夜 の商品レビュー
人間が人間の心を失っていく様が描かれる。 収容所での生活。 希望はない。 暴力、飢え。家族の存在は大きいが、ときに力尽きた家族の存在は致命的な重荷になるのが悲しすぎる。 フランス系ユダヤ人女性p109 死に行くユリエクが奏でるバイオリンp173 は救いだった
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私であれば、こんな地獄の中でまともな判断は出来ないだろうし、生き残るためだったら何でもやってしまいそうだ。(そもそも生き残れるかもわからないが…) なんとなくそう考えていると、ふとシベリア抑留での鹿野武一の振る舞いが頭によぎった。
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宇多田書店で手に取った一冊。戦争であれ紛争であれ理不尽極まりないし、まきこまれたほうはたまったもんではない。いまだに争いはどこかしらで起きている。犠牲になるのは市井の人々だ。突如奪われる日常、命。ホロコーストを正しく語れる人はおそらくどこにもいないだろう。どの立場であれ思い出した...
宇多田書店で手に取った一冊。戦争であれ紛争であれ理不尽極まりないし、まきこまれたほうはたまったもんではない。いまだに争いはどこかしらで起きている。犠牲になるのは市井の人々だ。突如奪われる日常、命。ホロコーストを正しく語れる人はおそらくどこにもいないだろう。どの立場であれ思い出したくないだろう。奪った人も奪われた人も、正当化したり、言葉を濁したり。気が狂いそうになる出来事だということは想像がつく。どんな思いでこれを書き記したのか。幼い頃に過ごした日々があったことが救いなのかもしれない。
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アウシュビッツ体験記のなかでも必読の1冊。 ということで、読んでみた。やはり、重いです。 アウシュビッツでの生活の描写は、他の体験記とも共通するところが多いのだが、この本の特徴は、敬虔だった著者が神の存在を信じなくなったということにある。そして、信仰をなくしたにもかかわらず、...
アウシュビッツ体験記のなかでも必読の1冊。 ということで、読んでみた。やはり、重いです。 アウシュビッツでの生活の描写は、他の体験記とも共通するところが多いのだが、この本の特徴は、敬虔だった著者が神の存在を信じなくなったということにある。そして、信仰をなくしたにもかかわらず、著者はなんとか生き延びるわけだが、そこには父の存在がある。なんとか、父を守ろうと努力を続けるのだが、そうした中で、何度も父がいなければ楽になる、自由になれるという思いが湧き上がってくる、そのあたりなんともいたましい。そして、父親の息子への愛も胸が詰まる感じがする。 もう少し、事実的な発見としては、 ・著者はハンガリーのユダヤ人で戦争も終わりかけている1944年にアフビッツに送られるのだが、その時点で、アウシュビッツやユダヤ人の最終解決について、ほとんど知識がなかったということ ・著者によるとガス殺されるまえの子どもが直接焼却されていたというニュアンスの記述があること ・ソ連軍の前線が近づいてくるにあたって、収容者は前線から離れるために、集団で退去し、より前線から遠い収容所に「死の行進」をさせられるのだが、その過酷さが生々しく記載されている(収容所がソ連から解放されたとしても、そこに収容されていた人がそのまま解放されるわけではないというのが、あらためて理解できた)
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覚悟して開いだが、やはり当然打ちのめされた。 楽観性バイアスへの後悔、信仰への枯渇と絶望、人間感情の放棄や虚無感…戦争は終わっても、生き延びた事実や当時宿った感情に、ずっとさいなまれ、業火に焼かれるおもいだろうと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『スローターハウス5』のアマゾンレビューで星1個をつけた方が「ヴィーゼルの『夜』を読んだことがないのか!」とお怒りのご様子で「ごめんなさい」ってことで読んでみました。 まずはフランソワ・モーリヤックの序文で身を引き締め、訳者あとがきの「幸福で屈託のない人たちには読んでほしくない」で覚悟を決めて本編に入りました。 まぁアウシュヴィッツ物ですよ。何度となく目や耳にしてきた悲惨なお話ですよ。が、ね、昨日みた健さんの『昭和残侠伝』もそうですが、5年前に読んでいたら「ほんとに人間って酷いことするよな」で終わりだったとおもうんですけど、今のわたしにはあまりにリアルなお話でした。 だってあたしったらこの3年間「アウシュヴィッツに加担したんじゃね?」ってことを突きつけられたんですもん。そして人間はいつでもあっち側になりうるってことも。いま起きている戦争はこの『夜』からなんにも学んでないしね。約束とか信頼とか仁義とかってどこいっちゃったのよ。ヴィーゼルさんの真実の言葉に打ちのめされました。 《坊や、よくお聞き、きみが強制収容所にいるんだということを忘れるんじゃないよ。ここでは、銘々が自分自身のために闘わねばならず、そして他人のことを考えてはならないのだ。自分の父親のことさえも、だ。ここでは、父親だって、かまってはいられないのだ。兄弟だって、友人だって。銘々が自分ひとりのだめだけに生き、そして死んでゆく》
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子供が授業で読み、薦めてきたので私も読んだ。アウシュビッツが題材の、有名な本ですね。人間が人間をこんなふうに扱ったという事実に言葉を失う。本当に苦しくなる本です。
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著者は15歳のときに父、母、姉、妹とともに強制収容所に送られ、一家全員が虐殺される中、奇跡的に生き延びる。 その体験を綴った自伝的作品。
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時に疑わしい、目を背けたくなるようなシーンも、それはすべてそう遠くない時に現実に起こったことなのである。ホロコーストは名の通りたくさんの人を殺した。身体的にも精神的にもである。生き延びた人にも、癒えることのない傷をつくった。極限状態になり、その人本来の人間性が失われていくことの悲...
時に疑わしい、目を背けたくなるようなシーンも、それはすべてそう遠くない時に現実に起こったことなのである。ホロコーストは名の通りたくさんの人を殺した。身体的にも精神的にもである。生き延びた人にも、癒えることのない傷をつくった。極限状態になり、その人本来の人間性が失われていくことの悲しさったらない。そのような状況をつくりだしてしまったことへの憤りも感じる。 著者から父への告解のような本だった。しかしそうしたとしても、この罪の意識が彼からなくなることはないのだ。この無力さを著者自身も、そして読者である私自身も感じた。
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1944年にアウシュビッツに入れられ、翌年ブーヘンヴァルトで解放を迎えたノーベル平和賞受賞者のエリ・ヴィーゼルは収容所での生活を以下のように振り返っている。私はもはや、日々の一皿のスープ、一切れのすえたパン以外には関心を向けなくなっていた。パン、スープ、これが私の生活の全てだった...
1944年にアウシュビッツに入れられ、翌年ブーヘンヴァルトで解放を迎えたノーベル平和賞受賞者のエリ・ヴィーゼルは収容所での生活を以下のように振り返っている。私はもはや、日々の一皿のスープ、一切れのすえたパン以外には関心を向けなくなっていた。パン、スープ、これが私の生活の全てだった。私は一個の肉体だった。おそらく、さらにそれ以下のもの、一個の飢えた胃。ただ胃だけが、時が経つのを感じていた。
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