エスケイプ/アブセント の商品レビュー
これもよかったな~。京都へ少しの間逃亡する、元・活動家の男の語り。どうしてこんなにどこの方言も自然なんだろう? 祈りの描写が良かった。手紙みたいな、もっと言えばメールみたいな。
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軽妙な文体で読みやすい。この世代の人はこういう時代を生きて、みたいな世代感が全然分からないためになんとなくぼんやりと霧の中を行くように読み進めていたんだけど、何にも信じられないから神様だけは信じられる、毎日謝ってるっていうバンジャマンの話はすごくわかるなあと思ってしまった。 江崎は大人は生でぬるついて気持ち悪いっていうけど、私は子供の方が生で怖い。神様は人の罪なんて聞かずに応援しろ、祈れって言うけど、ただ聞いてくれるのってむしろすごい応援だと思う。なんか根本が違うんだろうな。江崎はちゃんと人が好きな人というか、結局のところそうだからセクトみたいな活動だってできるんだろう。そう考えると「愛がない」バンジャマンとは正反対の人なんだろう。
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ふわふわと、テキトーに、ラクに、諦めながら、なんとなく浮き草みたいに生きてる。 それは、もう燃やし尽くしちゃったからなのか、もともと燃料が無いだけなのか…。 でも、どことなく、確実に寂しい。 捉えようもない寂しさに包まれた二篇。
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霞がかったようにふわーっとした語り口。作者が考えていることじゃなくて、主人公の頭の中がそのまま記述されているような感じがする。
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遅すぎた中年、福岡に向かい、ふと京都に降りる。 そこには現在を把握していない、双子がいたが、今はどうやら。 コスプレ神父バンジャマンと交流。 結局双子に会うことはなかったが、その不在こそが隠れた透明の背骨である。 それは作中に形を変えて言及される。 「不在は、美化される。キリストだってそうだ。」 キリストなんかより歌子婆さんみたいな人が今現在生きているってことを美化したいね、という独白や、 なんで大人ってドライでソリッドではなく、生、なんだろう、といった感覚やに、 大いに共感。ずっとそう思っていた。 ちなみに「アブセント」はその双子の片割れ。
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相対する双子の兄弟がそれぞれ主人公の二編。自由でいながら、挫折に影を潜めて生きる中年男の切なさが、軽く明るく描かれている。二編が構成から響き合っているので、短いながらも印象がしっかり残る名著。
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職業的革命家をドロップアウトした正臣、偽神父のバンジャマン。彼らはともに、いわばかけがえのない青春期を失ってしまった。そして、過去における継続的な挫折のゆえに将来への展望もなきに等しい。小説のアイディアとしてはわからなくもないが、やや作為的に過ぎるようにも思う。タイトルの所以とな...
職業的革命家をドロップアウトした正臣、偽神父のバンジャマン。彼らはともに、いわばかけがえのない青春期を失ってしまった。そして、過去における継続的な挫折のゆえに将来への展望もなきに等しい。小説のアイディアとしてはわからなくもないが、やや作為的に過ぎるようにも思う。タイトルの所以となったジョディ・ハリスとロバート・クインの「エスケイプ」も職革の過去には違和感が否めない。一方の「アブセント」は、もう少し自然だが、その分インパクトには幾分か欠けるだろう。小説のテーマは「喪失」であり、読後には一抹の寂寥感が残る。
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今まで読んだ絲山作品の中では1番読み易かったかも。舞台が京都で想像し易かったからかも(観光しかした事ないけど)。主人公が同性愛者(両刀使い?)って設定は要るか?別に同性愛に偏見は無い積もりやけど男が抱き合ってるのを想像するのは嫌や・・・。女同士が抱き合うなら読めると思うし、むしろ...
今まで読んだ絲山作品の中では1番読み易かったかも。舞台が京都で想像し易かったからかも(観光しかした事ないけど)。主人公が同性愛者(両刀使い?)って設定は要るか?別に同性愛に偏見は無い積もりやけど男が抱き合ってるのを想像するのは嫌や・・・。女同士が抱き合うなら読めると思うし、むしろ率先して読みたいし実際に見てみたい。 『アブセント』は要らんと思う。
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あいも変わらず良く分からん中身だなあ。 しょうもないことを淡々と書き連ねってる。 絲山さんは何を言いたいのだろうか。
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あぁーこの軽い感じ。けど重い感じ。なんか矛盾した感じ。このメンドくさい感じ、自分とダブります(別に自分は活動家でもなけりゃ左翼でもないんだけど)。 「元」左翼活動家である正臣が、妹の家に転がり込んで「マトモな」生活を送る(送ろうとする)までの間に訪れた京都で過ごす1週間程の出来事...
あぁーこの軽い感じ。けど重い感じ。なんか矛盾した感じ。このメンドくさい感じ、自分とダブります(別に自分は活動家でもなけりゃ左翼でもないんだけど)。 「元」左翼活動家である正臣が、妹の家に転がり込んで「マトモな」生活を送る(送ろうとする)までの間に訪れた京都で過ごす1週間程の出来事。 左翼的思想だって、何かすごいものに思われたレコードだって、気が付けばなんてこともないものだった。ポケットに入れた「自由」も結局あっさり割れちゃったし。番ちゃんにとっての「神」だって、所詮はコスプレ、後付けの信仰。でも案外そういうものなのかも。世の中なんて全て茶番劇。それでも自分なりの意味付けをして生きていくしかないのだ。
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