臨床真理(上) の商品レビュー
柚月裕子さんのデビュー作にして、「このミス」大賞作品。引き込まれて一気読み。下巻でどう展開していくか楽しみです。
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共感覚の人を知っている。実際に、共感覚の人はいる。他人には確かめようがないけれでも、共感覚という不思議な症状と、その理由を理解できたわけではないが、その人にとっては間違いなくあるのだと思う。共絶対音科の人にシエ全おあらゆるものが踏め状の音符になって聞こえるのと同じように、音が色と...
共感覚の人を知っている。実際に、共感覚の人はいる。他人には確かめようがないけれでも、共感覚という不思議な症状と、その理由を理解できたわけではないが、その人にとっては間違いなくあるのだと思う。共絶対音科の人にシエ全おあらゆるものが踏め状の音符になって聞こえるのと同じように、音が色となっても不思議はない気がする。感覚の持ち主であるつ藤木司と、彼を担当する臨床心理士の美帆。そして、美穂の友人である警察官の栗原が副施設で起こった事件の真相に迫る。共感覚と失語症が事件の鍵を握る。突拍子もないものとものが結びついているから、不自然と思える飛躍が散見するが、それがおもしろくもある。
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上下に分かれているけれど、どちらも短めだから1冊にまとめちゃってもよかったのでは?と少し思った。 美帆は意外と突っ走るタイプで、序盤のイメージからだと少し意外だった。臨床心理士になったばかりの新米だけれど、だからこそやれることもあるのかもしれない。 司が持つ共感覚が、今後も重...
上下に分かれているけれど、どちらも短めだから1冊にまとめちゃってもよかったのでは?と少し思った。 美帆は意外と突っ走るタイプで、序盤のイメージからだと少し意外だった。臨床心理士になったばかりの新米だけれど、だからこそやれることもあるのかもしれない。 司が持つ共感覚が、今後も重要なキーポイントになってきそう。 怪しいことがいくつか見えてきているから、下巻でいろいろ判明するのかな。楽しみ。読みます。
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設定が面白そうだっただけに内容、結末、謎解きも残念。他の小説も読んたが、人物描写が浅いのでどれも感情移入もできず。
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2021.7.16角川文庫版にて読了。 説明 内容紹介 「新人作家とは思えぬ筆力」「醜悪なテーマを正統派のサスペンスに仕立て上げた腕前は見事」と、茶木則雄、吉野仁両氏がそろって大絶賛! 応募総数が過去最高を記録し、大激戦となった第7回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作がついに文庫化です。 新進気鋭の臨床心理士・佐久間美帆と、神から与えられたとも言われる「共感覚」を持つ青年・藤木司が、声の色で感情を読み取る力を使い、知的障害者施設で起こった少女の自殺の真相を追う! 著者について 柚月 裕子 (ゆづき ゆうこ) プロフィール 1968年、岩手県生まれ。山形県在住。フリーライター。雑誌やテレビ局のホームページで作家の対談・インタビューのまとめを担当している。第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞、『臨床真理』にて2009年1月デビュー。
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柚木裕子作品をいろいろ読んでみようキャンペーン。「このミス」出身だったって知らなかった! 「これってこれであってる?」という言葉が気になって仕方がない。 2019/6/23読了 2019年の38冊目
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これがデビュー作品というのは、なんだかすごいじゃんってほどよく練られている。 でも中途半端な部分が多く、曖昧さが残った。 少し単純で、読んでいて「あっ、この人…」と重要人物が簡単に気づいてしまった。
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第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作 (上巻) 真実を話していると白、嘘をついていると赤・・・共感覚によって声に色彩を感じる彼は、簡単に嘘を見破ることができる。 そんな彼が、少女は自殺など絶対にしないと力説する。少女は失語症と軽度の精神遅滞を患っていた。「死にたい」の最後...
第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作 (上巻) 真実を話していると白、嘘をついていると赤・・・共感覚によって声に色彩を感じる彼は、簡単に嘘を見破ることができる。 そんな彼が、少女は自殺など絶対にしないと力説する。少女は失語症と軽度の精神遅滞を患っていた。「死にたい」の最後の一声は橙色をしていた。だから、自殺じゃない‼
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柚月裕子のデビュー作。 まもなく著作全読破を達成しそうな勢いなのだが、この デビュー作とあと1作品のみ電子書籍化されていない。 出版社はやっぱり宝島(^^;)。イメージ的にはいちばん 電子に理解あありそうな出版社なのに、何故こうも頑な に電子書籍化しないのか、ちょっと不思議。 まぁそういうのはともかくとして、こちらは第7回「こ のミステリーが凄い」受賞作品にして、柚月裕子の最初 の作品、言わば原点。誰よりも男前な女流作家のルーツ はどんなものか?と言う興味から読み始めたのだが・・・。 まず、「臨床心理士」というある種謎の職業に着目した ところに感心。そういう職業が存在することはなんとな く知っていたのだが、それが具体的にどういう業務を行 うのかが解っただけで大きな収穫。そしてデビュー作か ら他の作家がなかなか踏み込もうとしない領域に手を付 けるあたりは彼女の真骨頂。さすが、である。 ただ、後の「孤狼の血」や「盤上の向日葵」の読後に感 じた「妙な清涼感」は今のところ特に感じない。描かれ ている世界は一貫して超不条理、ということを考えると、 以降で格段に筆力が向上したのではないか、と思われる。 そういう意味で、アーリー柚月裕子を体験しておくのは、 今後出る新作の為にも良かったんじゃないか、と。 取り敢えず上巻を読み終わったのだが、この段階は本当 に前段。雰囲気から考えると、もう嫌な予感(^^;)しか しないのだが、もう覚悟して下巻に臨むしかない。そも そも、この束で上下巻にする必要無いと思うんだけどな ぁ、マジで(^^;)。
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臨床心理士の佐久間美帆が、弟 達志。 精神的な障害で、命を失った。 そのことの悔恨が、臨床心理となった。 臨床心理士とは、やはり、お節介な職業なんでしょうね。 そして、現在 司という青年に立ち向かっている。 話す言葉に 色がついていることで、その人が嘘をついているのか わかるとい...
臨床心理士の佐久間美帆が、弟 達志。 精神的な障害で、命を失った。 そのことの悔恨が、臨床心理となった。 臨床心理士とは、やはり、お節介な職業なんでしょうね。 そして、現在 司という青年に立ち向かっている。 話す言葉に 色がついていることで、その人が嘘をついているのか わかるという。共感覚という。 司は、この「共感覚」をもっていることを理解されないでいる。 そのことが孤独であり、自分を守るために、精神障害を装うことを身につけていた。 司には、失語症の彩という女友達がいた。 彩は、リストカットの常習犯で、自殺して、救急車で運ばれるところで、 死んでしまう。司は 施設長の安藤が殺したと言って襲いかかる。 前半部分で、安藤が怪しいなぁと思ったが、 物語は そんなに単純ではなかった。 メモ 「救急技術や医療に携わるものの精神論など、なんの役にも立たないのではないかと思った。人間の小手先の努力など寿命と呼ばれている目に見えない大きな力の前では無力であり、人間が命をどうにかしようと思うことさえおこがましいと思う」 臨床心理士は、如何に、対象者に信頼されるかがポイントとなる。 相手の心の闇と傷をさらけ出すことでしか、理解されないと思っている。 その信頼関係が、実に重要となる。 「他人の問題に首を突っ込むような勉強の何が楽しいんだろうって思ったんだ。司って奴が治っても治らなくても、自分には何のメリットもないんだろう?だったら、そこまで深入りすることないじゃないか?」
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