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秘密 の商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

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2021/01/28

犯人が分りそうで、今ひとつ決め手がない。 そんなジレンマの中で話しが進み、最後は・・・ 動機は何? 被害者はなぜ傷跡を消そうとしたのか?の答えは何だったのだろう。 何を言いたかったのか、気になった。

Posted byブクログ

2019/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『高慢と偏見、そして殺人』を読んで久々にP.D.ジェイムズを読みたくなり、『正義』以降のダルグリッシュものを読んで最後にたどり着いた。昔読んだ時は、もっと読むのがしんどかった記憶があるが、読むのを中断するのがしんどかったのが意外だった(英国ではpage-turnerと言われているそうだが)。終盤にはほぼ毎回ド派手なアクションシーンも用意されている。今回も、ストーンサークルでの火あぶり未遂。 本作、前作、『神学校の死』と、特捜班設定を生かしてロンドン以外の荘園、島、海辺の神学校を舞台とし、いずれも時世を反映してか、特別客の宿泊施設的な機能を持たせることによって、旧地主階級+富裕層+使用人という、古き良きイギリスミステリ世界を形成しているため、21世紀の話でありながら、2大戦間期の話と相違ない気がしてきて、登場人物達が(ジェイムズが嫌いそうな)クリスティものドラマみたいな恰好でイメージされて仕方なかった。まあ、出てくる人たちみんな田舎ではツイード、なんで、実際100年前と変わらない恰好しているのかもしれん、ある階層のイギリス人は。 それにしても、イギリスの「階級」への偏執はなんなのだろうか。新自由主義もEUも(おそらく脱EUも)、「階級」への囚われを強化するだけのようだ。 高層住宅(というか団地)がスラムみたいに描かれるのは、ケイトの幼少期描写だけでなく、現代描写でもあったので、イギリスではずっとそうなのだろうか(それともジェイムズの頭の中だけ?)。(もしジェイムズの偏見ではないなら)日本は英米の社会制度を見習ってはいけないということを強く感じた。 また、イギリスでは、手紙(手書きの紙を郵便で送る)がこれほど有力なコミュニケーション手段なのか? それともジェイムズ世界ならではなのか? どの部屋も普通暖炉があるのか? 飲酒運転には日本のように厳しくはなさそうだ。など、彼我の違いがいろいろ気になった。 ADは時間を超越しているので最早どういう年齢設定なのかわからないが、地位からいって50台かと思っていたが、もしかしてもっと若いのだろうか? いくらADがステキなオジサマでも、どうしても、娘くらいの年齢設定のエマとの恋愛は、ちょっと引くものがあった。というか、ADだからこそ、娘みたいに若い女に行くのが想定外だったというか。ケンブリッジの文学講師という同質性も、ケイトの思いを考えるとちょっとやな感じの設定。際立った美貌という、これでもかな設定(性格は、もちろんよい)。 『秘密』については、犯人の下司さがものすごかった。自殺したことにより捜査が不完全に終わり、被害者の名誉(ロビンのほうは全くいけすかない奴ではあるが)が毀損されたことを残念に思う。このモヤモヤ感はジェイムズらしい。

Posted byブクログ

2015/08/27

とうとうダルグリッシュ警視長が結婚。 この作品の中でも人もめあったので、無事結婚できて良かった。 それに、ケイトもピアーズとよりを戻せそうで良かった。 ミステリーとしては、 冒頭で被害者の周りに立ち上るいくつもの憎悪の焔が、他の作品ほど強くない感じで、 切迫感が今一つだった。 ...

とうとうダルグリッシュ警視長が結婚。 この作品の中でも人もめあったので、無事結婚できて良かった。 それに、ケイトもピアーズとよりを戻せそうで良かった。 ミステリーとしては、 冒頭で被害者の周りに立ち上るいくつもの憎悪の焔が、他の作品ほど強くない感じで、 切迫感が今一つだった。 犯人がわかったあとの展開もちょっとうだうだした感じだったし、 被害者が顔の傷を消そうと決心した動機も不明のままだったし、 ちょっと不完全燃焼。 しかし、これがダルグリッシュ・シリーズの最後の作品だと思うと感慨深いものがある。

Posted byブクログ

2012/02/04

90歳のP・Dジェイムズ最後(たぶん)の作品。登場人物の行く末が決まった様子。ミステリーとしては★3つだが、お疲れさまで+1。

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2011/10/27

アダム・ダルグリッシュ物の最終回か? 作者のP・D・ジェイムズはこれを書いたとき88歳。そして今はもう91歳。まったくそうは感じさせないところがすごい。こちとら90になったらもうボケボケだろう。 それまで生きてるとも思えないが.... 今回はロイズ保険組合の最終引受人が破産して...

アダム・ダルグリッシュ物の最終回か? 作者のP・D・ジェイムズはこれを書いたとき88歳。そして今はもう91歳。まったくそうは感じさせないところがすごい。こちとら90になったらもうボケボケだろう。 それまで生きてるとも思えないが.... 今回はロイズ保険組合の最終引受人が破産して手放された荘園が舞台だ。今まで、修道院とか病院、法律事務所などが舞台になってきたなぁ。なんとなく落ち着いて読めるのが良い。 30年以上ダルグリッシュの物語が出るのを楽しみにしてきた。暇ができたらまたはじめから読み直してみたいものだ。

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2011/06/02

初めてのP.D.ジェイムズ。 プロットやら人物描写なんやらよりも、事情聴取に行って「お茶」、捜査会議で「ワイン」のノリなザッツ・イギリスに感嘆したりして。 これが事件を解くカギか?と思われたある言葉(…なんども繰り返される)が、あらら、結局は「秘密」に終わるのか~、とわかったと...

初めてのP.D.ジェイムズ。 プロットやら人物描写なんやらよりも、事情聴取に行って「お茶」、捜査会議で「ワイン」のノリなザッツ・イギリスに感嘆したりして。 これが事件を解くカギか?と思われたある言葉(…なんども繰り返される)が、あらら、結局は「秘密」に終わるのか~、とわかったときに(もうラスト)、はじめてこのP.D.ジェイムズの読み方がわかったというか。 そう思えば、もうひとつ星プラスでも良いのですが、あまりにも校正がズサン。‘てにをは’とかもおかしい部分が何カ所か。これだけでうんと安っぽくなってしまいますって。 久しぶりのハヤカワミステリ。年々進む老眼にとっては、ますます読みづらい紙の色と活字でしたな(泣)

Posted byブクログ

2011/07/17

最後本当にその人犯人かなあと思ったけど、ADが納得してるみたいだからいいかなあ。もう一ひねりあるかと思った。只どうでも良いような書き込みが一杯あるんだけど、それが読むのが楽しくて、ミステリとしてはいまいちかもしれないが、この作者のファンとしては十分です。やっぱり人間、階級よりお金...

最後本当にその人犯人かなあと思ったけど、ADが納得してるみたいだからいいかなあ。もう一ひねりあるかと思った。只どうでも良いような書き込みが一杯あるんだけど、それが読むのが楽しくて、ミステリとしてはいまいちかもしれないが、この作者のファンとしては十分です。やっぱり人間、階級よりお金を持ってないといけないらしい。

Posted byブクログ

2011/09/06

作者は当年とって90歳!驚異的なパワーだ。おなじみダルグリッシュものも、お年のこと抜きにこれで最後かもと思わせる展開だった。イギリスの田舎の荘園(これがうまくイメージできないのが極東島国庶民のつらいところ)を舞台に悠揚迫らぬテンポで物語は進む。最後の「真相」が、わざとなのかすっき...

作者は当年とって90歳!驚異的なパワーだ。おなじみダルグリッシュものも、お年のこと抜きにこれで最後かもと思わせる展開だった。イギリスの田舎の荘園(これがうまくイメージできないのが極東島国庶民のつらいところ)を舞台に悠揚迫らぬテンポで物語は進む。最後の「真相」が、わざとなのかすっきりしない感じで、ちょっとあれれ?と思うが、雰囲気たっぷりの語りにどっぷりつからせてもらったので、文句なしだ。それにしても、繰り返しになるがアジアの庶民には、イギリスの階級社会のありようが身にしみてはわからない。住む地域・学校・使う言葉・容姿にいたるまで階級の刻印が押されているというのはどんな感覚なんだろうか。この作者に限らず、イギリス物を読むといつも思う。平たい顔(byヤマザキマリ)をした民の国に生まれて良かったかも…。でもまあ、その渋さがたまらないダルグリッシュ、こういうタイプの日本人はいないなあ。できればまだまだ書いてほしいものだ。最後にどうしても気になることを一つ。明らかに誤植と思われる不自然な言葉遣いが気がついただけで5、6カ所あった。多いんじゃないだろうか。どうしたポケミス。

Posted byブクログ