沙門空海唐の国にて鬼と宴す(巻ノ3) の商品レビュー
もう『陰陽師』のパラレル・ワールドもしくはこのお話の空海&橘逸勢ペアが後の夢枕版:安倍晴明&源博雅ペアの前世と考えて読むことにしました。そうしたら、どうして同じような話なんだろう…という邪念が消えて、素直に楽しめるようになりました(笑) この巻はそれなりに話が動いたのでクライマ...
もう『陰陽師』のパラレル・ワールドもしくはこのお話の空海&橘逸勢ペアが後の夢枕版:安倍晴明&源博雅ペアの前世と考えて読むことにしました。そうしたら、どうして同じような話なんだろう…という邪念が消えて、素直に楽しめるようになりました(笑) この巻はそれなりに話が動いたのでクライマックスへ向かってのワクワク感がありました。高力士さんから阿倍仲麻呂さんへの「手紙」がもったいぶっていた感はありましたが…。 密教の話は、晴明さんが博雅さんに話す「呪」の本質と同様わかったようなわからないような感じだったけれど、なんとなく普段感じない角度から「人生」を考える「種」がもらえたような気がしたかな。般若心経の「受想行識」とか自分なりに考えてみたり…。 いずれにしても玄宗皇帝がダメ男ってのがすべての騒動の「種」って気がしました。
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ゆるゆると謎はほぐれて・・・ 【内容】 もうひとつの手紙とは? 【感想】 しだいに高まる緊張感。 速度はゆるい。 (2013年07月19日読了)
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おもしろい!! 伝奇小説も良いものですね。 テンポのよさが心地よく、ついつい次のページへ進んでしまう。
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まあ学術書じゃあないのでこの1巻を以て『般若心経』を理解するなど端から不可能事ではあるが、一瞬なれども読んでみたいと思わせる力があったのは確か。(結局は一生読まないと思うがσ^_^;)3巻は宦官である高力士が阿倍仲麻呂に託した手紙で終わる。大唐王朝の秘事が綿綿と綴られる巻物は1章...
まあ学術書じゃあないのでこの1巻を以て『般若心経』を理解するなど端から不可能事ではあるが、一瞬なれども読んでみたいと思わせる力があったのは確か。(結局は一生読まないと思うがσ^_^;)3巻は宦官である高力士が阿倍仲麻呂に託した手紙で終わる。大唐王朝の秘事が綿綿と綴られる巻物は1章(約130頁)を費やしてもまだその終りを見ず、第4巻の次章へと果てしなく流れていく。将にネバーエンディング手紙の章。巻中では憎しみ故、絶望の深さゆえ最後にはお互いの生きた時間を認め合うしかなかった老いさびた宿敵同士が描かれている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
根気がなくて2巻で早くもダレてきた私には、正直言ってこの3巻もだんだんと読むのがじれったくなってきていた。内容が水増しなのではないかと疑いさえしてきていた。 しかし、第26章の呪法宮の章を読んで、感動してしまった。一気に目が覚めたような気持ちになった。 空海と逸勢の「想いが人ならば、それは尽きることがない」という言葉に始まる問答を読んで、びっくりしたのである。 そこには、なぜ仏法があるのか、なぜ人は仏法を必要とするのか、というひとつの答えがあった。 そして私はその答えにとても納得したのである。 どうしてこんなに哀しいのか。この哀しみを、いったいどうして乗り越えればいいのか。 それを作中で空海が語っていたのだ。 「この天地の法である仏法を知ったからとて、人が永遠に生きられるわけではない」 「人は老い、死んでゆく。何ものもこの地上にとどまることはできない。哀しみも、天地の法を知ったからといって、消えるものではない。それを、(仏法で)はっきりと知ることによって、人は哀しみの前に立つことができる」 「哀しみすらも、輩(ともがら)として、それを受け止めることができるのだ」 「安心するがいい。哀しみすらも、永遠には続かない。それを知ることによって、人は、悲しみと共に立つことができるのだ」 なるほどなー、と思ったのである。 そして、胸が震えたのである。 やっぱり夢枕さんの仏教的世界観は、フィジカルでわかりやすい。
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40数年前の楊貴妃の死の秘密が次第に明らかになってくる。 解説によれば、夢枕さんのシリーズもののうち、本書は珍しく(なんと17年もかかって)完結したものの文庫化であり、次巻で完結するんだそうな。 本巻はラス前のちょっと中だるみ状態か。目前の死を自覚した人間の書いたとはとても思...
40数年前の楊貴妃の死の秘密が次第に明らかになってくる。 解説によれば、夢枕さんのシリーズもののうち、本書は珍しく(なんと17年もかかって)完結したものの文庫化であり、次巻で完結するんだそうな。 本巻はラス前のちょっと中だるみ状態か。目前の死を自覚した人間の書いたとはとても思えない悠長な手紙で、イライラしながら読ませてもらいました。 (2010/7/27)
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誰かの人生が幸せだったか、幸せでなかったか。 そんなことを問うても、仕方が無いことなのに、 人はおせっかいにそんなことを思ってしまうんだと思う。 気になってしまう。 人生の中に一瞬でも満たされた時間があれば、 その人の人生は幸せだったと思うのだけれど。。 だから、丹翁と貴妃は幸...
誰かの人生が幸せだったか、幸せでなかったか。 そんなことを問うても、仕方が無いことなのに、 人はおせっかいにそんなことを思ってしまうんだと思う。 気になってしまう。 人生の中に一瞬でも満たされた時間があれば、 その人の人生は幸せだったと思うのだけれど。。 だから、丹翁と貴妃は幸せだと私は思う。
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玄宗皇帝と楊貴妃の物語にどんどん深入りしていく。 何んともスケールのでかい、小説だ。 基本は陰陽師と同じかもしれないが、舞台を変えると これだけスケールの大きな話に発展していく。 ストーリーはと言うと、全く先行き予想がつかない。
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