パパ、南極へ行く の商品レビュー
この本は、南極に少なかれ憧れを抱いている者が手に取るはずなので、なにか読者同士が繋がっているような感覚を覚えます。著者の視点から表現された体験談は、とても暖かく、心地よい疑似体験ができました。 特筆したい内容が5つあります。 1つ目は「研究の成果は出さなくても良い」と言わ...
この本は、南極に少なかれ憧れを抱いている者が手に取るはずなので、なにか読者同士が繋がっているような感覚を覚えます。著者の視点から表現された体験談は、とても暖かく、心地よい疑似体験ができました。 特筆したい内容が5つあります。 1つ目は「研究の成果は出さなくても良い」と言われた事です。命が最優先と言う事ですが、命を削って働いている現代社会を垣間見ると、我々にも必要な考え方かもしれません。人間、自然から離れれば離れるほど、感覚が麻痺してしまい、本来あるべき姿を見失いがちになりますからね。 2つ目は「自分をさらけ出さないと生活していけない」事です。過酷な自然環境、限られた居住スペース、命取りになるストレスを溜め込まないためには、ありのままの自分を出す必要があるのかもしれません。極地探検隊が異常に明るい理由も、そんな理由からかも!? 3つ目は「観測隊では、南極点に立てないし、ヴィンソン・マシフも登れない」事です。探検隊じゃないから、そうですよね。オーロラや白夜は楽しめますが、やっぱり南極行くなら冒険したいな...と思う気持ちは捨て切れませんでした。 4つ目として「氷が痛む」と言う表現が気に入りました。安全面からの言葉ですが、どこか氷への愛情すら感じます。実は私も「雪が痛む」と言う表現をします。せっかく積もった輝く新雪が、薄汚れていく様は淋しいものですよね。ちょっと話が拡散してしまいました...。 最後は、帰国後の著者の心境です。明らかに南極に帰りたがっています。この気持ち、何となくわかります。南極の過酷さ以上に、社会の煩わしさは、人を息苦しく生き難くします。そんなストレスのない南極、越冬経験者が振り返れば、きっと理想郷のように映るのかもしれません。
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