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ボートの三人男 の商品レビュー

3.8

38件のお客様レビュー

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2024/07/07

アガサ・クリスティーや太宰治など、とかく引用されることが多いイギリスの古典。気になって読んでみたら、とても面白かったです。 物語は、気鬱にかかった三人の男(犬は勘定に入れません)が、ロンドンからオックスフォードまで、ボートを漕いでテムズ河を往復する旅の顛末を描いているだけです。...

アガサ・クリスティーや太宰治など、とかく引用されることが多いイギリスの古典。気になって読んでみたら、とても面白かったです。 物語は、気鬱にかかった三人の男(犬は勘定に入れません)が、ロンドンからオックスフォードまで、ボートを漕いでテムズ河を往復する旅の顛末を描いているだけです。しかし、この三人、準備に手こずりなかなかボートに乗らないのですが、いざ乗って帰ってくるまで、その合間に語られるユーモアのある会話のやり取りや、過去の出来事を回想するシーンの数々のエピソードは、とても楽しく読むことができました。 主人公のわたし(=著者)は、ボートを漕ぎながら、テムズ河流域の歴史や地理などに思いを馳せるのですが、日本人からするとわかりにくいところもあります。そこは、Mapアプリでテムズ河の様子を眺めたり、水閘(すいこう=ロック:水位の差の水域を船が通過できるようにした設備)の写真を検索して眺めながら読んだので、情景がよく理解できました。 そんなスマホの寄り道が多かったので、読み終わるのに時間がかかりましたが、各章の最初に、その章の要約が書かれていて、途切れ途切れに時間をおいて読んでも、内容を見失うことがないのが嬉しかったです。 欲を言えば、簡単な地図があると良かったのにとは思いました。あと、注釈も欲しいですね。この辺りが減点かな。丸谷才一の訳文は読みやすく、井上ひさしの解説も良かっただけに残念。カバーのイラストは和田誠さん。本文を読んだ後ではジワジワ来ますね…。 この手の本で頭に思い浮かぶタイトルは、ヴィクトル・ユーゴー『ライン河幻想紀行』ですが、おそらくこれほどユーモアに富んではいないかもしれない。コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』とともに、気になっている本なので、二つともいつか読んでみたいです。

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2023/12/29

クスクス笑える小説。旅の前の荷造りが終わらなくて絶望的な気持ちになる深夜がすごく共感した。面白いのだけど話の山場みたいなものが見えず、途中で飽きてしまった。12章まではきちんと読んだが、13〜18章は読まずに最終章の19章だけ読んで読了。

Posted byブクログ

2023/05/24

フォローしているb-matatabiさんの感想に共感して手にした。英国ユーモア小説の古典と言う事だが、今読んでも、変わらない人間の本質とかが描かれていてドキッとさせられる。バカバカしい小説の様だが鋭い人間観察が面白かった。

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2022/03/19

井上ひさしの解説に惹かれて借りた。イギリスの地歴に詳しいとより面白く読めそう。英語でも気軽に楽しく読めそうな本なので英語で読んでみようかな。 流し読み。

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2022/02/20

楽しんだ^ ^ 解説にあった、地理、歴史、自然、冒険、ユーモア、なんかの多面性がまさによかったなあ。 写真と地図付きの旅行案内出して欲しい

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2021/08/16

三人と一匹のボート旅。 軽妙洒脱な文章。愛すべきあほらしさにクスッと笑ってしまう古典ユーモア。 ジーヴスシリーズが好きな人は好きだと思う。楽しい作品だった。

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2021/07/11

三人の病弱な紳士たち、ジョージとハリスとぼく、それから犬のモンモランシーは、休息と気分転換が必要だという理由で、テムズ河をボートで漕ぎ出すことに。 寝泊まりする場所や、持って行く物や食糧について、三人の間で議論が交わされるのだが、すぐに話が横道にそれるし、ドタバタ喜劇みたいで笑わ...

三人の病弱な紳士たち、ジョージとハリスとぼく、それから犬のモンモランシーは、休息と気分転換が必要だという理由で、テムズ河をボートで漕ぎ出すことに。 寝泊まりする場所や、持って行く物や食糧について、三人の間で議論が交わされるのだが、すぐに話が横道にそれるし、ドタバタ喜劇みたいで笑わずにはいられない。 ボートに乗る前から、何やら珍道中が始まる予感がする。 19世紀に書かれた古典だが、ユーモアのせいか垢抜けた感じがして楽しめたし、各章の始まる前に要約された文章がつけられてあるので、内容が分かりやすくなっていた。 小さなコテージをちりばめた並木道や絵のように美しいホテルなど、河の眺めを想像しながら読むのは、まるで観光を楽しんでいるような気分だった。テムズ河の歴史にも触れることができた。 二週間の旅が終わろうとする間際、ジョージが弾くバンジョーが溢れるばかりの哀愁を引き出し、みんなですすり泣いたのも束の間、やっぱり最後も笑いで終わらせてくれていた。 笑いが何よりの癒しであるようだ。 この先も、この仲良し三人組と一匹の犬をふと思い出して、時々笑ってしまうかもしれない。

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2021/05/05

ゆったりしながら読むのがちょうど良さそうな本。 小話がいっぱい詰まってる。そして、可笑しい。 おいこら、前と言ってることと違うぞと思ったり、間抜けだなと思ったり。 1番チーズの話がくだらなくてお気に入り。

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2021/02/21

p93 しかし現代に生きているわれわれには、この犬の美しさが見えないのである。なぜかと言えば、この犬はあんまり身近な存在すぎるから。つまりそれは、日没や星のようなものだ。ぼくたちの目にとってあんまりあふれているから、その美しさによって畏敬の念を覚えることはないのである。 19世...

p93 しかし現代に生きているわれわれには、この犬の美しさが見えないのである。なぜかと言えば、この犬はあんまり身近な存在すぎるから。つまりそれは、日没や星のようなものだ。ぼくたちの目にとってあんまりあふれているから、その美しさによって畏敬の念を覚えることはないのである。 19世紀イギリスの、膝栗毛のようなユーモアあふれる船遊び。お金持ち紳士の遊び。 落としたワイシャツが誰のものかわかったときの笑いの交代、ほら話や昔話、船に関する笑い話いくつか、自分が働くときはさも重労働で、他人が働くときの手際の悪さを笑い、美味しいもの好きのハリスといつも寝ているジョージ、お互いに雑言を言い合って仲良しなんだなという感じ、読んでいて楽しかったです。この皮肉たっぷりのユーモアが古典になるのも頷ける。

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2020/05/13

コロナで自粛のような、ちょっとだるい休暇に読むとちょうどいい本。 かわいい笑いであふれていて、なごむ。

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