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世界を、こんなふうに見てごらん の商品レビュー

3.9

29件のお客様レビュー

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2011/07/03

理系の学問の世界も、窮屈なところは窮屈なんだろうなあ。「真理なんてなくて、すべては人間がこう見ているというだけのイリュージョンだ」という著者の考えは、文系的には「そんなの前提じゃん」という気がする。

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2011/06/18

小学生の頃、窓辺にいる名前も知らない小さな虫を見ながら、この虫から見た世界ってどんなんだろう、わたしが今この虫をつぶしたら、とか、なんか虫の視点になったような気になったのを思い出した。 昔は蜂退治に出かけたり、蛙を殺しに行ったり、蝶々を捕まえて虫かごに入れて餌をやらずに死なせたり...

小学生の頃、窓辺にいる名前も知らない小さな虫を見ながら、この虫から見た世界ってどんなんだろう、わたしが今この虫をつぶしたら、とか、なんか虫の視点になったような気になったのを思い出した。 昔は蜂退治に出かけたり、蛙を殺しに行ったり、蝶々を捕まえて虫かごに入れて餌をやらずに死なせたり、道ばたで死んでる猫をまじまじと眺めたり、子どものときだから出来たようなこと。 著者のようにまで真剣に観察したりはしなかったけど、似たような感覚。なぜなにふしぎって考える姿勢。いつまでも持ち続けられたらいいのになあ。 この人の自由奔放な感じが好きです。

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2011/04/15

前書きに“この本を、これからの少年少女に贈る”とあるように、大人である自分が読んでも面白いんだけど、むしろムスメに読ませたいような本です。 『世界を、こんなふうに見てごらん』というタイトルそのままに、固定観念を離れて、自分が「なぜ?」と感じる疑問に従って、自由に世界を見つめる大切...

前書きに“この本を、これからの少年少女に贈る”とあるように、大人である自分が読んでも面白いんだけど、むしろムスメに読ませたいような本です。 『世界を、こんなふうに見てごらん』というタイトルそのままに、固定観念を離れて、自分が「なぜ?」と感じる疑問に従って、自由に世界を見つめる大切さが、優しい文体で記された良書です。

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2011/03/29

沖縄タイムス2011.03.26。コーナー「ヨミゴロです」で紹介。 著者が亡くなった後に発行された。 学芸書としては多い2万部が売れた。 《著者は高等生物と下等生物を差別せず、昆虫のような小さな生物の目線で世界を見ることを勧める。》 表紙カバー絵は熊田千佳慕さん。

Posted byブクログ

2011/02/25

花畑をチョウが舞うとてもきれいな表紙と、やさしいタイトルに惹かれて購入した本です。 動物行動学者である日高さんのエッセイと講演録が収められています。 平易な言葉で綴られているので難解さは感じませんが、書かれていることは辛辣です。 人間のおごりに対する警鐘を鳴らし、上に立つ...

花畑をチョウが舞うとてもきれいな表紙と、やさしいタイトルに惹かれて購入した本です。 動物行動学者である日高さんのエッセイと講演録が収められています。 平易な言葉で綴られているので難解さは感じませんが、書かれていることは辛辣です。 人間のおごりに対する警鐘を鳴らし、上に立つ者の心構えを説き、学者として現場の状況を訴え・・・テーマは多岐に亘りますが、言わんとしていることは一貫していると思いました。 「人間は自然を破壊するものだ」 「人間は自然を破壊することはできてもコントロールすることはできない」 そういうことを認識することが、自然を守ることにつながる。 自然を守ろうというスローガンを掲げて、人間が自然の中に入っていくことが不自然であり、自然を破壊している。 当たり前のことのようだけれども、誰も言わないことを、きっちりと言い切っています。 「なぜ?」を大切にして、自分で考えることの重要性についても書かれていると思いました。

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2010/07/19

動物行動学者として有名な日高先生による十回にわたるエッセイと講演記録をまとめたもの。エッセイの小題から分かりやすく仕上げられているほど子どもでも読みやすい仕上がりとなっており、十回を読み終わったあとの講演記録が全てをまとめる役になっているために、読み終えた後に非常にすっきりする。...

動物行動学者として有名な日高先生による十回にわたるエッセイと講演記録をまとめたもの。エッセイの小題から分かりやすく仕上げられているほど子どもでも読みやすい仕上がりとなっており、十回を読み終わったあとの講演記録が全てをまとめる役になっているために、読み終えた後に非常にすっきりする。 世の中の既成の事実とされているものに対して常に疑問を投げかける著者に対し、非常に新鮮な気持ちになった。科学の世界に入ると感情論が排除されやすいが、そういうことが必ずしも正解ではなく気持ちが大切なのだと語っている。敷居が高いと思われがちな学問(科学)の世界に対し、常に開放的でおられたはずの著者の視線で描かれた生きていくこと=学問することにおけるヒントを与えてくれている本だと感じる。

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2010/05/10

新鮮な視点の本。 区別がない、いろんなことがつながっていく。 そう捉えることができるんだ、と思う本。

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2010/03/25

(2010.03.24読了) 著者の日高さんは、2009年11月14日に亡くなられました。79歳でした。 この本は、亡くなる前まで、集英社のPR誌「青春と読書」に連載していたエッセイ10回分と2007年3月に行った講演の記録が収められています。 日高先生のファンである神さんが買っ...

(2010.03.24読了) 著者の日高さんは、2009年11月14日に亡くなられました。79歳でした。 この本は、亡くなる前まで、集英社のPR誌「青春と読書」に連載していたエッセイ10回分と2007年3月に行った講演の記録が収められています。 日高先生のファンである神さんが買ってきて、読み終わったので、僕に回ってきました。積読の山に埋もれてしまう前に読むことにしました。 「世界を、こんな風に見てごらん。この本を、これからの少年少女と大人に贈る。 人間や動物を見るときの僕なりのヒントをまとめたものだ。」 具体的な生き物についての記述ではなく、日高さんが人間や動物を見るときにどのような視点で見ているかを述べたものです。 ●東大の理学部では、「なぜ」を問うてはいけない(15頁) 「なぜ」を問うことは神様が出てくる話になってしまう。How(どのように)は聞いてよいが、Why(なぜ)を聞いてはいけないと言われ、そのことを疑問に思った。 生物の場合は、「なぜ」を問わないと学問にならないのではないかと思った。 ●人間と動物の違い(26頁) 人間以外の動物には死がわからないのではないか 人間と言うのは、どうも相当昔から死と言うことを考えていたらしい 人間と動物に違いは死と美を知っているか否かにあるのだ (花畑で花を見ているシロクマを見ていると動物が美を知らないとは思えないけど) ●人間は、イリュージョンだけで世界をつくっている(27頁) 人間は真実を追求する存在だといわれるが、むしろ真実ではないこと、つまりある種のまぼろしを真実だと思いこむ存在だという方が当たっているのではないか。 (仮説を共有して生活しているということは言えるので、共感できる考え方ではある) ●進化は徐々に起こるのか(30頁) 元の生き物がだんだんに変化して新しいいきものができるかと言うと、実際には新しいものはパッと段階を飛んでいる。 (ファーブルも昆虫記の中で似たようなことを書いている) ●科学的にみるとは?(33頁) 科学的にこうだと考えられるという話が、しばらくすると全く間違いだったということはよくある。 (体のことで、科学的にこういうことが分かったとかいう言葉に乗せられて、いろんなものを買わされて喜んでいる人がいっぱいいそうだ) ●不思議なことを見つけて探る(81頁) 僕も生物学者の一人だが、生物学が好きなのではなくて、生物が好きなのだ。こんなところにこんな虫がいて、こんな生き方をしているということがおもしろい。それが生物学にとってどんな意味を持っているかを考えたことはまずない。 ●フェロモンに誘引されて(147頁) 性フェロモンで1キロ、2キロの遠くにいる雄まで誘引する、とされてきた。 よく調べてみたら、1メートルぐらいのところからくるだけ、ということがわかった。 (1キロ、2キロ先から来たのは、フェロモンに誘引されたのではなく単なる偶然だった。) この本の中で出てきた本は、以下のようなものですが、訳者は、日高さんです。 「ソロモンの指環」ローレンツ、早川書房 「鼻行類」シュテュンプケ、平凡社ライブラリー  「機械の中の幽霊」ケストラー、ちくま学芸文庫 「裸のサル」デズモンド・モリス、角川文庫 「生物から見た世界」ユクスキュル、クリサート、岩波文庫 (2010年3月25日・記)

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2010/02/22

昨年亡くなられた動物行動学者、日高敏隆さんのエッセイ+講演録です。といっても著作を読むのはこれが初めてで、そのきっかけは表紙や題名などの印象からです。 昆虫の話や著者のやってきたことの話など面白かったです。特にエッセイの最初の三編では、私の科学や自然に対する見方や生き方に、新た...

昨年亡くなられた動物行動学者、日高敏隆さんのエッセイ+講演録です。といっても著作を読むのはこれが初めてで、そのきっかけは表紙や題名などの印象からです。 昆虫の話や著者のやってきたことの話など面白かったです。特にエッセイの最初の三編では、私の科学や自然に対する見方や生き方に、新たな視点を与えてもらったと思います。 「どんなものの見方も相対化して考えてごらんなさい。科学もそのうちのひとつの見方として。 自分の精神のよって立つところに、いっさい、これは絶対というところはないと思うと不安になるが、その不安の中で、もがきながら耐えることが、これから生きていくことになるのではないかと僕は思う。」

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