うさぎ幻化行 の商品レビュー
北森 鴻さんの遺作。もう北森さんの作品が増えないと思うととっても寂しい。 いろんな作品を読み返してみたくなりました。
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独特の雰囲気を持った作品だと思った。私はもっとシャープな、焦点のあったものが好きなので、決して好みではないけれど楽しんで読んだ。急逝された作者のご冥福をお祈りします。
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今年1月に他界された北森鴻氏の遺作である。 飛行機事故で亡くなった義理の兄が遺した音のメッセージ。そのメッセージに含まれている音が収録された現場で聴き直してるうちに疑問と矛盾がある事に気づく・・。 義兄にどういう秘密があったのか??音にどういう意味が含まれてたのか??その謎を...
今年1月に他界された北森鴻氏の遺作である。 飛行機事故で亡くなった義理の兄が遺した音のメッセージ。そのメッセージに含まれている音が収録された現場で聴き直してるうちに疑問と矛盾がある事に気づく・・。 義兄にどういう秘密があったのか??音にどういう意味が含まれてたのか??その謎を追って旅に出る・・。 「音風景」をキーワードにしたところが幻想感を抱かせている。 後半の展開が少し無理してる所がある感じもするが、雰囲気を壊すほどのものではないと思う。 読んだ後も余韻の残る作品だった。作者が他界させたのが惜しまれる・・。
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今年初め急逝された北森さんの作品。 気になりつつ読んでいなかった作家さんでした。 面白かったです。 が、ラストがちょっとしゅるしゅるといった感じで…★4つ。 他の作品も読んでみよう。
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突然この世を去ってしまった、義兄・最上圭一。優秀な音響技術者だった彼は、「うさぎ」に不思議な“音のメッセージ”を遺していた。圭一から「うさぎ」と呼ばれ、可愛がられたリツ子は、早速メッセージを聞いてみることに。環境庁が選定した、日本の音風景百選を録音したものと思われるが、どこかひっ...
突然この世を去ってしまった、義兄・最上圭一。優秀な音響技術者だった彼は、「うさぎ」に不思議な“音のメッセージ”を遺していた。圭一から「うさぎ」と呼ばれ、可愛がられたリツ子は、早速メッセージを聞いてみることに。環境庁が選定した、日本の音風景百選を録音したものと思われるが、どこかひっかかる。謎を抱えながら、録音されたと思しき音源を訪ね歩くうちに、「うさぎ」は音風景の奇妙な矛盾に気づく—。音風景を巡る謎を、旅情豊かに描く連作長編著者からの最後の贈りもの。
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北森鴻さんの遺作。 短編が繋がっている。 音響技師だった義兄が航空事故で死亡した。 彼は音のメッセージを残していた。 そのメッセージは解くべく、主人公は奔走する。 最後のほうはごちゃごちゃしているのと、展開がはっきりしないので、消化不良な感じ。
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自分に遺された音の謎を追いながら、行く先々で隠された犯罪を見つけ、でも暴くでもなく謎の答えを探し続ける。 最後はふわんと突き放されたように終わってしまうけど、それもこの作者とのお別れだと思えば納得するしかない。 合掌。
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北森さんの作品がもう読めないなんて‥ しばらく読まずに取っておこうかとも思ったけど、そんなことしても意味ないんで読みました こっ、これが遺作になっちゃうのかぁ‥ なんか色々悲しいなぁ
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はからずも遺作となってしまった本作。今回は「音」にまつわる連作ミステリです。登場する数々の音風景、聴いてみたいです。 個々の短編としても良いけれど、全編を貫く謎の真相には驚愕。まさかそういうこととは予想もしませんでした。この結末には、かなりぞくりとさせられてしまいましたよ。 短編...
はからずも遺作となってしまった本作。今回は「音」にまつわる連作ミステリです。登場する数々の音風景、聴いてみたいです。 個々の短編としても良いけれど、全編を貫く謎の真相には驚愕。まさかそういうこととは予想もしませんでした。この結末には、かなりぞくりとさせられてしまいましたよ。 短編としてのお気に入りは、「祭りの準備」。これもなかなかに怖い話ではありますが。心にやましいところのある人には、実に効くでしょうね。そしてその裏にあんなことが隠されていただなんて。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
旅客機の墜落事故で亡くなった義兄・圭一。優秀な音響技術者の彼は、「うさぎ」に宛てて“音のメッセージ”を遺していた。圭一からウサギと呼ばれていた義妹のりつ子は、そのメッセージに何か謎が隠されていると感じ取り、圭一が収録したと思われる音源を探し求める旅に出るのだが…。「音の風景」という発想は初めて知った。もちろん環境庁が選定した「日本の音風景100選」というものがあるというのも初めてだ。音源を追う「うさぎ」の旅はヨコハマに始まり、『対の琴声』で中部地方の水琴窟、『祭りの準備』で祭りのお囃し、『貴婦人便り』では汽笛の音、『同行二人』では大窪寺・満濃池・御厨人窟の3つの音、『夜行にて』では岩手県水沢駅の風鈴の音色、『風の来た道』では富山県八尾町の風の盆、『雪迷路』では札幌時計台の鐘の音…様々なこれらの音を巡るうさぎの旅を活字で追いながら、自分もいつしかヘッドフォンであの音を聴きながら「うさぎ」になって圭一の足跡を追っているような気がした。今年亡くなった作者の遺作となる最後の贈り物は切なく旅情豊かな描写で感傷的な気持ちになる作品だ。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】「うさぎ」に宛てた音のメッセージを受け取ったのは、圭一にウサギと呼ばれていた義妹・りつ子だったが、やがてもう一人の「うさぎ」がいることを知る。そして一方でもう一人うさぎ・成瀬綾子もうさぎ=りつ子の存在を感じていた。圭一の生前の振る舞いや思惑がどうにも分かりにくく(義妹への思慕がありつつ恋人と付き合うところ)、その分かりにくい態度が招いた悲劇(綾子に犯罪の共犯者に仕立て上げられる)を生んだんではないかと思うと、それまで謎めいた音のメッセージを残す魅力的な存在だったのがなんとなくイメージダウン。作者が読者に仕掛けた罠=りつ子のある行為=にはラストの記述まで気づけずショックだった。というか冒頭で突然の兄の死にショックを受けてりつ子が一時的な記憶障害に陥っていた記述を不覚にも読み落としていたので、気付けないのも当然なのだが。そうして読み返してみると冒頭の記述のほかにも『祭りの準備』のラストでほのめかすような発言があったり、伏線は気付かぬうちに張られていて、巧いというほかはない。彼の希望を叶えた…でもそれだけじゃない…と、もう一人のうさぎに会いに行く場面でピリオドを打つ余韻は、不安感を掻き立てる終わり方。それまで凛とした女性として描かれていたりつ子の、こころの制御装置が壊れてしまった末を想像するとやり切れなさが残る。圭一の死を境にすでに人としての理性は壊れていたのだが。亡くなった愛する人への想いを抱え、寂寥感に包まれながら旅をした結末は哀しいが、静かで美しい情景には心動かされた。
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