星が吸う水 の商品レビュー
【星が吸う水】 『相手の頭の中には恋人同士の幸福な流れというものが儀式のように横たわっていて、ペニスの前にまずそれをこすらなくてはならないのだ。その見えない性感帯は性器と違って、服を着てベッドの外へ出てからも、日常的にこすり続ける必要があった。』 「面白いけど、足元が暗くて危な...
【星が吸う水】 『相手の頭の中には恋人同士の幸福な流れというものが儀式のように横たわっていて、ペニスの前にまずそれをこすらなくてはならないのだ。その見えない性感帯は性器と違って、服を着てベッドの外へ出てからも、日常的にこすり続ける必要があった。』 「面白いけど、足元が暗くて危ないね」 「でも、ここは宇宙なんだから、暗いほうが普通じゃない?」 『「え、あたしが持ち帰ったんだよ?」 そう返すと、友人は笑っていた。性器が穴状だと、いくら能動的に行動していても、受身だと思われてしまうのかもしれない。それが鶴子には不満だった。』 「志保って、空が好きだね」 「昼間の空は、それほどでもないよ。その向こうの、宇宙が、よく見えないから」 「プラネタリウム好き?」 「嫌いかな。かえって、遠く感じるから」 『身体を弄ぶという部分を聞いて、鶴子は下を向いた。理屈では意味がわかるが、それを感覚的にうまく理解することが出来ないのだった。同意の上でしたことなのに、何故、当然片方が被害者になるのか、鶴子にはよくわからないのだった。』 【ガマズミ航海】 『これも「おしゃぶり」の一種だな、と結真は思う。こうして会って、商品としての価値が自分にまだちゃんとあることを再確認させてくれる言葉を求め合う。お互いに、相手の欲しがる言葉を与え合っては、耳の粘膜でしゃぶっている。』
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性がテーマでここまで如実に語られてしまうと正直言ってひいてしまった。 コンビニ人間といい、かなり変わった視点でものを書く人なのだろう。何となく思うことはあっも話題にするのはタブーであったり気恥ずかしいテーマにここまで斬り込んできたのは評価できるけど 私自身どうも馴染めなかった。 ...
性がテーマでここまで如実に語られてしまうと正直言ってひいてしまった。 コンビニ人間といい、かなり変わった視点でものを書く人なのだろう。何となく思うことはあっも話題にするのはタブーであったり気恥ずかしいテーマにここまで斬り込んできたのは評価できるけど 私自身どうも馴染めなかった。 ガマズミ航海の方がさらにパワーアップ。名前の響きといい、インパクト大で短いお話なのにかなり驚きの連続。
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セックスをめぐる切実な物語。 星が吸う水は、立ちションベンの最後のシーンに力強さがある。 ガマズミ航海は、ほろ苦い。せっかくうまくいったと思ったのに。
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2017/2/11読了 村田沙耶香さんの著書をじっくりと味わったのはおそらく初めて。 「性」行為を題材とした二本。 著者自身が性について、いわゆる「普通」の男女の営みと考えていたならば、絶対に出てこない発想だ。 おそらく、性行為について、様々な出会い、もとい、恋とか愛とかを排...
2017/2/11読了 村田沙耶香さんの著書をじっくりと味わったのはおそらく初めて。 「性」行為を題材とした二本。 著者自身が性について、いわゆる「普通」の男女の営みと考えていたならば、絶対に出てこない発想だ。 おそらく、性行為について、様々な出会い、もとい、恋とか愛とかを排除した考え方を持っているのであろう。 いうなれば、肉体の機能。精神では一人のもの。 快楽と苦痛の狭間 名称しがたい、もにょもにょとした感覚。 便宜的に人はそれを性欲だというが、きっとそれでもないこと。 本書の主人公の二人は、肉体をすり合わせることを好むが そこに「愛情」・・・いつくしむ感情は 限りなく少ないのだ。 普通の女の子である友人は、「女子力」を大切にする。 社会でいう一般人。女の価値、女の在り方、結婚に望みを持ち、性行為は愛心の行きつく先もしくはツールであることに疑問は抱かない。 もう一人の女性は、主人公とは違うが一般的ではないものの 性について独自のルールを持っているもの。 それは悲哀的であり、救うところはない。 二本の物語はどちらもこの構図で、村田沙耶香が得意としているスタイルなのか はたまたそうでないのかは、別の本を読むまでは分からない。 性とは、行為が三者にもたらすものとは。
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村田沙耶香さんの「星が吸う水」、2010.2発行です。星が吸う水とガマズミ航海が収録されています。星が吸う水よりガマズミ航海の方がインパクトが大きかったです。「コンビニ人間」では、「コンビニ」への類稀な思い入れを描いた村田沙耶香さん、本作品では「性」への「憧れ?!」を描いてらっし...
村田沙耶香さんの「星が吸う水」、2010.2発行です。星が吸う水とガマズミ航海が収録されています。星が吸う水よりガマズミ航海の方がインパクトが大きかったです。「コンビニ人間」では、「コンビニ」への類稀な思い入れを描いた村田沙耶香さん、本作品では「性」への「憧れ?!」を描いてらっしゃいます。そして、ガマズミ航海では「クレージー度」が炸裂している感があります(^-^) 「ガマズミ」とは花の名前で(知らなかったです)花言葉が結合だそうです。
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性についての違和感、気持ち悪さが描かれていて、確かに性って何なんだろうなあ。と考えさせられる。 もう一方も後日読みたい。 今まで読んだ数少ない村田さんの作品は皆性がテーマなので、それ以外も読んでみたいと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『星が吸う水』 主人公・鶴子は、自身の性衝動を「勃起」だと認識している。恋人の存在も、効率良く排出するための行為をする相手に過ぎない。 一方で彼女を理解できない、一般的な恋愛観と性への認識を持つ梓と、無性愛者の志保。仲良しだからこそ、自分の価値観を理解してほしい、セックスという言葉の意味を崩壊して見せようと試みる。 『ガマズミ航海』 生きた肉片をしゃぶりたくなるからセックス(側から見たらセックスだけど本人はセックスと思っていない)をする主人公・結真。手ごろな体温をしゃぶりたい気持ちと、恋愛からくる純粋な欲望が異なることを相手の男には理解されないもどかしさから、性的じゃない肉体関係を見つけようとする。 女=性的弱者と思ってしまうのは凝り固まった性概念のひとつなんやなあ。わたしも梓のように自分のものさしふりかざして「そんなんじゃ幸せになれへんで!」とか要らぬ説教をしてしまいがちかもしれへん。反省。性の話なんて他の人と滅多にしないから、人の数だけいろんな感覚があるんだなあと新しい発見をしたような読後感。 そしていずれも性的な描写が多く出てくるんやけど、エロではなくて新鮮だった!
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『星が吸う水』と『ガマズミ航海』の二本が収録されています。 どちらも少し変わった性のお話なんだけど、エロではない。 鶴子も結真も性に対して切実で有る意味真剣でなんだか憎めない。 ただ共感はできないんだけど。 村田さんの作品ってなんか独特なんだけど、読ませる力はすごいと思う...
『星が吸う水』と『ガマズミ航海』の二本が収録されています。 どちらも少し変わった性のお話なんだけど、エロではない。 鶴子も結真も性に対して切実で有る意味真剣でなんだか憎めない。 ただ共感はできないんだけど。 村田さんの作品ってなんか独特なんだけど、読ませる力はすごいと思う。 どんどん世界観に引き込まれるし。 ただ個人的にはもっと共感できる小説の方が好きかな。
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純文学! 小川洋子、綿矢りさ好きにはおすすめ。性について美しくもエロくも、真面目にも捉えない女の子たち。 自分の何かを柔らかく許されたように思えるのは私だけ?
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はじめ、この人は一体男なのか女なのかと思った。読み続けるともっと深い地球規模のおっきな話し。笑。 性欲の話し。 性に男も女も関係ないよ。 男が羨ましい気分もするし、女が羨ましい気分もする。 鶴子と武人と、鶴子と梓と志保。 あずさ。 それぞれ全然違う考えを持ってるのに仲良しで、...
はじめ、この人は一体男なのか女なのかと思った。読み続けるともっと深い地球規模のおっきな話し。笑。 性欲の話し。 性に男も女も関係ないよ。 男が羨ましい気分もするし、女が羨ましい気分もする。 鶴子と武人と、鶴子と梓と志保。 あずさ。 それぞれ全然違う考えを持ってるのに仲良しで、最後には鶴子が誰にも見せてないことする。 家には水道水しかなかったり、あまりいろいろ気にしなくて、自分の世界あって。鶴子はすごい人だ。
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