源氏物語とその作者たち の商品レビュー
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著者は、長年折口信夫に師事し、古代学の継承と王朝の和歌.物語の研究に努めた人。原稿用紙にして2500枚にも及ぶ長大な源氏物語を、紫式部が一人で書いたのか? 文体や登場人物の扱いなどに着目し、錯綜する展開を解きほぐすことで見えてきたのは、「宇治十帖」のみならず多くの部分が、読者によって自由に加筆や修正が行われ「成長」していった事実だった。 -20100531
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『源氏物語』は紫式部ひとりの手によるものではなく、読みつがれる中で書き足されたり欠落したり代理の筆者が書いた部分があったという説。 帚木冒頭から光源氏の失敗を語るのが不自然というということだったが、完璧超人にヌケを作るのはキャラクター造形において不自然だと思わなかったので驚いた。 男性作者がいたらという仮定で頼通の名前が出されていたが、性的にふざけたノリだから男性作者が書いたかも!というのはいささか早計では?
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[ 内容 ] 原稿用紙に換算して二千五百枚にもなる長大な物語を、本当に紫式部が一人で書いたのか―文体や登場人物の扱いなどに着目し、錯綜する展開を解きほぐすことで見えてきたのは、光源氏死後の話である「宇治十帖」のみならず多くの部分が、読者によって自由に加筆や修正が行われ「成長」していった事実だった―。 [ 目次 ] 序の章 作者としての紫式部 第1章 物語の不思議な構成 第2章 巻々成立への関心 第3章 紫の君の物語 第4章 本格的な物語の構築 第5章 「上」と称せられる紫の君 第6章 紫式部の源氏物語 第7章 朝顔の宮追従 第8章 紫の物語の終局 終章 男性作者の登場 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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源氏物語が、複数の作者いるとのこと。昔は、物語はすべて書き写されていたし、読み手と書き手の距離がとても短いので、物語を付け加えたり改作することに、罪の意識は無かったようだ。当時の華やかな女達のざわめきが聞こえてくるようで、読んでて楽しかった。
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源氏物語は紫式部一人によって記されたものではないと言う考えにもとづき、他の人物の手による場面や巻を考察している。紫式部の天才を信じる人には違和感のある内容だろう。
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おもしろかったです。 私は大学の専攻を選ぶ時、国文学か国史学(日本史)かで迷った末、国史学に進んだのですが、こんな本を読むとまたぞろ国文学が勉強したくなってしまいます。 源氏物語は『あさきゆめみし』ではまり、与謝野晶子訳のものを読み、円地文子訳のものを読み、瀬戸内寂聴の『女人源...
おもしろかったです。 私は大学の専攻を選ぶ時、国文学か国史学(日本史)かで迷った末、国史学に進んだのですが、こんな本を読むとまたぞろ国文学が勉強したくなってしまいます。 源氏物語は『あさきゆめみし』ではまり、与謝野晶子訳のものを読み、円地文子訳のものを読み、瀬戸内寂聴の『女人源氏物語』、橋本治の『窯変 源氏物語』にも手を出し、途中で挫折はしたものの原文も読んでいましたが、なぜ原文で挫折したのか、この本を読んで納得がいきました。 なるほど、源氏物語は紫式部一人の手になるものではなかったのですね。桐壺が終わって、次の帚木になると、いきなり光源氏が遊び人になっていて、????という感じでしたが、別人の作であると言われると、納得です。 印刷ではなくすべて人の手による写本だった時代、読者が作者になる、今の世でいうところの二次創作!?みたいなことが起きていたんですねぇ。
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