内藤礼〈母形〉 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
作家はデビュー作と言える卒制の『Apocalypse Place』から、一つの作品をつくりつづけていると語っている。タイトルは変わるが、根本のテーマは変わらない。それは何なのか? それを追求する過程で生まれた『母型』とは一体何なのか? 「自分がそこに居てもいい場所をつくりたい。見る風景ではなくて、中に自分がいるようなものをつくりたい」というデビュー作のコメントからも、【箱庭】は一つのキーワードだと思った。小さな自分を投影すると同時に大きな自分が俯瞰する。 このような作業を通して「自分が地上にいることを知りたい」。箱庭=作品はそのための装置なのか。 「作品はつくっているけど表現はしていない」 まさにその通りなのだろう。 作品はどんどん大きくなり、やがて母型、豊島美術館に辿り着く。 あそこはあくまで内藤礼の世界なのだろう。しかし何も拒絶せず受け入れている。 もし作家と同じ世界を見ようとするならば(決してそれが正しい作品の見方と断言しないが)あの空間にいる小さな自分、そして俯瞰する大きな自分を想像してみるのが良いかもしれない。
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大事にしたいことの全てが詰まってる、けれど焦って理解しようとしすぎると何処かへ消えていってしまいそうな、朝露のような言葉に触れられる本。
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この本は、2008年10月29日、神戸芸術工科大学1225教室において行われたビジュアルデザイン学科特別講義の記録である。
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