台北の夜 の商品レビュー
母親の遺言で弟の行方を捜しに遺灰を携えて向かった台北で待っていたものは、、、 44歳独身で金融アナリストの主人公は毎週金曜の夜は母親と夕食を共にし母親の経営するモーテルに泊まって行く。そんな単調な生活を繰り返していた頃に突然母親が病死する。 遺言で母親の故郷台湾に不動産の遺...
母親の遺言で弟の行方を捜しに遺灰を携えて向かった台北で待っていたものは、、、 44歳独身で金融アナリストの主人公は毎週金曜の夜は母親と夕食を共にし母親の経営するモーテルに泊まって行く。そんな単調な生活を繰り返していた頃に突然母親が病死する。 遺言で母親の故郷台湾に不動産の遺産がある事や遺灰を故郷の土地で弔う、更には行方不明の弟が台北に居る事を知った主人公は休暇を取り遺灰を抱えて見ず知らずの台北へ向かった。 無事に弟に遭うことが出来たが生活は酷く荒廃し犯罪の匂いのする仲間達から弟を救い出そうと試みる主人公の前に立ちはだかる謎と兄妹の愛の行方は、、、 主人公は超が幾つも付くほどのマザコンで女性との付き合いも経験も無い意気地なしな中年ですがこれが酷い酷いいわゆる孤独で陰険な駄目男です。台湾女性から切実な思いを寄せられようが弟がどれだけ胡散臭くても女性が危険な目に遭おうが普通では考えらない行動の繰り返しに読み進めば進む程に癖々としてこれってミステリー???みたいな疑問が湧いて来ます。 ですがやはり2008年エドガー賞受賞作でした、最後の最後で母親の思い出に縛られた中年のマザコン氏が台湾女性と逃亡している最中にあるきっかけで母親との精神的決別が出来、猛然と女性と弟の為に逃げ出さずに戦おうと行動するが顛末は想像を絶する巨悪が背景にあった、、、 本作は完結編との事らしいですが結末からの読後感はスッキリせず是非続編で勇敢になった主人公のその後を見てみたいです。それ位にどうしようもない感があるからそのギャップが面白いのです。
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”子曰く身内の罪は隠すものだ。”そんなふうな意味の論語の引用によって始まる物語。台湾に渡った弟を探す台湾系アメリカ人が主人公のハードボイルド小説です。儒教文化や台湾と中国の複雑な関係を盛り込んだのが特徴でした。作者が若いからか、訳が良くないのか、ちょっと全体的に話の運びが荒い感じ...
”子曰く身内の罪は隠すものだ。”そんなふうな意味の論語の引用によって始まる物語。台湾に渡った弟を探す台湾系アメリカ人が主人公のハードボイルド小説です。儒教文化や台湾と中国の複雑な関係を盛り込んだのが特徴でした。作者が若いからか、訳が良くないのか、ちょっと全体的に話の運びが荒い感じがしますが、ところどころ現れる異国の情緒やスタイリッシュなハードボイルドさ加減に引き込まれて、読み始めたら一気に最後まで行きました。
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台北を舞台にアメリカ生まれの中国人が10年前から離別している弟の行方を追うサスペンス。せっかく台湾旅行だしと選んだ1冊だ。原作を読んでいないからわからないが、台北のほこりっぽさや独特の文化と雰囲気を出すには、もっと翻訳に工夫がほしいところかもしれないなとは思った。なかなか政治的...
台北を舞台にアメリカ生まれの中国人が10年前から離別している弟の行方を追うサスペンス。せっかく台湾旅行だしと選んだ1冊だ。原作を読んでいないからわからないが、台北のほこりっぽさや独特の文化と雰囲気を出すには、もっと翻訳に工夫がほしいところかもしれないなとは思った。なかなか政治的に難しい、台湾と大陸、そして黒社会を描くだけに、非常にキャッチーな内容。ドラスティックな展開を期待してしまったけど、おっさんが主人公なので限界もあるかな。
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アメリカから死んだ母親の遺言と位牌を携えて、行方不明の弟を探すべく自分のルーツである台湾に降り立った男の話。 よくある自分のルーツ探しではないし、弟も探すまでもなく現れる。この話はそこから始まる。 従兄弟に高額な借金を背負わされ、己の身も危うくなりながらなお弟と理解し合おうとい...
アメリカから死んだ母親の遺言と位牌を携えて、行方不明の弟を探すべく自分のルーツである台湾に降り立った男の話。 よくある自分のルーツ探しではないし、弟も探すまでもなく現れる。この話はそこから始まる。 従兄弟に高額な借金を背負わされ、己の身も危うくなりながらなお弟と理解し合おうという兄の報われない戦いが描かれる。 姿かたちは同じ台湾人でありながら、言葉の壁、思考の違いなどで相手を理解できない兄は、こちらがおいおいと思うところよりさらに深く立ち入ってはいけない場所に入っていく。 いや、入っていくというより無理矢理押し入るといった方が正しいかな。 メンタリティの違いなんだろうけど、それで周りを危険に巻き込んでいくのもなんだかなぁ。蛮勇ですらありえないし。 それがどう見ても弟を溺愛する母親に縛られた故の行動にしか思えないので、あまり共感できないんだよね。むしろ主人公の叔父の会社の会計係が時々に語る台湾の立場、歴史的背景、社会情勢の方が興味深く読めた。 暗喩的に登場するアメリカ人男性と台湾人女性のカップルのエピソードにもその辺が読み取れた。 残念なのは香港の重慶大厦の描写。ほぼ間違いで…。 大体あそこホテルじゃないし。読んでいてすっと醒めたよ。 知っている場所が舞台だとこういう間違いが気にかかる。最後に向けて盛り上がっている最中だったし、台北の描写がしっかりしていただけに残念だ。 台北と言えば、この街はウェットでミステリの舞台にふさわしいと思うんだけど、あまりその手の話を聞かないなぁ。 こういう作品を機にもっと台北が舞台のミステリが出てきて欲しい。 しかし、この作品ぶっちゃけてしまえば儒教教育どっぷりで育ったマザコン40男が自立する話。なのかも知れない。
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