うさぎ幻化行 の商品レビュー
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二人のうさぎ。途中どっちかわからなくて、難しかった。リツ子が圭一のために最後行ったことや、彩子が圭一を巻き込んだことが淡々と語られていて怖い。何ともいえない情緒不安定さが全体にあった気がして、スッキリとはしない。
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ふたりのうさぎ。 同じ人物から『うさぎ』と呼ばれている2人の女性。 突然亡くなってしまった音響技師の思惑とうさぎの思惑が複雑に絡んでいて、なかなか面白い話でした。 少しづつ現れる謎と、解き明かされる謎のバランスが良かった。
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これは久々に先の読めないミステリーでした。 しかも、音響技術者が作品の鍵となっているので、自分の仕事と重なって妙に物語の中のふかくまで入ってしまった。
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+++ 突然この世を去ってしまった、義兄・最上圭一。優秀な音響技術者だった彼は、「うさぎ」に不思議な“音のメッセージ”を遺していた。圭一から「うさぎ」と呼ばれ、可愛がられたリツ子は、早速メッセージを聞いてみることに。環境庁が選定した、日本の音風景百選を録音したものと思われるが、ど...
+++ 突然この世を去ってしまった、義兄・最上圭一。優秀な音響技術者だった彼は、「うさぎ」に不思議な“音のメッセージ”を遺していた。圭一から「うさぎ」と呼ばれ、可愛がられたリツ子は、早速メッセージを聞いてみることに。環境庁が選定した、日本の音風景百選を録音したものと思われるが、どこかひっかかる。謎を抱えながら、録音されたと思しき音源を訪ね歩くうちに、「うさぎ」は音風景の奇妙な矛盾に気づく―。音風景を巡る謎を、旅情豊かに描く連作長編著者からの最後の贈りもの。 +++ 著者最後の作品である。寂しい限り。飛行機事故で突然この世を去った義兄・圭一と、うさぎと呼ばれた義妹・リツ子。うさぎ宛に残されたファイルにはいくつかの音源が入っていた。リツ子は、その音源を探す旅の途中、自分ではないうさぎの存在に気づく。北斗星やトワイライトエクスプレスといった鉄道の旅の旅情と音風景に仕込まれた謎を愉しめる物語である。ちょっぴりガリレオシリーズを思い出した一冊でもある。
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私の中の北森鴻ブームが過ぎ去った後で読んだ本。熱が冷めてしまったのか、それとも出版することに重きを置いていた本だったのか。作者の遺作とされる作品がたくさんありますね。 だからなんなの?って読後でした。残念。北森鴻も無念だろうな。
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録音された音風景を録音した各地で、 その音源を元に、そのときに起こったことの 謎が解かれたり、深まったりしていく 大切な人を飛行機事故で喪った哀しみが ずっとこの小説を、暗く静かに覆っている感じがする 小説の中の音が聞こえないわたしには 元々の、結局のところの謎はわからず 暗く悲...
録音された音風景を録音した各地で、 その音源を元に、そのときに起こったことの 謎が解かれたり、深まったりしていく 大切な人を飛行機事故で喪った哀しみが ずっとこの小説を、暗く静かに覆っている感じがする 小説の中の音が聞こえないわたしには 元々の、結局のところの謎はわからず 暗く悲しい想像で終わってしまいました
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音響技術者の最上圭一は全国各地の音を録音したファイルを残して失踪.義妹の美月リツ子は圭一の残した音源に隠された謎を解き明かそうと旅をする.リツ子は圭一から”うさぎ”と呼ばれていたが、同じニックネームで呼ばれる女の存在を感じている.普通の人には聞こえない領域の音が入った札幌の時計台...
音響技術者の最上圭一は全国各地の音を録音したファイルを残して失踪.義妹の美月リツ子は圭一の残した音源に隠された謎を解き明かそうと旅をする.リツ子は圭一から”うさぎ”と呼ばれていたが、同じニックネームで呼ばれる女の存在を感じている.普通の人には聞こえない領域の音が入った札幌の時計台の鐘の音.最終的にリツ子が圭一の希望を叶えた方法や音のサブリミナルで殺しを完結した手口の告白が出てくる最終章は圧巻だ.この作品が遺作となったのはなんとも残念だ.
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≪内容覚書≫ リツ子は義兄から「うさぎ」と呼ばれ可愛がられていた。 その兄が突然死んでしまう。 残されたのは、優秀な音響術者だった兄からの音のメッセージ。 その音を辿る内、 「うさぎ」はリツ子のことではないと気が付き…。 ≪感想≫ 前半のゆったりとした不安をかきたてるような印象から、 後半の怒涛の展開の差が激しくて、置いて行かれた感じが残った。 …え?あれ、なんで?いつの間に?何がどうなった?? 元々、トリックだのなんだのを楽しむ読み方はしないため、 矛盾があろうが、無理があろうが、そこはどうでもいいのだが、 動機を始めとする登場人物たちの心理状況がつかみにくい。 そのため、相手をうまく理解できない不安感を、 常に感じさせ続けられる。 加えて、流れからして、 ハッピーエンドを迎えられるとは思えない、 女二人の結末を描かずに終わる。 不安の上に不安を重ねて、こちらにすべてを委ねる終わり方。 これが本作の魅力だと考えることもできるのかもしれない。 不安感を楽しむには良い一冊。 しかし、そう考えても、圭一は病的な人物すぎる。 彼と関わったせいで、不幸になった女二人の物語だった。
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読んでいてどこか違和感があって、なんかおかしいって思って読んでいましたが、最後の最後にわかりました。 ですが、あのラストに持って行くにはやや説得力が弱いかと。 もう少し加筆/書き直し/熟考が必要だったんじゃないかなぁって、エラそうですが思いました。 うん、それができなかった理由も分かっているんですけど。 本当に、もう北森さんの新作が読めないかと思うと悲しくて悲しくて…
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オリンピックを見ながら読んでいたせいか、不覚にもラストが良く理解できずに終わってしまった。 音風景を題材にするアイデアは北森氏らしく素晴らしいと思いますが、これまでの作品のように文化的・歴史的なバックボーンの深さが足りない印象です。 それにしても、ついに遺作を読み終えてしまった...
オリンピックを見ながら読んでいたせいか、不覚にもラストが良く理解できずに終わってしまった。 音風景を題材にするアイデアは北森氏らしく素晴らしいと思いますが、これまでの作品のように文化的・歴史的なバックボーンの深さが足りない印象です。 それにしても、ついに遺作を読み終えてしまった... 今後「冬狐堂」や「香菜里屋」、「蓮丈那智」など大好きなシリーズの新作を読むことができないのは残念で仕方がありません。 ここ数年は秋になったら嵐山の大悲閣に行くのが習慣になっています。 京都市内が見下ろせるなんて作品中のフィクションじゃないかと思うような道中ですが、本当に見ることができて妙に落ち着ける場所です。
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