オオカミと対峙して いる(赤ずきんちゃんに共感している)自分の感情から 自分の思考を切り離せないから。 これは、7,8歳になると切り離すことができるようになるという。 しかし、ホラー映画のように大人になっても、共感を制御 できないものもある。 この情動の感染(共感)と呼ばれる能力の上に、視点取得 という概念がある。 例えば、サルは、子供が川を泳ぐことが怖くて先に進めず、 叫び声を上げているとき、子供が何か困っていることは わかるが、助けようとしない。 つまり、困っていることは感じるが、子供の立場に立って 考えることができない。 この視点取得と自己認識能力はとてもリンクしている。 自己認識能力とは、鏡に映った自分を自分だと思える能力。 サルは鏡に映った自分が何がなんだかわからなくなってしまうが、 オラウータンは自分だと認識する。 そして、オラウータンは、子供が木々を移れるように離れている木 を近づけてやることができる。 このようなことができる動物は、オラウータンやイルカ、ゾウ、 カササギがいるらしい。 ------------- 他の人のレビュー http://drupal.cre.jp/node/3126 http://autoblog001.blog.shinobi.jp/Entry/795/
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霊長類が向社会的(原語はsocial-oriented?)であることについて。 共感性はヒトのみに固有の特性ではないと論じられている。
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ハリケーン・カトリーナは多くのアメリカ人に衝撃を与えた。なぜ、ここまで持たざる者たちが同じアメリカにいて、しかも犬死していったのか。アメリカ市民の多くがニューオーリンズの人々に共感したにも関わらず、心ないとある政治家は「自己防衛できなかった方が悪い」という発言を残した。他者のこと...
ハリケーン・カトリーナは多くのアメリカ人に衝撃を与えた。なぜ、ここまで持たざる者たちが同じアメリカにいて、しかも犬死していったのか。アメリカ市民の多くがニューオーリンズの人々に共感したにも関わらず、心ないとある政治家は「自己防衛できなかった方が悪い」という発言を残した。他者のことを想うことができないとは、どういうことなのか・・・ 著者は霊長類/猿の研究者で、その長年の研究から霊長類/猿も「共感」する動物であることを説いていく。チンパンジーやボノボの研究から、いかに彼らが賢い動物であるか何度となく驚かされた。 動物行動学という学問に初めて触れたけど、こんなに面白い学問だとは思ってもみなかった。
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なんか読みにくい。 こういうの読むとあれなんだが、そんなにアメリカ社会というのは困った状態なのかな。
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