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花×華(1) の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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深みのある設定が切なく彩る素敵な物語

確かにラヴコメである。作者も「青春」を意識したラヴコメだとあとがきで述べている。しかし、ただのラヴコメではない。何とも言えない哀しさと切ない宿命を抱えた運命を乗り越える物語に仕上げているのはさすがの一言。起承転結で奥深いドラマをしっかり描いている。 序盤で2人のヒロイン【...

確かにラヴコメである。作者も「青春」を意識したラヴコメだとあとがきで述べている。しかし、ただのラヴコメではない。何とも言えない哀しさと切ない宿命を抱えた運命を乗り越える物語に仕上げているのはさすがの一言。起承転結で奥深いドラマをしっかり描いている。 序盤で2人のヒロイン【花】と【華】が大胆極まる行動に出るところは作者の出世作『護くん』を彷彿とさせる。こんな嬉し恥ずかし羨まし展開あるかぁっ!とクラスメイトならずも叫びたくなる激甘で話は進むが、中盤から少しずつ陰っていく。ヒロイン達と主人公【夕】との恋模様が陰るのではなく、花と華の秘密めいた背後が見え隠れし始めてシリアス成分が滲み出てくる。また、夕にもコンプレックスがあることから、違いこそあるものの、この3人にはそれぞれ宿命めいた負い目や壁を持っているという本作の影のテーマが見えてくる構成である。親と子、そして父と母という、離れたくないのに近寄りがたい、距離を置きたいのに置いて行かれたくない、越えたいのに越えられない存在と関係が本作の背景を色濃く彩っている。しかし、こうしたキツイ宿命と運命を抱えながらも脇道に逸れることなく、打ちひしがれながらも前向きに生きようとするのが本作の素晴らしさであり、彼女達と彼、彼と彼女達、この3人の出会いが呪縛からの解放を謳い、お互いがお互いを「救われた」と感謝し合う素敵な物語になっている。 これだけ渾身の1作を上梓すると、しばらく次作の構想が滞る気もするが、これは是非ともシリーズ化して頂きたいところ。小柄な華を愛でる演劇部部長には生徒会長というオプションも付いているのでこのままでは勿体ないし、他にもこれから動き出しそうなメンバーが周りに控えている。それに何より夕と花と華の物語はまだ始まったばかりである。

DSK

2023/12/24

瑞々しいほどの青さとか、恐れを知らぬゆえのがむしゃら感とか、決して素材は悪くないと思う。ストーリーも、ありがちと言うか悪くはないし。

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2017/04/14

全8巻完結。ヒロインが主人公に好きという気持ちをはっきり伝えて、主人公も彼女らの気持ちをちゃんと分かっているという、ツンデレ女子に鈍感男子がテンプレのライトノベルには珍しい、というか唯一なんじゃないかと思う、公開両想い三角関係作品。読んでいて気恥ずかしくなる。葉菜子がいなかったら...

全8巻完結。ヒロインが主人公に好きという気持ちをはっきり伝えて、主人公も彼女らの気持ちをちゃんと分かっているという、ツンデレ女子に鈍感男子がテンプレのライトノベルには珍しい、というか唯一なんじゃないかと思う、公開両想い三角関係作品。読んでいて気恥ずかしくなる。葉菜子がいなかったら、読み終えられなかったかも。 でも最終巻まで読んで良かった。

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2013/06/12

いちゃいちゃハーレムものかと思いきや、ヒロインの生い立ちが重くて驚いた。 肝心の映画撮影の部分が後半一気に削られて戸惑った。練習の過程は描かれていただけに惜しい。

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2013/05/05

映像・心象を文章化する難しさ。 途中重い話もありましたが、本人たちはあまり気にしていないようなのでOKなのかな。

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2012/02/05

想像以上に重いエピソードを孕んでいたけれども、最後は高校生らしく、子供らしく気持ちをただただぶつけるというのが、とても青春っぽくて良い。これから先の物語に大変期待が持てる良いお話でした。

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2019/01/16

作者の岩田さんは、わたしの中では“想いを描く作家”と認識されている。 その作者の力量発揮の一作。 前シリーズが重苦しかったので、こういう明るい作品を待っていた。   かわいい女の子二人にいきなり告白されて、その二人と映画を撮ることになると言う、なんとも実にライトノベルらしい展開。...

作者の岩田さんは、わたしの中では“想いを描く作家”と認識されている。 その作者の力量発揮の一作。 前シリーズが重苦しかったので、こういう明るい作品を待っていた。   かわいい女の子二人にいきなり告白されて、その二人と映画を撮ることになると言う、なんとも実にライトノベルらしい展開。 でも、ただのラブコメではなくて、主人公たち三人のそれぞれの心の傷や挫折を背景にそれでも、前に進んでいこうとする意志を、愛しい人を肯定していく力強さを、愛しい人に肯定される喜びを、これでもかと描き出す姿は、本当に、読んでいて素敵。   また、映画という映像美を文章で表現しようとする作者のその姿勢にも感心する。   読み終わって、とても気持ちいい。 未来へと繋がっていく三人の今後をさらに読んでみたいと思わせる作品だ。

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2010/05/06

イメージイラストからくる華やかさとは裏腹に文体はどうにも野暮ったい感じ。あまり好みじゃないなあ。あと、主人公のイメージがよくつかめなかった。 作品内で映画を撮影しているように、主人公の目を通して二人のヒロイン、花と華を愛でるのがいいのかもしらん。ちょい詰め込み過ぎな気はするけど、...

イメージイラストからくる華やかさとは裏腹に文体はどうにも野暮ったい感じ。あまり好みじゃないなあ。あと、主人公のイメージがよくつかめなかった。 作品内で映画を撮影しているように、主人公の目を通して二人のヒロイン、花と華を愛でるのがいいのかもしらん。ちょい詰め込み過ぎな気はするけど、綺麗に終わらせているのが余計に勿体無い気が。

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