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ものいわぬ農民 の商品レビュー

4.1

9件のお客様レビュー

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2024/09/24

心が洗われた 内容は 戦後の農村で農民の本音を聞き出す話 だけど 人生かけて聞き取りした 作者の 敬虔な姿勢と その文章の丁寧さが 今時にはなく 優しい気持ちになれた 最初は嫌いだった上司の琴線にふれたり それに感謝したり なれたらいいなとおもえた NHKの番組で若い俳優が読...

心が洗われた 内容は 戦後の農村で農民の本音を聞き出す話 だけど 人生かけて聞き取りした 作者の 敬虔な姿勢と その文章の丁寧さが 今時にはなく 優しい気持ちになれた 最初は嫌いだった上司の琴線にふれたり それに感謝したり なれたらいいなとおもえた NHKの番組で若い俳優が読んでた ので 感化され読んだ

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2024/08/25

かなり良かったけど刊行から五十年以上立っても読み続かれる受容史を知りたくなった。著者の意図はともかくかなり階級闘争的なものがあるので 方言資料としてもいけるかも……

Posted byブクログ

2024/03/25

俳優の水上恒司さんが「あさイチ」で読んだ、と言った本。農村部の暮らしと歴史に関心があるので、タイトルに惹かれて読んでみたら、かなり衝撃の内容だった。 本は1958年初版。時代は戦後、復員してから古着の行商を行なった4年間と、作者がその後携わった「岩手の保健」誌に掲載された7年間...

俳優の水上恒司さんが「あさイチ」で読んだ、と言った本。農村部の暮らしと歴史に関心があるので、タイトルに惹かれて読んでみたら、かなり衝撃の内容だった。 本は1958年初版。時代は戦後、復員してから古着の行商を行なった4年間と、作者がその後携わった「岩手の保健」誌に掲載された7年間の昭和20年代の頃と思われる。場所は岩手県の山間部にある村や部落。 著者は学者ではない。行商を行う間に聞いた話をそのまま書き起こして、自分の感じたことを書き添えている。のちに保健誌に関わるようになっても、やはりそのままの声を上げたほうがいいと判断して、聞き書きをそのまま載せるようにした。ここには農民の本音が表れている。 これを過去のこととして読むのではなく、農民の歴史の声として残すことは意義があると思う。日本各地にそれぞれの声があるだろうし、歴史もある。 北海道では本多勝一が昭和30年代〜40年代における道東の農家を自分の足でルポしていて、その内容もかなり衝撃的だった。開拓の歴史を当事者が語るものとして、斜里町にも「語り継ぐ女の歴史」があり、こちらも読みたいのだが、3冊は入手できなかった。 「ものいわぬ」とは、決して話さないのではなく、よそ者の行商人にはこぼすが、身内や村内では大っぴらに口にできないという意味だ。彼らにとって村だけが世界であり、そこに暮らしていくには本音を口にしてはならないことが多かった。 今も農村の主婦のエッセイが新聞誌面に載っている。そこにも開拓二世や一世が垣間見えることがあるが、それを語らない老人も多い。

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2020/06/02

ヨメに発言権がなく、外部に対して閉鎖的。子どもはたくさん亡くなる。貧しい中、働き詰めで亡くなっていく。保健的にも福祉的にも日本の最底辺やったのが岩手県。日本のチベットと言われてた。でもコロナはずっとゼロやね。

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2017/05/27

この本の初版は昭和33年(1958年)。 日本のチベットこと、岩手の農村は金なし、暇なし、娯楽なしだった。 産まれた子供の半分は亡くなってしまう地区もある。 そういった農村の中で生きていくには、部落の中における世間体が最も大切であり、良くも悪くも右習えにならざるを得ない。 農村...

この本の初版は昭和33年(1958年)。 日本のチベットこと、岩手の農村は金なし、暇なし、娯楽なしだった。 産まれた子供の半分は亡くなってしまう地区もある。 そういった農村の中で生きていくには、部落の中における世間体が最も大切であり、良くも悪くも右習えにならざるを得ない。 農村のヨメ勤めは過酷。 農繁期は朝から晩まで働きとおし。農閑期は姑と四六時中一緒。 (姑がヨメに気を使う現在に生きる我々からは想像を絶する世界だったはす) 受胎調節など農民達の実態を把握せず、紙の上にありえない農村をプロットし、語り出す国や自治体と農民達のギャップは大きく、話しをしても何を言っても農村達の生活は何一つ良くなるわけではない。 農民にあったのは希望ではなく諦めだった。 あいも変わらず、国の政策に振り回される農家を見た時、これは決して昔話ではないのかも知れないと思う。

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2015/10/09

・日本の農村とはどのようなものだったか 岩手の特に厳しい地方とはいえ、かつての日本の農村の語った言葉が描かれている。今老人の回顧を聞くのとは違う。 ・農民の声を聞く、ということがいかに難しいことか 開発に際して当事者の声を聞くことの重要性はいわれるものの、このようにかなり当事者...

・日本の農村とはどのようなものだったか 岩手の特に厳しい地方とはいえ、かつての日本の農村の語った言葉が描かれている。今老人の回顧を聞くのとは違う。 ・農民の声を聞く、ということがいかに難しいことか 開発に際して当事者の声を聞くことの重要性はいわれるものの、このようにかなり当事者に近い外部の人間がかなりの時間をかけなければ本音は聞けない。 また、本音を聞いたところで、結局のところ彼らの生活を変えたのは農地改革。

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2015/02/13

確かに、ここで書かれているこことは過去のことかもしれない。現在ではここで書かれているような貧困や抑圧そして閉鎖性は影を潜めているかもしれない。しかし、その根源にある格差を生み出す構造は、依然として存在している。 その構造はすでに近代の出発点から存在し、これからも存在し続けるだろ...

確かに、ここで書かれているこことは過去のことかもしれない。現在ではここで書かれているような貧困や抑圧そして閉鎖性は影を潜めているかもしれない。しかし、その根源にある格差を生み出す構造は、依然として存在している。 その構造はすでに近代の出発点から存在し、これからも存在し続けるだろう。いまこそ、過去の声にならない声に耳を傾けるべきではないのだろうか?

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2011/05/15

[ 内容 ] 「日本のチベット」といわれた岩手県――その山村で、貧困と因襲を背負いながら黙々と働く農民たちは、いろり端で、行商してあるく著者に対して,自分のことばで、その生活の喜びや悲しみを語った。 嫁姑の確執、二・三男問題、土地への愛着、子供や老人の姿等々。 日本社会の最も深い...

[ 内容 ] 「日本のチベット」といわれた岩手県――その山村で、貧困と因襲を背負いながら黙々と働く農民たちは、いろり端で、行商してあるく著者に対して,自分のことばで、その生活の喜びや悲しみを語った。 嫁姑の確執、二・三男問題、土地への愛着、子供や老人の姿等々。 日本社会の最も深い鉱脈をなす農民たちの語る言葉に耳を傾けよう。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2009/10/04

自分の基準と、それぞれの人の基準は違うものであることは当たり前である。そのことを踏まえて一般的な「くらしの声」とまとめてしまうのではなく、それぞれのくらしの声をそれぞれの暮らしとリンクして、くらしの声から生まれた問題を向き合って考えることで初めて、くらしの声を「聴いた」といえるの...

自分の基準と、それぞれの人の基準は違うものであることは当たり前である。そのことを踏まえて一般的な「くらしの声」とまとめてしまうのではなく、それぞれのくらしの声をそれぞれの暮らしとリンクして、くらしの声から生まれた問題を向き合って考えることで初めて、くらしの声を「聴いた」といえるのではないかと考えられる。

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