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リルケ詩集 の商品レビュー

4.3

8件のお客様レビュー

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2022/08/24

難しかった でも初めて手にした時から言葉が優しくて綺麗だと思っているきっと訳者さんの力もあると思う 何回でも読み返したい 北斎のことをうたう詩があって面白いと思った オルフォイスがイザナギイザナミの話に似てることを初めて知った

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2021/06/06

フォロワーさんの影響で手に取りました。リルケの初期から後期の作品、『オルフォイスに寄せるソネット』全篇収録。美しく紡がれた言葉の数々の根底には苦みばしった哀調が潜んでいて、それがリルケの作品に奥行きを齎しているように感じました。感傷、哀惜、そして生への限りない賛歌。『嘆き』『恋歌...

フォロワーさんの影響で手に取りました。リルケの初期から後期の作品、『オルフォイスに寄せるソネット』全篇収録。美しく紡がれた言葉の数々の根底には苦みばしった哀調が潜んでいて、それがリルケの作品に奥行きを齎しているように感じました。感傷、哀惜、そして生への限りない賛歌。『嘆き』『恋歌』『薔薇の内部』『オルフォイスに寄せるソネット』『おお生よ、生よ……』『ヘルダーリーンに寄す』『手』『かつて人間がけさほど……』『落ちる水、いそぐ水……』『墓碑銘』『わたしは見る……』『おまえはわたしたちの……』がお気に入り。新潮文庫版の詩集も読みたいです。

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2020/12/19
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※このレビューにはネタバレを含みます

私たちはよく悩む、炎が灰になると。 だが、芸術にあっては、塵が炎になるのだ。 p.247魔術より すみやかな別れより わたしたちみずからがすみやかな存在となろう。 p.265すべてはすぎ去るものならば……より(『果樹園』) 寂しさを肯定するのは、それだけ存在に対する強い確信が持てた結果である。 訳者あとがきより 映画『燃ゆる女の肖像』でオルフォイスに関する話が出てきて、積読状態でしたがぱらぱらと読みました。ギリシャ神話の冥界から出る前に妻をふり返ってしまうというお話。劇中でマリアンヌが、ふり返ったのは夫ではなく、詩人としての行動だったと諭す。ふり返るという行為を『思い出』を慈しむことに擬えていました。 リルケの詩のそこかしこに見られる『存在』という言葉。在と不在。そこに在る、ということ。本や詩を読まなければ、見ないこと、考えないことでもあり、詩人はそれを静かに観察し言葉にしているのかな、と。 たとえば、愛はそこに在るのか、という言葉にも、愛は目に見えないにも関わらず存在を問うている。ふたつの孤独が挨拶を交わし合うところに確かに在るのかもしれません。 映画の話に戻ると、ふり返ることによって『思い出』を選んだと。妻が『振り返って』と言ったのかも、とひんやりするような台詞。では妻をふり返らないという行為は何を選んだことになるのか。それが『愛』かもしれない。 訳者のあとがきの不定詞に関する考察も読み手への手助けになるかもしれません。特にオルフォイスと後期の詩は忘れた頃にまた読みたいと思いました。

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2019/05/27

ひたすらにことばにならない何かを追い求めてゐたのだらうか。それとも決して知ることのできない「物」をどうにかして捉へやうとしてゐたのだらうか。 ドゥイノの悲歌・オルフェウスに捧げるソネットを除いたリルケの詩を時系列に追つていくと、物といふ不可解な手の届かない世界の発見と、物が無限に...

ひたすらにことばにならない何かを追い求めてゐたのだらうか。それとも決して知ることのできない「物」をどうにかして捉へやうとしてゐたのだらうか。 ドゥイノの悲歌・オルフェウスに捧げるソネットを除いたリルケの詩を時系列に追つていくと、物といふ不可解な手の届かない世界の発見と、物が無限に拡がる世界に驚く姿が見える。 ことばが尽きるその先へ。世界は詩人にことばを与へてはくれぬ。巡礼の旅は終わることなく続く。餓ゑやうと嵐に襲はれやうと。彼はひたすらに祈り続ける。世界に対する限りない肯定。 ヴァレリーにはどこか固いしつかりとしたことばの輪郭に守られた印象がある。ことばの石を削り出すやうな。ヴァレリーにとつて世界とはさういふ凝縮された固いものだつたのだらう。 しかし、リルケの場合は柔らかな葉をそつと手で包むやうなさういふ柔らかさを感じる。掴みどころのない拡がりをそつと掬ふやうな。水のやうな流れの中からことばの一滴を汲みだしてゐるやうに感じられてしまふ。 リルケの底に流れてゐるのは、ことばの無い世界に対するこの上ない信頼なのだらうか。瞬間も永遠も等しく同じであるやうな垂直に立ちあがつてしまつたからには。

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2014/01/26

悲喜交交の日々は、今や麗しく透んで遠く。 一つ一つの言葉が、繊細に、それでいてふくらかに香り立つ。 たった数行で酔わせてくれる、美酒のような詩集。 というか、酒が美味くなる。

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2013/05/26

新潮文庫版も読んでみようかしら。最近リルケが好きでたまらない。 リルケの詩はいい。言葉なきところ、物との融合、幼年時代、追憶、持続に憧れつつも、詩で語らざるをいけない矛盾を真っ向から引き受けている。語れるものについて上手く語ることが問題なのではなく、語れないことについてなお語る...

新潮文庫版も読んでみようかしら。最近リルケが好きでたまらない。 リルケの詩はいい。言葉なきところ、物との融合、幼年時代、追憶、持続に憧れつつも、詩で語らざるをいけない矛盾を真っ向から引き受けている。語れるものについて上手く語ることが問題なのではなく、語れないことについてなお語るしかないことが首を引き締めるように切実な問題なのだ。 真っ向から引き受けて苦しみ抜いた末に生まれた、射抜くような的確さで削り取られた彫刻のような詩、軽やかに漂う事物。一筋の光の明るさ。素晴らしい。

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2013/05/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

おお、これは現実には存在せぬ獣。 人々はこれを知らず、それでもやはり愛してきた。 ―そのさまよう様を、その姿勢を、その頸を、そのしずかな瞳の輝きを―。 本当にはいなかった。だが人々がそれを愛したということから 純粋無垢の一匹の獣が生じた。人々はいつも余地をあけておいた。 その澄明な、とっておきの空間の中で その獣は軽やかに首をもたげ、ほとんど 存在する必要すら持たなかった。人々は穀物ではなく いつもただ存在の可能性だけでそれを養った。 それがその獣には大きな力となって、 獣の額から角が生まれてきた。一本の角だった。 一人の処女のもとへ、それは白じろと近寄ってきた― そのときそれは銀の鏡の中に、また処女の中に真実な存在を得ていたのだった。 pp.158-9 『オルフォイスに寄せるテネット』第2部 4

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2012/07/24

リルケ詩集のイメージは白。 幼年時代の純白…。大人になってからの空白…。 高安国世さんの訳がとっても読みやすかった。 新潮文庫の 「リルケ詩集」(富士川英郎さん翻訳)も持っているけれど、本書の方が断然よかったです。

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