はみだしインディアンのホントにホントの物語 の商品レビュー
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保留地を出た直後は差別的な扱いを受けるものの、起点やバスケや勉強の実力で、イケてる女子と仲良くなったり他の学生とも次第に打ち解けていったりするのは勇気が出る。 貧しさや、多くが酒のせいで死んでしまうこと、保留地の閉塞感など、すぐにはどうにも解決できないインディアンの哀しさがつらい。挿絵ではジュニアは短髪だが、今後三つ編みにしたり、どのくらいインディアンとしてのアイデンティティを守っていくのか気になる。日本の小説で子ども、ヤングアダルトが貧乏を語るものはあまりなかったような気がする。 自分はもう多感な思春期ではないけれど、インディアンというだけでなくいろんな属性を持っていることにジュニアが気づくシーンには勇気づけられる子もいるのではないか。
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等身大でリアルな語りに移入され、作中彼が泣けば私も泣き彼が笑えば私も笑った。大人の目線で読めば哲学的な事がさらりと描かれているけれど、私はスタンドバイミーの様な1つの青春物語を読んだ感覚になった。
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保留地に住むネイティブアメリカンの少年アーノルドが、白人の多い中学に転校し、人種差別と戦いながらも、友人を作り、希望のある未来のために頑張る姿が描かれている。作者の自伝的要素の強い作品。保留地の現実が描かれ、アルコール中毒で亡くなる人が多いとか、大した仕事がない、など思春期の子ど...
保留地に住むネイティブアメリカンの少年アーノルドが、白人の多い中学に転校し、人種差別と戦いながらも、友人を作り、希望のある未来のために頑張る姿が描かれている。作者の自伝的要素の強い作品。保留地の現実が描かれ、アルコール中毒で亡くなる人が多いとか、大した仕事がない、など思春期の子どもたちにはつらいし、将来が見えない抑圧感も強い。 知り合いのいない白人の学校に転校する勇気はすごい。でも、最初こそ差別していたリアダン校の生徒が、だんだんアーノルドの事を理解してくれて、友達になって行くところがとても良い。読み終わると勇気がわく本だった。
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インディアン保留地に生まれ育った主人公が、P先生のアドバイスで白人のハイスクールに通うことを決心する。 差別され無視されるなかで、徐々に自分の居場所を掴んでいく過程は痛快ですらある。これが75%本当の話だというから驚き。
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さくまゆみこさん翻訳のYA。 インディアン保留地に住む主人公のアーノルド。 保留地は、貧困、暴力、死と隣り合わせ、それでもどこかみんなが大きな家族のような親密さを持つ、そんな場所。ある日、大きな決意のもと、保留地の学校から白人ばかりのリアダン校へ自ら望んで転校。 何もかもが違...
さくまゆみこさん翻訳のYA。 インディアン保留地に住む主人公のアーノルド。 保留地は、貧困、暴力、死と隣り合わせ、それでもどこかみんなが大きな家族のような親密さを持つ、そんな場所。ある日、大きな決意のもと、保留地の学校から白人ばかりのリアダン校へ自ら望んで転校。 何もかもが違うリアダン校での日々、保留地では裏切り者の目で見られているアーノルドの心のうち。 環境や人種に関係なく、10代の様々な葛藤などがテンポ良く描かれ、一気に読んでしまった。 どちらかと言うと事実を連ねると辛いことも多い、ほぼノンフィクションもの。 それでもアーノルドのどこまでも前向きな生命力の強さが元気をくれる作品。 生きていくことの大切さを改めて実感します。 辛いことがある子たちに読んでもらいたいなーー
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「今すぐ読みたい! 10代のための YAブックガイド150!」に紹介されていて、読みたいと思った本です。 ざっくりしたストーリーはガイドを読んで分かっていたのですが、「希望をいっぱいもってるのは、どういう人?」との問いに、父親と母親が同時に「白人だ」と答えたシーンには改めて胸をつかれました。 暴力とアルコールと無職がセットになっていて、それが当たり前の絶望的な状況、「きみたちが教わってきたのは、あきらめる方法だけなんだからな」という先生の言葉に、主人公のジュニアのことじゃなくて、多くのあきらめてしまったネイティブ・アメリカンたちに思いが飛んでしまって、読み進むのが辛かったです。 初登校の日のシーン。 「足ががくがくしてるよ」オレは言った。 「わたしも同じだ」父さんが言った。 本当に、どんなに勇気があっても足りないくらい怖かっただろうなと思いました。だって、後戻りできないのだから。 全体として決してつまらなかったわけではありませんが、ヤングアダルト向けということで、ヤングアダルトを卒業してずいぶん経つ私には、ラストなどちょっと物足りなく感じたので、同じ作者の大人向けの本をぜひ読んでみたいと思いました。
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これは古典になる名作だなー。 どこかひとつの場面とかじゃなく、すべてがすばらしかった。 おかしいのに悲しい。 下品なのに品がある。 つらいことだらけだけど、前向き。 翻訳もふくめ、あらゆる意味ですごかった。
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自分の世界をかえるときの一番の敵は、もといた自分の世界。とくに貧困だとよけいにそれが強くなる。 物語のつなぎが大事だというのが面白かった。つなぎで感動させる。 殴られてばかりのオレ→(先生のことば)→白人の学校
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インディアン保留地に暮らすアーノルドの、ある一年間を綴った物語。78%自伝的小説、とのことだけれど、読んでいるうちに全部本当のことなんじゃないか?と思えてきた。 インディアンであることで、たくさんの負の要素を抱えながら、それでも家族や親友との絆を大切にしながら生きてきたアーノルド...
インディアン保留地に暮らすアーノルドの、ある一年間を綴った物語。78%自伝的小説、とのことだけれど、読んでいるうちに全部本当のことなんじゃないか?と思えてきた。 インディアンであることで、たくさんの負の要素を抱えながら、それでも家族や親友との絆を大切にしながら生きてきたアーノルド。ある出来事をきっかけに、保留地を出て白人の地域の学校に転校することを決意する。インディアンからは裏切り者と言われ、学校ではインディアンだからと差別され、過酷な日々ではあるけれど、自分の頭でしっかり考えて前に進んでいくアーノルド。1年の内には大切な存在との別れも経験する。ある意味、アーノルドの成長物語。でも、キレイ事ではないのが良い。様々な苦難に打ちひしがれてぼろぼろになっている様子も、インディアンであるが故の問題も、きっと作りごとではなくて、真実なんだろう。人種の問題がほとんどないと言える日本では、到底想像がつかない出来事がたくさんある。世界を見渡せば、こんな生活をしている人も本当にいて、今の日本がどれだけ恵まれているのか、そんなことも教えてくれる。そして何より、アーノルドのへこたれないところが素晴らしい。この逞しさは、どこから来るのだろう?本当にハートの部分で大切にされ、愛されているからだろうか。 上手く感想がまとめられないけれど、自分の子供たちに読んで欲しいと思った。
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著者が言うように、男の子も9歳になるまでは手をつなぐことができる。 河合隼雄が言うように、子どもは9歳で一度完成する。だけどその後、体の成長と社会性が起こす嵐によるさなぎの時期が訪れる。みんなそこで多かれ少なかれ、9歳までの黄金期の何かを失う。それを取り戻すための物語。 ・言葉...
著者が言うように、男の子も9歳になるまでは手をつなぐことができる。 河合隼雄が言うように、子どもは9歳で一度完成する。だけどその後、体の成長と社会性が起こす嵐によるさなぎの時期が訪れる。みんなそこで多かれ少なかれ、9歳までの黄金期の何かを失う。それを取り戻すための物語。 ・言葉には限界がありすぎる。英語だろうと、スペイン語だろうと、中国語だろうと、何かを話したり、書いたりしても、その意味がわかるのは、人類の一部にしかすぎない。でも絵を描けば、だれもが理解できる。 …世界は壊れたダムのつながりで、そこら中が大洪水になっている。オレはそう思う。オレのマンガは、洪水の海にうかぶ小さな小さな救命ボートなんだ。 ・貧乏は、人をたくましくしたり、忍耐力を養ったりはしない。貧乏は、貧乏であることを教えるだけだ。 だから貧乏で、小さくて、弱いオレは、オスカーを抱き上げた。オレに愛と信頼を寄せているオスカーは、オレの顔をなめた。オレはオスカーを芝生のほうへと運んでいって、緑色のリンゴの木の下にそっとおろした。 「オスカー、大好きだよ」オレは言った。 オスカーはオレを見て、これから起ころうとしていることを理解した。父さんが何をしようとしているかを察した。でも、オスカーは怖じ気づかなかった。ほっとしたみたいだった。 でも、オレは違った。 オレは、その場から大急ぎで逃げ出した。 オレは、音速より速く走りたかったけど、どんなに苦痛を感じてるやつでも、そんなに速くは走れない。だから、父さんがオレの最良の友だちを撃ったとき、ライフルの轟音が聞こえてしまった。 弾丸はたったの2セントだったから、どんな貧乏人でも買えたのだ。 ・「来年はどの学校に行く?」オレはきいた。 「どこって?アホじゃねえの。ここにきまってるだろ」 「一緒にリアダンに来ないか」 「前にもそう聞いたじゃねえか」 「でも、ずいぶん前のことだよ。いろんなことがある前だ。あのころは、まだ何にもわかってなかった。だから、もう一度ききたいんだ。オレと一緒にリアダンに来いよ」 ラウディは息を深くすいこんだ。もしかしたら泣き出すんじゃないかと思ったくらい。でも、ラウディは泣かなかった。 「あのさ、オレ、本を読んでたんだ」ラウディは言った。 「ええーっ、天地がひっくり返るぞ」オレは、わざと驚いたふりをした。 「うるせえ」 オレたちは笑った。 「まあ、とにかくさ、オレは昔のインディアンについて書いた本を読んでいた。そしたら、昔のオレたちは遊動民だったんだと」 「うん」 「でさ、遊動民ってのを辞書で引いてみたら、いつも動き回ってるやつらのことだっていうじゃねえか。昔のインディアンは、食べ物とか水とか放牧地をさがして動き回ってたんだ」 「そうらしいな」 「だけどさ、今はもうインディアンだって遊動民じゃねえんだよ。たいていはな」 「そうだな」 「オレは、遊動民じゃねえし、ここらに住むやつらはたいてい遊動民じゃねえ。だけど、おまえは違う。おまえは、遊動民なんだよ」 「ふーん」 「おい、マジな話だぜ。オレは、ずっと前からおまえが行っちまうのがわかってた。おまえは、オレたちを置いて、世界を旅して回るんだと思ってた。何か月か前にこんな夢を見たんだ。おまえは中国の万里の長城に立ってて、うれしそうだった。そんときは、オレもうれしかったぜ」 ラウディは泣かなかった。泣いたのは、オレだった。 …「おい、泣くのはやめろ」ラウディが言った。 「オレたち、じいさんになっても、こんなふうに話ができるかな?」オレがきいた。 「なの、わかりっこねえだろ」 ラウディはそういうと、ボールを投げてよこした。 「めそめそすんのはやめて、バスケやろうぜ」 オレは涙をぬぐい、二度ドリブルして、ジャンプシュートした。 ラウディとオレは、一対一を何時間でもやっていた。暗くなるまでやっていた。そのうちに街灯がついて、コートを照らした。やがて、コウモリが頭上をかすめて飛ぶようになった。オレたちは、大きな金色の満月が暗い夜空にのぼるまで、飽きずにやっていた。 点数は数えていなかった。 追記 友人に勧めてもらったhttp://www.buzzfeed.com/erinlarosa/books-that-will-actually-change-your-lifeのサイトから。 小一の娘が、読んでいる間ずっと、「このインディアン、何がはみだしてるの?」と聞いてきてうるさかった(笑)。。
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