小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール の商品レビュー
農業関連が3冊続いた。本書は「日本農業の真実」でも取り上げられた農業経営者の著書。 モスフードサービスとの取引が始まるきっかけが印象的だった。 「…モスフードサービスさんとの出会いは、日本農業新聞を取っている人であれば誰でもチャンスがありました。…そのとき、日本農業新聞に『モスフ...
農業関連が3冊続いた。本書は「日本農業の真実」でも取り上げられた農業経営者の著書。 モスフードサービスとの取引が始まるきっかけが印象的だった。 「…モスフードサービスさんとの出会いは、日本農業新聞を取っている人であれば誰でもチャンスがありました。…そのとき、日本農業新聞に『モスフードサービスとその他ファーストフード大手二社が有機農産物を生産している農家を探している』という記事が出ていたのです。…すぐに電話番号を調べて、緊張する中、電話をしてアポイントを取ったのです。」 一般に、やろうと思っても、なかなか実行に移せないものだが、成功する人とそうでない人の分かれ目はこういうところにあるのだろう。
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零細こんにゃく農家から年商20億円の大法人を築いた著者。最初は家業が農家である強みで成功した勝ち組の著作だと思った。しかし、破綻寸前から工夫と努力で農業経営を発展させていく内容は、新規参入者にも参考になることが多い。また、著者は法人化して経営が安定していくのと並行して、新規参入者...
零細こんにゃく農家から年商20億円の大法人を築いた著者。最初は家業が農家である強みで成功した勝ち組の著作だと思った。しかし、破綻寸前から工夫と努力で農業経営を発展させていく内容は、新規参入者にも参考になることが多い。また、著者は法人化して経営が安定していくのと並行して、新規参入者への支援も行っており、行政や補助金に頼らず農業発展に寄与しているように感じた。方針管理手帳の創出も素晴らしい。
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最初は農業の企業(的)経営に関する本かと思って、それほど期待しないで読み始めたのだが、非常に参考になった。確かに億を超えた営農を行う企業組織の運営に関しての部分は自分には当てはまらないが、「そもそも農業をするということとは」的な指摘やアドバイスは非常に心に響いた。朝5時から夜10...
最初は農業の企業(的)経営に関する本かと思って、それほど期待しないで読み始めたのだが、非常に参考になった。確かに億を超えた営農を行う企業組織の運営に関しての部分は自分には当てはまらないが、「そもそも農業をするということとは」的な指摘やアドバイスは非常に心に響いた。朝5時から夜10時まで畑に出ている人の話、農業技術なくして経営どころではないという話、顧客の求める声に応えることの大切さ、農業日誌の大切さ、手元に置いてこれからもチェックのために使いたいと思う本。
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一見王道を通っているかのように見えるが、その実、細かなチャレンジの積み重ねでリスク→プロフィットを生み出してきた。そんな男の手記。農業をビジネス化する為のエッセンスを感じました。 日本農業の問題点を、一般的に取沙汰される政策レベルの構造問題ではなく、「農家は再生産出来る価格を明...
一見王道を通っているかのように見えるが、その実、細かなチャレンジの積み重ねでリスク→プロフィットを生み出してきた。そんな男の手記。農業をビジネス化する為のエッセンスを感じました。 日本農業の問題点を、一般的に取沙汰される政策レベルの構造問題ではなく、「農家は再生産出来る価格を明示せず、相場を狙って高く売るか」、「業者はいかに安く買い叩くか」という商売としての思考回路にあるとしているのは新鮮でした。 「これからの農業=A.顧客のニーズを満たす+B.世の中の課題や問題を積極的に解決する」という一文は、端的に作者の意向を表している気がします。(個人的には、A≒Bも同時に成り立つと思いますが。) その為には、農産物の持つ価値を再確認する必要があります。①そのものが持つ機能価値、②届け方が生み出す価値、③栽培方法による価値、④生産者の価値、⑤加工出来るという未来的価値の5つ。言われてみれば当たり前だけど、しっかりと頭に叩き込む必要がありますね。 ①の例でレタス。通常、生産者は、重く歩留まりの良いレタスを作ろうとしますが、大手ハンバーガーチェーンの要望は全く異なります。「一枚当たりの重さが20-30gで、かつ、青ければ青いほど良い。」です。「レタスの価値」に顧客と生産者の間で大きな乖離が存在するのは自明でしょう。これこそ、「再確認」が必要なケースです。(個人的には、生産者が作りたいものを作る、というスタンスも大好きですが。) ⑤の例では、「顧客の注文よりも多めに作付し、規格外品や余剰野菜を加工して、全く違うシーンで使用できるようにする。」という話もありました。 一方で、トマト等は、普通の品質のものに、「もぎたて」というwithout costなプレミアムを付けて一気にグレードアップさせるという、生鮮食品を流通の観点からの「the 農家的な」アプローチも忘れていないことにも好感が持てます。 ここで、気になった言葉を羅列すると。 「農地は生産設備でありながら、減価償却出来ない。」 「農業では、播種~出荷までの間、手元の資金が出ていくばかりで、入ってくるお金はない。新品種等に手を出すときも同様、相応の自己資金を持たなければ、運営はできない。」 「適地適作で周年出荷しつつ、作物の営業に特化した部署を作れ。」 どれも、現代農業の問題点を的確についていると感じました。 最後は、熱い言葉で締めくくります。 「肩書きや企業の後ろ盾や学歴に囚われず、自分の技術を一旦忘れ、馬鹿になり、一人の人間として農業を究めようとしたとき、農家は本当のことを教えてくれる。」 三洋電機創業者:井植の言葉「日本の製造業が栄えたのは、農業で培った優秀な労働力とその考え方(百姓=一人で百の仕事をする)があったからだ。」 わざわざサインまで貰った甲斐がありました!
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農業で利益を出し続ける上で必要となる視点や基本姿勢を、著者自身の経験に照らしながら解説した本。 生活を賭けて、厳しい市場で道を切り開いてきた人間の持つ迫力が、遺憾なく伝わってくる。 著者が農業経営者として目指しているゴールは、何ら新規性がなく、著者自身が序文で述べているとおり...
農業で利益を出し続ける上で必要となる視点や基本姿勢を、著者自身の経験に照らしながら解説した本。 生活を賭けて、厳しい市場で道を切り開いてきた人間の持つ迫力が、遺憾なく伝わってくる。 著者が農業経営者として目指しているゴールは、何ら新規性がなく、著者自身が序文で述べているとおり、「当たり前」なものである。曰く、成功する経営とは、「自分のお客様を作り、長期的視点で本業とその技術を究め、価値ある商品を開発し、堅実な投資をしていく」、「それらを行う人財教育を継続的に行い、個人を活かして幸せにする組織化を行う」ことである。 然るに、本書を少し読むだけで分かるのは、現在日本において、この「当たり前」の事を農業で実践することが、如何に困難であるか、である。まず、農協が流通を支配しており、多くの農家は、自分の商品がどこで消費されているかすら知らない。「自分のお客様を作る」以前の問題である。また、生産人口が著しく高齢化しており、「長期的視点」どころか、そもそも成り手がいない。生産調整や横並びへの同調圧力により、「技術を究める」のも憚られる。その結果、「価値ある商品」が何であるか分からず、「堅実な投資」も何も商品開発に向けた投資をしない。そのような状態であるから、「人財教育」も「組織化」なく、これがさらに生産人口の高齢化と農協支配を強め、負のスパイラルを完成させる。 著者は本書で、この「当たり前のこと」を実施することが著しく困難な産業構造下で「当たり前のこと」を実施していくための視点やノウハウを、平易でありながらも高密度な文章で、教えてくれる。それらは、「長期的な安定供給を行うために農業を家業として息子や孫たちに受け継いでいく」、「農業において価値ある商品を作るには、気まぐれな自然に合わせて全ての予定を常時組み立て直す必要がある、よって家族はこれを理解し、一家の予定を全て農作物最優先な体制にする必要がある」、「全く同じ作物であっても、新しい土地では、その土地に適した全く別の栽培プロセスが必要になり、これは地元の人間に教えてもらうしか無い。然るに地元の人間は、地元に骨を埋める覚悟のある人間にしか、ノウハウを教えない。よって、実際に地元に骨を埋めるほかない」、といった、時代に逆行するかのような言説のオンパレードである。しかし、農地法の抜本的改正による一般法人の新規参入完全自由化などが起こらない限り、現状において農業で利益を出し続けるには、これらが最良の策なのであろうことが、本書を読む内に体感される。 血尿を出しながら新商品開発にチャレンジし成功した著者の、農業にかける気迫と重みが込められた出色の書。☆5つ。
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ずいぶん前に読んだ本ですが、これを読むと農業とは加工して初めて利益が出るということがよく分かりました。
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農業経営とはなにか? 企業の経営とは違い天候や虫害、生産者の技量によって生産量が異なり豊作による市場価格の暴落などのリスクもある。農業は収支の見通しが通常の企業経営より不明瞭で通常のマネジメントでは効果が充分には見込めない。 そんな農業を経営するにあたっての対策や考え方...
農業経営とはなにか? 企業の経営とは違い天候や虫害、生産者の技量によって生産量が異なり豊作による市場価格の暴落などのリスクもある。農業は収支の見通しが通常の企業経営より不明瞭で通常のマネジメントでは効果が充分には見込めない。 そんな農業を経営するにあたっての対策や考え方が著者の経営の実体験を通して本書には随所に書かれていた。また、規模に合わせた販売方法や規模が変わるにつれて変えなければいけない事、変えるべきではないことが実例を踏まえて述べられており規模の大小関係なく参考になる書籍だ。 ハッと気づかされた文章に“子供に農業を継がせたいと思うことは最大のマーケティング”というものがあった。何故だろうか、最初は疑問だったが、継がせないところは将来的に必ず出荷ができなくなる。そうなると購入する側は新たに産地を開発する費用、産地により天候や物量の問題も発生してくる。そういった面から農業の永続性は購入する側からみて評価の対象になることを気づかされた。 著者である澤浦さんが個人のこんにゃく農家からグリンリーフ、野菜くらぶ等4社の農業関連法人の社長になるまでのストーリーから農業経営のノウハウを凝縮した一冊。 ~目次~ ルール1 初めての人が利益を出すために、成功者に共通するコツを学ぶ ルール2 作物を商品化することで、利益は生まれる ルール3 農家ならではの食品加工をすることで、利益率を高める ルール4 経営規模に合った自分のお客様をつくる ルール5 できる農家は毎日欠かさず日記をつけている ルール6 手元資金があっても、設備投資金は借金をする ルール7 個人と組織を活かす「方針管理手帳」で、利益を出し続ける 【Radixの会】
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農業に興味があり読んでみました。 経営の基本に加え農業独特のポイントが述べられており、これから携わろうと考えている方は一読です。 経営の基本は、職種により変わらないということがわかる本です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
9/11 いなべ市図書館----県立図書館。 9/12 津市津図書館----安濃図書館。・・・Wってしまった。 明日でも、県立図書館の分は返却。
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P.55 私たちの仲間の農家では,親がイキイキと農業をしている家には必ず後継者がいます。お金は大切ですが、それと同じか、それ以上に、やりがいと誇りを持つことが、農業を行う上での成功です。そのためには、人の役に立つことをして、たくさんお人にかかわる農業をすることです。 P.91 ...
P.55 私たちの仲間の農家では,親がイキイキと農業をしている家には必ず後継者がいます。お金は大切ですが、それと同じか、それ以上に、やりがいと誇りを持つことが、農業を行う上での成功です。そのためには、人の役に立つことをして、たくさんお人にかかわる農業をすることです。 P.91 現在は、いろいろな地域にしっかりした支援をする法人が増えてきていますし、農協でもそのような取り組みをしているところがありますので、そういった法人の仲間として独立したり、そのような農協へ加盟して独立することが販売先の確保につながります。そうやって生産に集中していくことが、個人でこれから独立する人にはお薦めです。 P.121 朝収穫した野菜をその日のうちにお店に届けるという方法は、輸入野菜では地理的に不可能ですので、輸入野菜との価格競争にはならず、鮮度という価値を高めたのです。 P.138 このように栽培した農産物をお客様に喜ばれるように加工していくのです。そして、お客様が喜ぶほど、商品の付加価値は高まります。自分で生産している農産物をよりお客様に喜んでいただけるように、どのような加工をすればいいのか、人まねではなく独自に考えていくことで、どこにもないオンリーワン商品が生まれ、大きな付加価値を生んでいくのです。 P.149 農協や市場はお客様ではありません。本当の意味でのお客様とは、生産した農産物を再生可能な価格で購入し、消費・使用してくれる人だと、私は定義しています。 これから農業を続けていくときに、これら外国の農業の例から私たちが学ぶべきことは、規模の大小という考え方の枠組みを超えて、自分たちに合ったお客様づくり、創客に取り組むことです。くどいうようですが、経営規模の大小ではありません。その規模に合わせたお客様をつくっていくことが、永続的な農業経営をしていくためには重要です。
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