紙の本が亡びるとき? の商品レビュー
電子書籍の登場による「紙の本」の役割の変化を発端として、マンガやアニメ、映画などにも言及しながら、それらに対する「文学」の立場と可能性を論じていきます。著者が「メロス・ゲート」と呼び指摘する、国語教科書における「走れメロス」の登場率の高さへの疑問には、思わず目からうろこが落ちます...
電子書籍の登場による「紙の本」の役割の変化を発端として、マンガやアニメ、映画などにも言及しながら、それらに対する「文学」の立場と可能性を論じていきます。著者が「メロス・ゲート」と呼び指摘する、国語教科書における「走れメロス」の登場率の高さへの疑問には、思わず目からうろこが落ちます。
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タイトルと冒頭文読んでたら紙の本の消滅と電子書籍について書いてある内容だと思ったけれど、そうでもなかった。 活版印刷の書籍作りの項で印象に残ったのが、手書き原稿の小説家(松本清張や石原慎太郎など)には、その小説家専属の文選工がいて、その文選工だけが澱みなく活版の文字を拾って行けた...
タイトルと冒頭文読んでたら紙の本の消滅と電子書籍について書いてある内容だと思ったけれど、そうでもなかった。 活版印刷の書籍作りの項で印象に残ったのが、手書き原稿の小説家(松本清張や石原慎太郎など)には、その小説家専属の文選工がいて、その文選工だけが澱みなく活版の文字を拾って行けたって話が面白かった。
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難しかったー。紙の本についてトクトクと書いてあるのかとおもったら、中身は筆者が今まで文学とかについて書いた文章を集めたやつだった。だからかはわからないけど、どっちかといえば散文的で、全体を読んでなんとなくボンヤリと「文学」のこれからが見えてくる。みたいな感じ。体系的でなく感じてし...
難しかったー。紙の本についてトクトクと書いてあるのかとおもったら、中身は筆者が今まで文学とかについて書いた文章を集めたやつだった。だからかはわからないけど、どっちかといえば散文的で、全体を読んでなんとなくボンヤリと「文学」のこれからが見えてくる。みたいな感じ。体系的でなく感じてしまい、なんでこんな話してるんだろう…としばしば思ってしまった。 ただ文章の中で自分の知らない知見とかがあって刺激はうけた。コミュニケーションは本質的に誤解の上にある。みたいな話とか。この先なにか思い出した時にパラパラっともう一度読むかなーって本。
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打ち寄せる電子書籍の波の前に紙の本は亡びてしまうのか? といっても、今流行のビジネス面からの電子書籍肯定派否定派の本に書かれているような内容というよりも、その根底は文学論。 とはいえ、そもそも文学という表現に「版」や「本」といったパッケージは必要なんだろうか? 文学の根底に流れる...
打ち寄せる電子書籍の波の前に紙の本は亡びてしまうのか? といっても、今流行のビジネス面からの電子書籍肯定派否定派の本に書かれているような内容というよりも、その根底は文学論。 とはいえ、そもそも文学という表現に「版」や「本」といったパッケージは必要なんだろうか? 文学の根底に流れる人間性というモノはパッケージに依存した物ではないはず。他者に伝える手段が口伝からパビルス、巻物、本への写本、印刷の発明以降は専ら本という形体に変化しつつ「物語」というものが綿々と息づいてきたことを考えると、それがビットになりパケットとしてネットの中を流通する世の中になってもことの本質は変わらないのではないか? また、社会世相の変化を取り入れながら表現していくのが文学であるとするならば、ことさらパッケージに固執するのはノスタルジー以外の何者ではないのではないか?という気がした秋の夜長なのでした。
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紙の本から電子書籍へとシフトした時、紙の本が持つ要素(あるいは役割)の何が電子書籍に移り、何が変わらず紙の本に残るのか?
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電子書籍の台頭で紙の本を待ち受ける末路……を出発点にした著者の思索は、“文学”が模索する未来へと広がり、現代思想的手捌きで書物が直面している問題がより大きなパラダイムシフトの一側面に過ぎないことを証立てる。あちこちの媒体に書いた文章を半ば無理矢理一つにまとめているので散漫な印象を...
電子書籍の台頭で紙の本を待ち受ける末路……を出発点にした著者の思索は、“文学”が模索する未来へと広がり、現代思想的手捌きで書物が直面している問題がより大きなパラダイムシフトの一側面に過ぎないことを証立てる。あちこちの媒体に書いた文章を半ば無理矢理一つにまとめているので散漫な印象を受けるが、本の未来を考えるにあたって一読に値する一冊。
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タイトルから想像されるような話ではなく、はじめから終わりまで「文学」の話。様々な示唆に富んだ鋭い指摘の数々が、先の見えない「知」「文学」「本」のあり方に正面から切り込んでいく。 紙の本が亡びたあと、「文学」は如何に可能なのか。 紙の本が亡びたあと、私たちの「知」はどのように変わ...
タイトルから想像されるような話ではなく、はじめから終わりまで「文学」の話。様々な示唆に富んだ鋭い指摘の数々が、先の見えない「知」「文学」「本」のあり方に正面から切り込んでいく。 紙の本が亡びたあと、「文学」は如何に可能なのか。 紙の本が亡びたあと、私たちの「知」はどのように変わっていくのか。 そう遠くない未来に訪れるであろう「本」の消滅に、私たちはどう向き合えば良いのか/向きあうべきなのか...
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文学との関連において電子書籍化がどう影響するかが書かれている貴重な内容。ただし、ITビジネスへの影響とかビジネスモデルの変革云々と言った内容には触れられていなかったのであまり参考にならず。
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テクノロジーが紙の「質感」「見た目」「におい」「使いやすさ」・・・にたどり着き、各社の利潤うずまく市場が普遍化するまでは、安泰でしょう。
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3/3 一本の論文ではなく、評論集。 第六章「活版印刷への/からの旅」は面白かったけど、本人も言っているように「キャッチーな」タイトルに惹かれて買ってしまったので少し残念。
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