ベスト&ブライテスト(下) の商品レビュー
ジョンソン政権に対しては、若干辛辣な書きぶりが多いような気もした。しかし、それでもどのような人物に対しても一方的な書き方ではなく、できるだけ客観的な書き方をしているスタイルに好感を持った。あとがきで、著者自身がジャーナリストとして、当時、もっと真実に迫ることができたのではないかと...
ジョンソン政権に対しては、若干辛辣な書きぶりが多いような気もした。しかし、それでもどのような人物に対しても一方的な書き方ではなく、できるだけ客観的な書き方をしているスタイルに好感を持った。あとがきで、著者自身がジャーナリストとして、当時、もっと真実に迫ることができたのではないかと、回想していることが印象的であった。本書はベトナム戦争に関する歴史的検証であるものの、ここに描かれている教訓は普遍的なものだと思う。
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ベスト&ブライテスト下2021/05/09 「国家の失敗」をこれだけ精緻にまとめた努力は偉大 日本は昭和の戦争ですらバラバラの歴史学 国家としての総括はない 歴史でも教えない 些末な個々の史実を記憶テストするだけ 国家の過ちは繰り返す→コロナ禍で再現する嫌な予感 1.最高権力者の...
ベスト&ブライテスト下2021/05/09 「国家の失敗」をこれだけ精緻にまとめた努力は偉大 日本は昭和の戦争ですらバラバラの歴史学 国家としての総括はない 歴史でも教えない 些末な個々の史実を記憶テストするだけ 国家の過ちは繰り返す→コロナ禍で再現する嫌な予感 1.最高権力者のウソは高くつく トップへのガバナンス ジョンソン大統領 自らのウソにより失脚 非エリート出身 失敗に耐えられない ウソで誤魔化す →取り返しの効かない大失敗となる 東條英機・ニクソン大統領 保身が最大目的化 「公」に尽くすエリートを見つけて育てる重要性 2.歴史は人が作る しかしその人は歴史の中にいて、その制約から逃れられない 3.国家の体制 ①大統領制 トップ次第 選考に大エネルギー CEOも同じ ②議院内閣制 トップのリスクは小さい 日本は①と②の間で迷い ハイブリッドではなく悪い組合せになっている 霞が関の解体 内閣府のレベルの低さ 大戦中のチャーチルのような人材が輩出できるのか? 日本には「戦争概念がない」ので強力なリーダーシップは難しい 「コロナ戦争」で馬脚を顕した
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現在でも同じであるが、アメリカ民主党のエリートがどれだけ、現実と離れた机上論理に従って国を謝らせてきたのかよく理解できる。 日本の感覚のリベラルとは異なり、一種のエリート主義であると感じる。
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・民主主義国会の指導者でありながら、彼らは国家の進むべき道を選ぶに当たって、国民による討議を導入しようとしなかった。彼らは、何が正しい道であるかを自らわきまえていると考え、何をどの程度、いつ国民に知らしめればよいかを知っていると考えていた
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シリーズ最終巻。 テーマはジョンソン大統領政権時のベトナム戦争泥沼化。 表題の通り、ケネディ政権から類稀なる最高の人材を引き継いだにも係わらず、なぜベトナム戦争の泥沼化を食い止めることができなかったのか。 幾つかの要因があるのだが、エリートにとって失敗の文字はない、というマインド...
シリーズ最終巻。 テーマはジョンソン大統領政権時のベトナム戦争泥沼化。 表題の通り、ケネディ政権から類稀なる最高の人材を引き継いだにも係わらず、なぜベトナム戦争の泥沼化を食い止めることができなかったのか。 幾つかの要因があるのだが、エリートにとって失敗の文字はない、というマインドが主因なのだろう。 ジョンソンは、明らかに国内政策でリーダーシップを発揮したかった、外交政策は二の次だった。 情報を限定的に扱い、オープンにすることを嫌った。 Yes manを重用した結果、悪い情報が上がらなくなった。 迷いの中から、決定を先送りする傾向があった。 以下引用~ ・彼らのプラグマティズムは、幾度も道義的価値と対立した。そして犠牲にされたのは道義の方である。しかし、それも、より大きな成功を収め、より大きな善を為すために必要なことなのであった。アメリカ的信条の権化が彼らである。 つねに社会の階梯を昇り、成功がすべてを正当化する。他のことはいっさい考えず、日に夜をついで働き、その働きを認められて成功する。成功は、どんな犠牲を払っての達成するだけの価値がある。アメリカ的生活にあって、成功はすべてであった。だがやがて、そのために払われる代価は恐るべきものとなる。 ・フランスにとっても、アメリカにとっても、この戦争の偉大な幻想の一つは、自分たちが戦争の規模や進展を左右している、という考えであった。現実には、それを左右していたのは敵であった。敵は、一時的にどの程度の兵を投入するかを決定することにより、戦争規模を拡大したり、縮小したりする決定権を握っていたのである。
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アメリカ政治史上最高のドリームチーム、ケネディとそのスタッフがハマったアメリカ史上最大の泥沼、敗戦。 いかに人間の理性がアテにならないモノなのか。単に知的レベルが高いだけでは本質的に 何も解決出来ないし、何も生み出さない。 しかしこの泥沼の後もアメリカは全く変わって おらず、イラ...
アメリカ政治史上最高のドリームチーム、ケネディとそのスタッフがハマったアメリカ史上最大の泥沼、敗戦。 いかに人間の理性がアテにならないモノなのか。単に知的レベルが高いだけでは本質的に 何も解決出来ないし、何も生み出さない。 しかしこの泥沼の後もアメリカは全く変わって おらず、イラン人質、911、アフガン、イラクと 同じ様な過ちを繰り返す事となる。
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もう50年も昔の話で、ケネディ政権の熱気や、キューバ紛争の雰囲気をリアルに覚えている人にはお目にかかったことがない。安保の話はよく聞くけどね。世界が、この本のように動いていた時代に、団塊世代っていうのは、いったい何をやってたんだか・・。今また、彼らが近視眼的な政治意見を吐き散らし...
もう50年も昔の話で、ケネディ政権の熱気や、キューバ紛争の雰囲気をリアルに覚えている人にはお目にかかったことがない。安保の話はよく聞くけどね。世界が、この本のように動いていた時代に、団塊世代っていうのは、いったい何をやってたんだか・・。今また、彼らが近視眼的な政治意見を吐き散らして、日本の行く先にノイズを撒き散らしている。
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ようやく「ベスト&ブライテスト下巻」読んだ!http://tinyurl.com/3bwatme もおう、すっっごくおもしろかった!下手なハリウッド大作映画なんか足下にも及ばない。これが一度は絶版になったなんて。訳文もすばらしい。原文が全く透けなかった。訳者は浅野輔さん。(つづく...
ようやく「ベスト&ブライテスト下巻」読んだ!http://tinyurl.com/3bwatme もおう、すっっごくおもしろかった!下手なハリウッド大作映画なんか足下にも及ばない。これが一度は絶版になったなんて。訳文もすばらしい。原文が全く透けなかった。訳者は浅野輔さん。(つづく 唯一のベト攻撃反対者ボールの孤独な戦い、マクナマラの苦悩と絶望、CIAの分裂、軍部の暴走。隠蔽され続けた悲観事実と国務省の傲慢な楽観主義、事実を知った官僚たちの反乱。ハルバースタムの膨大な取材データに基づく文章は、読んでて息詰まるくらいに迫真的だし、概論は1こもない。(まだつづく 最後)人物は充分に肉付けされてるし個々人の内面にフォーカスしたスタイルもいい。誰のための何のためのベトナム戦争だったのか。対ベト政策失敗の原因を、ありがちで実体の無い総論で括るのじゃなく、具体的に誰がいつどのように何をしたか、を積み重ねて解きほぐして行く。わたしゃ感動したよ。。
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ベトナム戦争に先立つインドシナ戦争は、フランスの植民地支配から 脱しようとした戦いだった。この時点でのアメリカは植民地支配に 批判的であり、フランスへの援助をためらっていた。 しかし、北ベトナムの向こう側に中国・ソ連の影を感じ取ったアメリカは、 共産主義から世界を救う民主...
ベトナム戦争に先立つインドシナ戦争は、フランスの植民地支配から 脱しようとした戦いだった。この時点でのアメリカは植民地支配に 批判的であり、フランスへの援助をためらっていた。 しかし、北ベトナムの向こう側に中国・ソ連の影を感じ取ったアメリカは、 共産主義から世界を救う民主国代表として積極的な介入を行う。 そこにはジエム政権の腐敗とそれに迎合するサイゴン司令部の思惑も あり、軍部はアメリカ政府に対し多くの要求を突きつける。 「ナパーム弾、使いたいんですけど?ジャングルはゲリラに有利になる ので枯葉剤も使いたいな。あ、空爆したら奴らも抵抗をやめるんじゃな いかなぁ」 そして使用したナパーム弾は非人道的であるとしてマスコミに叩かれ、 ジャングルを裸にするはずだった枯葉剤は自国の兵士にも後遺症を 残し、北爆しても北ベトナムは根を上げるどころか益々強力な兵力に なって行く。 イラク戦争時に見られた国務省vs国防省の構図がベトナム戦争時にも あった。政府中枢にアメリカの積極的介入に懐疑的な官僚がいても、 国防総省や軍部の楽観的な見通しに押され、反対意見は封じ込めら れて行く。 いくら優秀な頭脳を集めた官僚集団でも、文化の違い・歴史の違いを 考慮することがなければ自国の進む道を見誤る。それがベトナム以降 のアメリカであろう。 北ベトナムの影には確かに中国・ソ連がいた。しかし、北ベトナムは イデオロギーだけで戦っていたのではない。そこには民族の独立という 悲願があった。 「フランスにとっても、アメリカにとっても、この戦争の偉大な幻想の 一つは、自分たちが戦争の規模や進展を左右している、という考えで あった。現実には、それを左右していたのは敵であった。敵は、一定時 にどの程度の兵を投入するかを決定することにより、戦争規模を拡大 したり、縮小したりする決定権を握っていたのである。」 主役はいつでも自分たちである。そんな驕りが泥沼の戦争に国を導いた。 この教訓は活かされることなく、今、アフガニスタンで同じようなことが進ん でいやしないか。
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