「お客様」がやかましい の商品レビュー
私自身も買い物するし、ファミレスで食事するし、病院、スポーツジム、美容院、、、いろんなところで「お客様」として接遇されているんだろうな。読み進めていくと「これって私のこと?」っなるサイコホラー。
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現代に蔓延る「お客様」扱いを、お客様扱いする方とされる方の両方から分析している。さらにその問題点や、クレームや暴行はお客様扱いするからこそ生まれることも指摘。なんとなく閉塞的な世の中を、ちょっと解明する本なのかもしれない。読みやすかった割には得るものが多くて良かった。
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お客様という扱いが、今の日本をダメにしているということを事例をもとにして述べている本。事例を見ていると絶望的な感じになってくる。これらの根本には拝金主義があるのだと思う。拝金主義というところを視点にして、自分はどうしていったら良いか、今一度考えたいと思う。
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内容(「BOOK」データベースより) 現代の日本社会は「お客様=神様」として扱うが、客の不満はゼロになるどころか、不満は増大し、自主性の欠如や拝金主義、暴力につながっていく。「お客様」社会の問題点と脱却法を考える。
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【動機】『新書がベスト』経由。書名が秀逸。 【内容】ひとに認められたいという欲求をビジネスで満たす「お客様社会」を解説している。 【感想】スーパーから職人が解体される物語が悲しい。自身をクソお客様に貶めないために何ができるだろうか。
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店のみならず、病院や学校でまで「お客様」扱いされる傾向が強い中、「お客様」扱いされる消費者や、また仕事として「お客様」の相手をする側にはどのような意識を持ってどのような行動をとるのか、ということを分析した本。 学校で働く者としては、やはり学生・生徒のお客様化、が印象的だった。...
店のみならず、病院や学校でまで「お客様」扱いされる傾向が強い中、「お客様」扱いされる消費者や、また仕事として「お客様」の相手をする側にはどのような意識を持ってどのような行動をとるのか、ということを分析した本。 学校で働く者としては、やはり学生・生徒のお客様化、が印象的だった。「してもらう主義」は、本当に当然のことと考える生徒も多いし、教員側も何でもしてあげて生徒に気を遣いがちだと思う。 「お客様」と呼んだり呼ばれたりするのを止めようという提案も分かるが、ここまで進行してしまっては、「お客様社会」との健全な付き合い方を考えることが賢い消費者になれるのではないかと思う。(13/02/16)
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お客様は神様ですと言って大事にしてあるいはスリスリした結果が今回の本に書かれているようなことが起きている。つい最近、電車に乗っていて駅で止まったまま動かなかったのでどうしたのかと思ったら、アナウンスで何とか駅でお客様対応中ですと言っていた。人身事故ならはっきり言うはずだから、乗客同士のトラブルか、駅員に対するドラブルかと思われる。 「お客様」による暴言、暴力が多いのがコンビニ、電車と著者は指摘している。イライラ、ギスギス、セカセカしている社会の中で暮らしていると、怒りの矛先が店員に向けられることが増えると言える。 学校でも生徒をお客様扱いするところが出ているというのには、驚いた。しかも体育会系のクラブでも部員をお客様扱いするところが出ている。びしびしするのが体育会系かと思ったら、厳しくすると部員が逃げるのでそうしているとある。外見はマッチョでも中身はひ弱な部員が増えている証拠か。オリンピックでメダルが取れる選手が減る心配があるなあ。 「お客様」が暴力的になる理由として著者はいくつか挙げている。客は常連と認められたい、貴重な苦情を言ってやっているという意識。店員の中には、あぜんとするような、あるいはムカムカが臨界点に達しそうな人もいるが、恐ろしい。 おもてなしを売り物にして海外に打って出ている日本の飲食店がいろいろと話題になっている。店員はお客より一歩下がる存在という日本では通用する仕組みだが、海外に持っていくと現地で従業員になる人はどう思うのか。お客様は神様というのは経営者側にとってはよいだろうが、従業員にとっては迷惑な発想だったりして。
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ちくまプリマー新書は結構当たりが多い。 というのも高校~大学一・二年を対象にしているため、 非常に心を砕いて文章を書いていて読みやすいからね。 ジャケも好き。 本書は、 「お客様社会」というキーワードをもとに書かれた消費社会論。 消費社会のいいところといえば、 お金さ...
ちくまプリマー新書は結構当たりが多い。 というのも高校~大学一・二年を対象にしているため、 非常に心を砕いて文章を書いていて読みやすいからね。 ジャケも好き。 本書は、 「お客様社会」というキーワードをもとに書かれた消費社会論。 消費社会のいいところといえば、 お金さえ払えば簡単に承認欲求が満たされる点である。 ストレス発散に買い物をするのもこの承認欲求が満たされるところが大きいような気がする。 また、 消費社会の特徴として、 「自己決定」「自己責任」というのがあげられると思う。 「日本の思想(丸山眞男)」にある「する」論理である。 しかし、 これが過度に進むと、 いろいろな弊害も出てくる。 それが本書に書かれていることだ。 効率化のためのマニュアルが形骸化し、 子供に対して「お煙草はお吸いになられますか」などと聞いてしまったり、 個別に柔軟な対応ができなかったり、 接客が慇懃無礼になったりしている。 他にも、 「お客様」という姿勢が消費者を傲慢にさせ、 なんでも「やってもらってあたりまえ」という受け身の態度を助長している。 またそういった姿勢は、 客の欲望を神聖視し、 欲望を満たすことは「よいこと」「正しいこと」とされ、 不満を感じさせることは「悪いこと」「不正なこと」とされる。 そうしてますます「お客様」は増長していくのである。 こうなってくると、 サービスの向上という面も、 客の期待値の向上という面で相殺、 というよりむしろ悪化してくる。 たとえサービスが良くなっていたとしても、 客の期待値が高すぎるせいで、 相対的に不満を感じてしまい悪循環するしかなくなるのである。 悪い客の代表「クレーマー」というのはこういった背景により、 自分が「助言をしている」「いいことをしている」と思っている。 さらにこれが瀰漫していき、 今では病院や教育機関でさえ「お客様」という言葉を使っている。 けれど、 そもそも病院や教育機関は、 自由経済の論理には適さない種類のものである(社会共通資本という)。 それは治療や学問が、 コストに見合った便益をすぐに得られるかどうかが分からないからだ。 まったく役に立たないかもしれないし、 少しのコストでものすごく役に立つかもしれない。 そういう振れ幅が激しいいわば水物なので、 定量化しようとすればするほど、 本来の便益を損なうことになるのだろう。 なんでもかんでもビジネスにする傾向はいかがなものかと思うね。 「ドラゴン桜」を例に出してるけれど、 ひどい漫画やな、思想的に。 「グラゼニ」は許せる、野球だから。 「ONE OUTS」大好きだし。 ここに書いたことは、 いつもどおり、だいたい内田樹先生の受け売りであります。 まぁでも、 こういった状況は昔のアメリカみたいに、 サービスを切り捨てる方向に進む気がします。 スカイマークの一件はその兆しかなと。 それはあまりいい傾向とは思えませんが。
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客であるというだけで威張り散らす「お客様」、客を客とも思わない店員、何故そんな人達が増えたのか、をテーマにした一冊。どこまでもサービス向上を求め、それを受けて客のサービス期待度が上がり、今まで受けてきた普通のサービスでは満足できなくなる、の繰り返しだと主張。店員も客も、お互いに気...
客であるというだけで威張り散らす「お客様」、客を客とも思わない店員、何故そんな人達が増えたのか、をテーマにした一冊。どこまでもサービス向上を求め、それを受けて客のサービス期待度が上がり、今まで受けてきた普通のサービスでは満足できなくなる、の繰り返しだと主張。店員も客も、お互いに気持ちよく過ごせるのが一番だと思うんだけどな。
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日本を「お客様」社会とし捉え、買い物依存症、「お客様」の暴力、態度の悪い店員、職人の追放、マニュアル化などの課題について指摘している。拝金主義の「お客様」から、大人の消費者へ、そんな意識改革が必要である。
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