桐畑家の縁談 の商品レビュー
『東京観光』を読んで、久々にもっと中島さんの作品を読むかと思い読んだ。最近台湾に行ったりしたこともあり。 たぶん、今の自分の、いい加減にたゆたう状況に合っているのだろう。一気に読み切れた。 露子の、日常に退屈してしまっている感じと、佳子の、コミュニケーションの不器用さ。ちょこちょ...
『東京観光』を読んで、久々にもっと中島さんの作品を読むかと思い読んだ。最近台湾に行ったりしたこともあり。 たぶん、今の自分の、いい加減にたゆたう状況に合っているのだろう。一気に読み切れた。 露子の、日常に退屈してしまっている感じと、佳子の、コミュニケーションの不器用さ。ちょこちょこと共感できるところがあり、考えさせられた。学生の頃、ひたすら日本は生きにくいと思っていた。そうしているのは自分自身に他ならないと思いながらも。それを思い出した。 終わり方のほっこりした感じと、露子も佳子も、自分の人生をつかんでいくんだろうな、と明るく感じられるところが良かった。 2014/10/29
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【本の内容】 「結婚することにした」ある日突然、妹から告げられた桐畑露子。 お相手は台湾の青年らしい。 おくてな妹が自分より先に結婚なんて…27歳、無職で妹の家に居候中の露子は、落ち着かないながらもしぶしぶ職探しを始める。 実は彼女も恋人からプロポーズされていたが、乗り気に...
【本の内容】 「結婚することにした」ある日突然、妹から告げられた桐畑露子。 お相手は台湾の青年らしい。 おくてな妹が自分より先に結婚なんて…27歳、無職で妹の家に居候中の露子は、落ち着かないながらもしぶしぶ職探しを始める。 実は彼女も恋人からプロポーズされていたが、乗り気になれないのだった―。 娘の国際結婚に戸惑う両親も巻き込んだ、迷走姉妹のユーモラスでちょっとビターな物語。 [ 目次 ] [ POP ] 恋愛に恵まれてきた姉が、おくてなはずの妹に結婚で先を越され、その動揺をコミカルだけれど繊細な筆で描く。 行き当たりばったりの結末のように見えて、救済がそこにはある。 文学作品や歴史的事実を料理した小説『FUTON』や『イトウの恋』などで本好きの心をくすぐった著者は、現代の様々な問題をすっと引き出して、物語に絡めるのも上手い。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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医者の卵を恋人に持つ、人もうらやむ状況の露子。 だけど何故だか幸せそうでは無く、彼と結婚するつもりも無さそう。 ある日昔の恋人と街で偶然再会したことから、 その時の大失恋で負った心の傷がまだ癒えておらず 前に進めなかったことに気付く。 妹や妹の婚約者を通し、下らない拘りを捨て ...
医者の卵を恋人に持つ、人もうらやむ状況の露子。 だけど何故だか幸せそうでは無く、彼と結婚するつもりも無さそう。 ある日昔の恋人と街で偶然再会したことから、 その時の大失恋で負った心の傷がまだ癒えておらず 前に進めなかったことに気付く。 妹や妹の婚約者を通し、下らない拘りを捨て 本質的な幸せとは何かに気付く露子。 過去の恋にケリをつけ、世間体に惑わされず これから本当の幸せを掴むんだろうな。 ほのぼのとしたハッピーなラストが良かった。
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パンチのあるエピソードが多い割に淡々と読み進めることができた。家族ものであり姉妹ものであり恋愛もの、というミックス感にも雑多な感じはなし。
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順風満帆ではないけれど、切羽詰まっているわけでもない。奥手だと思っていた妹の結婚が自分より先に決まっちゃった。そんな20代後半女子の物語。 びっくりするような大事件は起こらないけど、日常からちょっと飛び出した出来事に心が揺れている。 深く考えずにリラックスしたいとき、読み進める...
順風満帆ではないけれど、切羽詰まっているわけでもない。奥手だと思っていた妹の結婚が自分より先に決まっちゃった。そんな20代後半女子の物語。 びっくりするような大事件は起こらないけど、日常からちょっと飛び出した出来事に心が揺れている。 深く考えずにリラックスしたいとき、読み進めるのにちょうどいい感じ。
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桐畑家の長女露子は三社目の会社を退職しニート生活を送っている。 結婚をほのめかしてくる研修医の恋人がいるが乗り気ではない。 二人で暮らしている妹の佳子が台湾人の青年と結婚すると言い出してからの結婚までの日々を描いた恋愛テイストの家族小説。 露子は要領がよくモテるタイプで、 佳...
桐畑家の長女露子は三社目の会社を退職しニート生活を送っている。 結婚をほのめかしてくる研修医の恋人がいるが乗り気ではない。 二人で暮らしている妹の佳子が台湾人の青年と結婚すると言い出してからの結婚までの日々を描いた恋愛テイストの家族小説。 露子は要領がよくモテるタイプで、 佳子は最初の恋人がバードウォッチングを趣味とする黒人青年という変わり者。 海外へ放浪の旅へ出たりしながら、勤め先の外国語学校の生徒と恋人同士になる。 露子の悲しい過去の恋愛や佳子と台湾人青年との恋、独身の叔父さん話など、短い章立てでさくさく進む。 文章は読むのに困難はないけど一文が長い。 淡々とした語り口もあり大きな揺らぎはないけれど、入ってきやすい物語である。 尖っているエピソードがある割に薄味なので好みが別れそう。
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たとえ、自分にも恋人がいるとしても、妹が先に結婚すると知ったときの姉の複雑な気持ちはわかる気がします。 小説のなかに、「あのおどおどした気弱な妹はそれでも、露子が落ち込むような迷宮にはけっして迷い込んだりしないのだ。」という箇所があります。仕事もしっかりとやっていて、結婚も自分で決めた妹。それに対して、無職で、恋人との関係も何だかはっきりしない姉。露子でなくとも焦るのに、条件が整い過ぎてると思います。 しかし、小説の最後の方で、妹の佳子は、意外なことで、露子に頼ってきます。きょうだいは、頼り頼られ。そんな関係が自ななんだと思いました。
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二人姉妹。いいなあ。 でも、この妹。 私の中ではそんなに変わってる人じゃないんですが 経歴でいうと私もそんなに変わらないわけで。 ハタからみたら私って相当変な人なのか?と思ってしまった・・・・
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『桐畑家の縁談』は、単行本のころに一度読んでいる。が、どんなだったかほとんど忘れている。文庫になったのを借りて、久しぶりに読んでみた。 妹・佳子が「結婚することにした」相手は、台湾の青年、ウー・ミンゾン。前に読んだときの私は、姉の露子の言動やら思案、露子の目からみたあれこれの...
『桐畑家の縁談』は、単行本のころに一度読んでいる。が、どんなだったかほとんど忘れている。文庫になったのを借りて、久しぶりに読んでみた。 妹・佳子が「結婚することにした」相手は、台湾の青年、ウー・ミンゾン。前に読んだときの私は、姉の露子の言動やら思案、露子の目からみたあれこれの観察に興味をもって読んだようなのだが、このたび読んで、ウー・ミンゾンと、妹の佳子と、このふたりの言動がずいぶんおもしろかった。 ウー・ミンゾンと水族館へ行って、ぐるぐるとイキのいいのが泳いでるのを見たら、まぐろが食べたくなり、刺身を買って帰ってウー・ミンゾンの部屋で食べたという話を、佳子は姉にこんな風に話すのだ。 ▼「ウー・ミンゾンは、刺身が好きなの。実は刺身というよりワサビが好きなのね。台湾の人ってそうなのよ。すごいのよ。こんもり小皿に盛ったワサビで刺身を和えるみたいにして食べちゃうの。目からぼろぼろ涙流して、額をピシャピシャ叩いちゃって、こんな感じ」 佳子は立ち上がると、ぐしゃぐしゃに顔をゆがめ、頭を叩きながら「ハオツー(おいしい)」と叫び、のたうちまわって刺身を賛美するウー・ミンゾンの姿をそっくりまねてみせる。(p.80) そして、年ばかりとるわりに何も変わらないような日常を好んで過ごしていながら、だんだんと何かから取り残されるような気分におそわれる露子に、親戚の十条のおじさんが言う、こんな言葉もふと心にのこる。 ▼「まあな、おまえだけ特別というんでもないよ、だいたい身長の伸びが止まるのとおんなしで、誰だって十八かそこいらを過ぎりゃあそうそう子供時代のように何かが前へばっかり進まないのさ」(p.184) 話を読み終わって、巻末の「解説」を読んで、そうやなあ、これって"姉妹小説"で、二つの女性小説がたくしこまれてるなアと思った。顔の下半分をかくしたら今も「そっくり」な露子と佳子は、いつの間にかえらく間隔のあいた二本のレールのような、それぞれの道をたどっている。 「同じ親」から産まれてとか、「同じ家庭環境」で育ってとか、氏説も育ち説も、きょうだいについてはどこかで"似たようなもんや"という見方がある気がする。確かに、似てるかもなと思うところもある。でもそれ以上に、違うよなーと思うところがいっぱいある。妹2人と自分とをいろいろ考えてみても、そう思う。 中島京子の姉が、中島さおり(『パリの女は産んでいる』の人)だということも、この文庫解説で、初めて知った。 (9/18了)
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ちょっと群よう子さんの本を読んでいる感覚と似ていた 読み終わったあと、にこっと笑顔になったよ ふわっとした露子さんが、なんだか笑えて 楽しい気楽〜な感じだった
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