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リーンの翼(3) の商品レビュー

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2026/03/20

富野由悠季氏の小説作品の中でもとくに異例のスタイルで書かれる第三巻。前巻の激烈な結末から一転してバイストン・ウェルに戻ってきてしまった迫水進次郎は、まず前巻末の激烈な感情体験を、再び目覚めたときにはなぜか憶えていません。 ヘリコンはメッオの地での迫水の再出発は、同じくコモン界に...

富野由悠季氏の小説作品の中でもとくに異例のスタイルで書かれる第三巻。前巻の激烈な結末から一転してバイストン・ウェルに戻ってきてしまった迫水進次郎は、まず前巻末の激烈な感情体験を、再び目覚めたときにはなぜか憶えていません。 ヘリコンはメッオの地での迫水の再出発は、同じくコモン界に漂着する同時代の地上人達との出会い・対話をくり返しつつ、前巻までの戦争バトルと打って変わって「ディスカッションもの」の様相が大半を占める。富野読者にはこの会話劇は慣れているかもしれませんが、富野ファンだからこそ、ここに語られることは一々読み飛ばしているかもしれないとは、再読の間に気づいてきました。スコット大佐やバランモンのどこか奇怪に思える「語り方」には注意してほしいです。 時代は過ぎ、ホウジョウ建国記とオーラバトラー開発史の中では十年・二十年が一日のように語られ、迫水の戦記は常人なら三代を重ねるほどの年月を一代で語り続ける年代記になっていく。その頃、地上界では青年ロウリィと中年軍人エメリス・マキャベルがそれぞれにアクションを起こす。 「やってみるしかない実験」を世界に突きつけるというロウリィやエメリスの理論武装に対して、一般の読者は「過激すぎておかしい」とは思っても、それに理論的に反駁するのは難しいのではないか。大方は判断保留してただ成り行きに任せて読んでいるかと思います。わたしはこのたび、作中思想とその文芸の追跡を長々続けてきた後に、リュクス姫の登場して鈴木君に膝・太ももを食らわすところについにやったー!となりまっすた。ラスト、四巻に続きます。

Posted byブクログ

2013/05/25

見事だよ鈴木君! 在りし日の若き特攻隊員サコミズ・シンジロウの眼を以って兵士の見た戦争を訴える一方で、それからの年月の中で勃発した戦争や内紛をあくまでも客観的にかつ無感情に突きつける手法、実に卑怯である。この絶望感を以ってあるべき時流からはぐれた男の念を推し量らせる手順は実に...

見事だよ鈴木君! 在りし日の若き特攻隊員サコミズ・シンジロウの眼を以って兵士の見た戦争を訴える一方で、それからの年月の中で勃発した戦争や内紛をあくまでも客観的にかつ無感情に突きつける手法、実に卑怯である。この絶望感を以ってあるべき時流からはぐれた男の念を推し量らせる手順は実に狡猾である。

Posted byブクログ