現代語訳 論語と算盤 の商品レビュー
言わずとも知れた名著。 今更ながらではあるが、読んでみた。 日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一は、明治維新後に500社もの会社設立に携わり、その多くは現在も大企業として存続している。さらに慈善事業や日米摩擦の解消にも注力した。まさしく偉人である。 本書は、そんな渋沢栄一が記...
言わずとも知れた名著。 今更ながらではあるが、読んでみた。 日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一は、明治維新後に500社もの会社設立に携わり、その多くは現在も大企業として存続している。さらに慈善事業や日米摩擦の解消にも注力した。まさしく偉人である。 本書は、そんな渋沢栄一が記した人生論・仕事論を現代語訳したものである。 彼が最も大切にしたのは、「ソロバンと『論語』というかけ離れた二つのものをかけ合わせる」ことだった。これが本書のタイトルにも由来する。 ソロバンとは経済活動、『論語』とは古来より日本人が受け継いできた道徳の精神を指す。 つまり、渋沢栄一は日本の近代化のために資本主義を加速させることに力を注いだが、その時点で資本主義が本質的に持つ危険性に気付き、故にその暴走のブレーキを組み込むべきと考えていたのだ。 渋沢のこの考えは現実のものとなった。 現在の資本主義は着地点を見失い、経済格差を加速させて、人権問題・環境問題を引き起こしている。それでもなお、膨張を続けている。だれの目にも限界を迎えていることは明らかなのに、止められない。 この現況に代替案を突きつける議論も少しずつ増えてきている。日本では斎藤幸平などの「脱成長コミュニズム論」がこれに該当する。 それでもまだ資本主義の暴走を食い止めるにはパワーが足りない。だからこそ、渋沢栄一の出した解決策にいちど立ち返ってみることが重要だと思った。 他の領域・問題への考え方も非常に先進的かつ合理的で面白かった。 特に「貧しい人々を救うことは、人道と経済と政治という側面から処理しなければならない。 とはいえ、貧しくなってから直接保護していくよりも、むしろ貧しさを防ぐ方策を講じるべきだ。」という考え方は、今の日本の行き過ぎた弱者救済・社会保障を是正するためのコアとなるものだと考える。 偉人だからといって、全ての人に再現性があり合理的だとは思わない。しかし、本書は内容が濃く、合理的で参考になる。 『論語』も読んでみたいと思う。
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渋沢栄一いかに偉大な人物だったかがこの本を通じてよくわかった。 私利私欲に走るのではなく、国のために尽くすという意識を持っている人間は現代においてかなり少ないのではないか? 商業=道徳に反するものという考え方は、お金の貪欲さを出すことは卑しいと感じてしまうような文化に繋がっていると感じた、 親孝行については、子供が自由に育ち自らの意思で親孝行をすることが本来のあるべき姿であり、親の期待に応えることが親孝行ではないという考え方には共感した。 若者批判は明治時代にもあったようで、人間性質は変わらないものだと思った。 人間の性質が変わらないからこそ、論語や渋沢栄一についての書籍が今でも読まれているのだろうと思ったし、人は歴史を学ぶのだと思った。 また、知識だけ詰め込むのではなく、知識をどう活かしていくかというマインドを持てと渋沢栄一は主か張していたが、まさにその通り。 詰め込み型の教育ではなく、何に活かすかを能動的に考えるような教育が大切だと私も感じている。 格差は是正できないという話も共感。成果を出した人が報われ、その成果によって社会が進歩するような社会になってほしい。 日本以外の宗教のある国では、宗教が道徳的な役割果たしているという点は学びになった。 また、運命をモノにできる人生を歩みたい。 渋沢栄一の女性関連のエピソードや、豪農から成り上がることが記載されていた小伝は興味深かった。 女にだらしなさすぎw
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何度も何度も繰り返し 書かれて心に残っていること •生涯学び続けなさいということ •常に正しい道を選びなさい (不正で得たものは何の意味もない) •正しい道がどちらかは学ばないと分からない •自分を磨くこと そして家族を助け、仲間を助け 組織を助け、国を助けなさい そし...
何度も何度も繰り返し 書かれて心に残っていること •生涯学び続けなさいということ •常に正しい道を選びなさい (不正で得たものは何の意味もない) •正しい道がどちらかは学ばないと分からない •自分を磨くこと そして家族を助け、仲間を助け 組織を助け、国を助けなさい そして渋沢栄一さんが 本当に博学な人なんだなと感じた1冊でした まずは自分を磨くそんな時期の私ですが 自分を高めたら周りの人を会社を国を どうしたら豊かにできるか考えられる人に ならないとなと感じました ありがとうございました。
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どうせ古いお話なのかなとちょっと思っていたけれど、そんなこと思ってごめんなさいと言いたいほど、渋沢栄一の生き方や考え方は現代にも通じ、多くの学びを得ることができました。 私心がなく、国のために、当時の常識や価値観に縛られず、自分のやりたいことや思いを実践し、本当に素晴らしい
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日本を創ってきたおじちゃんはこんな事を考えていたんだなあと、しっかり思考が覗ける一冊。 昔ながらではあるが、ビジネスマンとして、人として大事にすべき事を再確認できた。
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最後の渋沢栄一の生い立ちについてのストーリーがいちばん読みたかった!日本資本主義の父、ということだが、論語をベースに実業家としての心の持ち様、道徳感について渋沢栄一の考えが書かれた本。当時の時代背景として、実業家の道徳に課題感を持って語られたのだと思う。心にのこったのは、「理論よ...
最後の渋沢栄一の生い立ちについてのストーリーがいちばん読みたかった!日本資本主義の父、ということだが、論語をベースに実業家としての心の持ち様、道徳感について渋沢栄一の考えが書かれた本。当時の時代背景として、実業家の道徳に課題感を持って語られたのだと思う。心にのこったのは、「理論より実際」、知識もいいけど実業をやれという話。今の私には足りてなかったところ。やるべきことを尽くして運命を待てと。
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富を作ることは卑しいことではない 1 謀略や罪なことを抜きにして適材適所は重要なこと。→家康に学ぶ 争うこと(ぶつかること?)も物事を発展させる上で必要なこと 調子がいい時こそ油断するな。丁寧であれ、謙虚であれ、些細なことに気を配れ。 2 若いうちは目の前のこと、些細なこ...
富を作ることは卑しいことではない 1 謀略や罪なことを抜きにして適材適所は重要なこと。→家康に学ぶ 争うこと(ぶつかること?)も物事を発展させる上で必要なこと 調子がいい時こそ油断するな。丁寧であれ、謙虚であれ、些細なことに気を配れ。 2 若いうちは目の前のこと、些細なことを軽蔑する癖がある。目の前のことを丁寧におこなう。 いきなり上の人に機会を与えてもらうことはできない。自ら機会を与えられる側になるあり方が大事。 身の程を知り、よく己を知り、それに応じて相応しい方針をたてる。志を立てる。「大きな志」抽象?の中に「小さな志」(具体?)を入れるイメージで。 決して円満である必要はない。歳をおいても自分の信じるところを揺り動かして覆そうとするものとは争う。 これだけは譲れないものがないと生き甲斐のないものになる。 知恵、情愛、意志のバランスを保つ。 知識は活用しないと意味がない。勉強を障害続ける。 5 人として生まれたからには「趣味」をもて。(自分で理想や思いを持ってそれを実行すること) ただ食べて、寝て、その日を送るだけの人間はそこに生命という肉の塊があるということだけ。 →逆に体が満足に動かなくても世の中の役に立ちたいという心があるなら、それは生命のある存在 8 武士は道徳を遵守し、商売とは関わらなかった。商人を嫌い、奉公こそが正義だと考えた。これによって道徳と商売が別物になってしまった。 9 親が子供に強制をしない。親の思った通りになることが孝行になると、子供は必然的に親不孝になる。(思った通りに人は行動しないため) 孝行は強制せず、自由を与え、それ自体を孝行とする。 むかしの教育は心を磨くことを説いた。自然と周りや国を思い、自己を磨くように生きた。 今は知識を教えられるだけで道徳が欠如するようになった。 10 ★成功や失敗といった結果は残りカスでしかない。 成功や失敗という価値観から抜け出して超然と自立し、正しい行為の道筋に沿って行動し続ける。 成功や失敗とは違った価値のある生活が送ることができる。 人としてなすべきことしてついてきた結果は気にしなくて良い。
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タイトルをみたら、難しいイメージがあったが、読んだら難しい内容は全くなく、「人として、ビジネスマンとしての基礎」が書いてあると感じた。
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言わずと知れた名著 読むタイミングによって響く文章が違うかもしれないが、自信なくひたすら努力する、論語をベースとしたあるべきビジネスマンとしてのあり方を学べる。 印象に残った文章 人の作った逆境に陥った時、これはほぼ自分がやったことの結果なので、とにかく自分を反省して悪い点...
言わずと知れた名著 読むタイミングによって響く文章が違うかもしれないが、自信なくひたすら努力する、論語をベースとしたあるべきビジネスマンとしてのあり方を学べる。 印象に残った文章 人の作った逆境に陥った時、これはほぼ自分がやったことの結果なので、とにかく自分を反省して悪い点を改めるしかない。 世の中自分次第な面も多く、自分からこうしたいと本気で頑張れば、大体はその思い通りになる。 ところが多くの人は自分で幸運を招こうとせず、かえってじぶんでねじけたひととあなってしまい逆境を招く。 忠恕: 良心的で思いやりある姿勢を一貫する 修身: 自分を磨く 大きな仕事を成すためには細事にらこだわるべきでない 男子たるもの、一度決意したら伸るか反るかの快挙を試みるべきだ といった格言を良しとしつつ、身の丈を忘れないようにバランスを 名声とは常に困難で行き詰まった日々の苦闘の中から生まれてくる。失敗とは特異になっている時期に原因が生まれる。 立志 常識とは、極端に走らず、頑固でもなく、善悪を見分け、プラスマイナスに敏感で、言動行動が中庸にかなうもの 智、情、意のバランス 人の行為の良し悪しは志と振舞いの二つの面から考える必要があるが、心の善悪よりも振る舞いの方がそばから判断しやすくこちらで判断されやすい。 耳の痛い忠告をしたり良心的で思いやりのある人が足を引っ張られ嘆き漏らすことになる。 富や地位は道理を伴った真っ当なものであれば問題ない 高い道徳を持った人間は、自分が立ちたいと思ったら、まず他人を立たせてやり、自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる お金に対して、無駄に使うことは戒めなければならない。ケチになることも注意し、よく集めることを知り、よく使うことをしらないと最後は守銭奴になってしまう。 ただ決まりきった役割で仕事をこなすだけでなく、こうしたい、と理想や思いを加えて実行することが趣味を持ったということ。 人を評価することは難しい。富や地位、名誉のもととなった成功が失敗か、という結果を二の次にし、その人が社会のために尽くそうとした精神と効果によって行われるべきだ。 自分を磨くとは学問と現実の調和 不自由が当たり前だと思っていれば、足りないことなどない。耐え忍ぶことこそ無事に長らえるための基本、怒りは自分にとって敵 親を大切にして目上を敬う人間が、上の者に逆らうことは滅多に無い。上の者に逆らわない人間が組織の秩序を乱すことはあり得ない。 仁: ものごとを健やかに育む 義: みんなのためを考える 礼: 礼儀を身につける 智: ものごとの内実を見通す 信: 信頼される 昔の人間は自分を向上させるために学問をした。今の人間は名前を売るために学問をする 天と社会の間に起こる因果応報の原則を偶然と考えず、全てを天から下される運命と考えて 恭: 礼儀正しくする 敬: うやまう 信:信頼する の気持ちを持って臨んでいく 溌剌たしたチャレンジ精神を養い発揮するためには、本当の意味で自立する必要がある。人に頼ってばかりでは自信がつかず躊躇う。あまり堅苦しく物事にこだわると溌剌たした気持ちがすり減る。とはいえ細心で周到な準備は必要。細心さと大胆さの両面を兼ね備える必要がある。 人を見るときに単に成功した失敗したことを基準にすることは間違っている。成功や失敗は心を込めて努力した人の残りカス 人としてなすべきことを基準に人生の道筋を決めることが大切で、もっと大切な天地の道理をみていない とにかく人は誠実にひたすら努力し、自分の運命を開いていくのが良い。もしそれで失敗したら、自分の智力が及ばなかったと諦めること。
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渋沢栄一、めちゃくちゃ面白い。 そして人柄が素晴らしい。 論語と算盤、もう少し詳しく勉強したいと思った
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