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おまもりひまり(6) の商品レビュー

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シリーズ当初の雰囲気に戻りながらも進展はなし

サンタ姿の別表紙で年末商戦に参加しつつ限定販売で売り切れ続出、年が明けてから通常版と、まぁ何ともニクいご商売だこと……などと『DVD付き超限定版』を買い損ねた輩の負け惜しみを1つ吐いてみたり。 新たな敵の到来でどうなるかと思いながら読み始めた第6巻だが進展はさほど無し。物語...

サンタ姿の別表紙で年末商戦に参加しつつ限定販売で売り切れ続出、年が明けてから通常版と、まぁ何ともニクいご商売だこと……などと『DVD付き超限定版』を買い損ねた輩の負け惜しみを1つ吐いてみたり。 新たな敵の到来でどうなるかと思いながら読み始めた第6巻だが進展はさほど無し。物語の引き伸ばしに見えなくもないが、決戦に向けての準備といったところか。それでも優人の「小さな幸せを守る」という願いが具体的に表現されていて良かった。人間と妖との共存・共栄みたいな大仰なものではなく、身の回りで暮らす人々と妖達、その日常的な風景を大事にしたいというのはリアルで共感できるものである。本巻で少しだけ出てきた他の鬼斬り役の面々も概ね似たようなものなのだろう。序列参位として登場した【各務森飛白】も突出した妖退治を諌める言動を見せている。ただし、いずれ訪れるであろうタマさんこと【白面金毛九尾】や【酒呑童子】との決戦に向けて力をつけるべく優人への特訓が行われるのだが、この時に少し非情な振る舞いを見せた緋鞠に若干だが本シリーズ当初にあったシリアスさが伺える。他にも神宮寺くえすや、おそらく作者が温めていたであろう静水久の仇討ちエピソードにも狂気の様が露出しており、ここしばらく占めていたユルい路線からの引き戻しも感じられる。人間と妖との位置関係や、各人の考え方が交錯する混沌を決戦前に描いておこうという配慮かもしれない。本巻で2度ほど出てきた緋鞠の死亡フラグとも取られ兼ねない呟きも決戦の激しさと不安を掻き立てるものがある。そして最後の最後、楽しいパーティ(いいんちょがちょっと可愛い)の最中に出てきた、何だかよくわからないモノが次巻への引きとなっている。お色気成分もそこそこあって気苦労が絶えない凛子も相変わらず、そんな日常があるだけに今後の展開が気になるところである。

DSK