ミムス の商品レビュー
卑劣な遣り口で国盗り合戦に巻き込まれ、捕らえられた若い王子が、憎き敵国の王の気紛れによって、宮廷道化師の弟子になるところから物語は始まる。 戦争する二国が主な舞台なので、重くシリアスな空気が根底にありますが、卑しい王のペット扱いを受けることになる主人公にも、時々、つい楽しみを垣...
卑劣な遣り口で国盗り合戦に巻き込まれ、捕らえられた若い王子が、憎き敵国の王の気紛れによって、宮廷道化師の弟子になるところから物語は始まる。 戦争する二国が主な舞台なので、重くシリアスな空気が根底にありますが、卑しい王のペット扱いを受けることになる主人公にも、時々、つい楽しみを垣間見、そんな自分に罪悪感を覚え… 宮廷道化師と言うものが、どんなものか。本作を読んでみると、かなり興味深い。 主人公の師匠にならされたベテラン宮廷道化師ミムス。彼がとても魅力的。 装丁に描かれた彼を見た最初の印象と、読後の印象はまるで違ったものとなりました。 道化師の機知に富んだ言葉遊びは、翻訳が大変だったようですね。 ミムスの人物像は私のツボ。 善人か悪人か 敵か味方か わからないような、憎めないキャラ。 そんなキャラクターが好きな方にはたまらない、ミムス。 架空世界のようでいて、完全なるキリスト教。そこが不思議な現実感を醸しています。 最初、この子が主人公かな、と思っていた人物や、活躍しそうだな、と思っていた人物が悉く外れてしまいました(笑) ヒロイン、と言って良いのか、アシックスは新しいタイプで、今も完全には呑み込めていません。姫、って感じはよくわかりますけどね! ストーリー自体よりも、各章での描写、展開の見せ方に魅力のある作品かと思います。 ある意味裏をかかれる締めくくりでした。 フラグクラッシャーが多数。 それもまた道化の和平なんでしょうね。 戦争で、何を憎み、恨み、敵とみなすか。その敵にも同時に守るべき家族、恋人、友、国がある。 基本的なことで、何度もうたわれてきたテーマですが、なかなか我が身に映し、飲み下せ無いテーマ。 情、信念、プライド、義理、大義名分… 難しいです。
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ミムスのキャラクターと考えに、共感せずにいられませんでした。 生きるために芸をすることはかれのポリシーで、命よりも大切なことなのかもしれません。 言葉ではなく、行動をもって勇気を教えてくれます。
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衝撃の展開から一気読みでした。王子から一転、敵国の王の道化にされてしまうフロリーン。敵に見下げられ嗤われ、父を人質に取られ耐えがたい毎日の描写は読んでていて辛いですが…その中で存在感を強める道化(ミムス)の行動が徐々に気になりだします。彼はこの小説の中でまさしく「ジョーカー」でし...
衝撃の展開から一気読みでした。王子から一転、敵国の王の道化にされてしまうフロリーン。敵に見下げられ嗤われ、父を人質に取られ耐えがたい毎日の描写は読んでていて辛いですが…その中で存在感を強める道化(ミムス)の行動が徐々に気になりだします。彼はこの小説の中でまさしく「ジョーカー」でした。逆転しようとするストーリーの中で、ミムスは要となります。本当に面白かったです…。にしてもモンフィール王も恥知らずなことをしてしまいましたが、テオド王の仕打ちはやっていいことじゃない。
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図書館で素敵な表紙に一目惚れして借りた本。グイグイと世界観にひきこまれ、気が付くと読了していた。 ミムスのキャラがとても良い!口では毒を吐きながらも、フロリーンがうなされている夜には優しく撫でてあげている姿にキュンとした。 情表現やお城が陥落する様子など細かな表現といった描写...
図書館で素敵な表紙に一目惚れして借りた本。グイグイと世界観にひきこまれ、気が付くと読了していた。 ミムスのキャラがとても良い!口では毒を吐きながらも、フロリーンがうなされている夜には優しく撫でてあげている姿にキュンとした。 情表現やお城が陥落する様子など細かな表現といった描写が乏しかったように思う。またストーリーがぶっ飛んだ感じで展開していったのが、少し残念だったように思う。 しかし大人も楽しめる児童書で、設定も他の本にはない感じで興味深かった。この道化の話をよんでいると、ベラスケスの「ラス・メニ−ナス」という絵画を思い出した。愛玩動物としてペットの様な扱いを受けていた彼らとミムスを重ね合わせてしまった。
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図書館でのジャケ借りでしたが、当たりでした! 物語の世界に引き込まれますし、これは面白かった! 日本では有名でも何でもない作品ですが、人に薦めたくなりました。 おすすめです。
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ここにレビューを書きました。 http://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/3fa0d9ae53acd7727600ce8ec77f5586
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おもしろかった!!宮廷道化師という特異な存在に魅了された。笑いこそが生きのびるための最後の武器とはなんと危いことか。ミムスの道化師としてのずば抜けた才能、ずる賢さ、心憎いやさしさ、しぶとい強さに感服。彼こそ真の道化師。終わり方もいい。
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●内容… 罠におちた王子が敵国で課せられたのは…王の道化師だった! 道化になって初めて知る身分格差。何もかも奪われ、絶望の中で生き残る為には、“笑い”を武器に敵国の王を喜ばせるしかなかった。 師匠道化「ミムス」の生き様や敵国の別の一面を見、善悪の基準や境界線の曖昧さを知る王...
●内容… 罠におちた王子が敵国で課せられたのは…王の道化師だった! 道化になって初めて知る身分格差。何もかも奪われ、絶望の中で生き残る為には、“笑い”を武器に敵国の王を喜ばせるしかなかった。 師匠道化「ミムス」の生き様や敵国の別の一面を見、善悪の基準や境界線の曖昧さを知る王子。 地獄のような毎日に、次第に本来の自分を見失っていく… 彼を待ち受けるのは処刑か!救援か!喪失か! ●感想… 「ぐいぐい世界に引き込まれる」 と産經新聞の書評コーナーに紹介されていた児童書です。 気になって本屋に走りました。新刊と勝手に思っていたので平積みされているかと思いきや…某宮脇書店には棚指しに1冊だけ。 そんなに人気ない本なのかなぁ~…と不安になりつつ、2400円+税を払って帰宅。約500P(厚さ約30mm)なかなか読み応えありです!大人が読んでも十二分に面白いです。書評に間違いなしでした! ミムスのおどける様子やきらびやかな宮廷の宴…本のなかにぐいぐいと吸引されていきます。師匠道化ミムスが憎らしいけど何故か読み終わる頃にはかっこよく見えてくるのが不思議です。 作者のリリ•タールが、実際17~18世紀にあった「廷臣が王の怒りを買い一夜で宮廷道化になった」エピソードを元にイメージを膨らませて書いた話だそうです。 訳は木本 栄 『ちいさなちいさな王様』の訳者と同じ方と知ってびっくり…。大好きな本の一つです。 装画は東 逸子 憂い顔の王子…道化姿ですが美しいです。東さんの透明感のある絵好きです。挿絵がないのが少し残念です。
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児童書の新刊。久しぶりに「読んでみたい」と食指が動きました。 敵国の策略に落ち囚われた王子フロリーンは敵国の王の宮廷道化師となることを強いられます。道化の師匠ミムスと生活を共にするうちフロリーンは 王子として生きていた時には見えなかった様々な事が見えてきます。 つかみ所のない道...
児童書の新刊。久しぶりに「読んでみたい」と食指が動きました。 敵国の策略に落ち囚われた王子フロリーンは敵国の王の宮廷道化師となることを強いられます。道化の師匠ミムスと生活を共にするうちフロリーンは 王子として生きていた時には見えなかった様々な事が見えてきます。 つかみ所のない道化のミムスとのやりとりは、自分の現状にもがき苦しむフロリーンの心を波立たせます。はたしてどうなるのか・・・ 中世を舞台にした歴史児童文学。翻訳のせいもあるのでしょうが会話もかなり現代的、サトクリフなんかに比べると読みやすく 時代背景の長い説明もほとんどありません。 王子の身からいきなり道化へ・・・シチュエーションは面白くかなり読ませるのですが 全体的には不満が残りました。道化となった我が身をあまりにもあっさりと受け入れたフロリーンや 物語の終わり方もちょっと現実には考えにくい。児童書ゆえの配慮?今時そんなYAは時代遅れだし、それに道化が語る戯れ言はかなり際どいものでした。グイグイ読ませるのに「こー終わるのか〜」と何ともちぐはぐな感じで本を閉じたのでありました。 でも久しぶりの児童書!読んでいる間は楽しい時間でしたし作者の他の作品も読んでみたいと思いました♪
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モンフィールの王子、フローリンは、敵国ヴィンランドのテオド王の謀略によって捕らえられ、道化となることを強制される。道化の師匠ミムスに厳しく鍛えられ、テオド王や賓客の前で恥をさらす生活は苦痛に満ちていた。だが、動物のように蔑まれている道化にも、わけ隔てなく接する厨房見習いのベンツォ...
モンフィールの王子、フローリンは、敵国ヴィンランドのテオド王の謀略によって捕らえられ、道化となることを強制される。道化の師匠ミムスに厳しく鍛えられ、テオド王や賓客の前で恥をさらす生活は苦痛に満ちていた。だが、動物のように蔑まれている道化にも、わけ隔てなく接する厨房見習いのベンツォ、フローリンのことが気になって仕方が無い王女アリックス、そして、口は悪いが頭が切れ、時に思いがけず優しいミムスなど、心を通わせる人にも出会う。 惨めな状況の主人公フローリンだが、全体にユーモアが漂い、重苦しくない。モンフィールが人質奪還のためにたてた攻撃計画は、予想外で大胆。物語を締めくくるミムスの独壇場もすばらしい。
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