閉じた本 の商品レビュー
事故で眼球を失った大作家ポールは、自叙伝を口述筆記してもらうために青年ジョンを雇う。 執筆は順調に進んでいくが、やがてポールの周りで不審なことが起こり始める。 ポールの心のつぶやきと会話文のみで構成されたサスペンス。 間が怖いよ、間が。 とはいうものの、追い詰める側が正気なのと...
事故で眼球を失った大作家ポールは、自叙伝を口述筆記してもらうために青年ジョンを雇う。 執筆は順調に進んでいくが、やがてポールの周りで不審なことが起こり始める。 ポールの心のつぶやきと会話文のみで構成されたサスペンス。 間が怖いよ、間が。 とはいうものの、追い詰める側が正気なのと原因がありきたりなので盛り上がりは今ひとつかな。 オチも、まあありがち。 でも怖いんだよなぁ。 作者がうまいということか。
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タイトルに「本」があったという理由で書店で見かけて即買い。しかしながら積読のままでかなりの時間が経過していた。今回改めて読んでみた。帯にあったように確かにヒッチコックの映画と似た作風のミステリーではあったが、結末の驚きという面ではやや物足りなさを感じました。
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盲目者の【閉じた世界】(=密室世界)で展開するストーリーは、会話のみならず独白に至るまで最後に仕掛けられた【閉じたトリック】の為の布石です。シンプルだけど、最後の最後で素直に驚かされる。この設定、この構成でなければ出来ないトリックがお見事です。このオチと世界観がタイトルにぴったり...
盲目者の【閉じた世界】(=密室世界)で展開するストーリーは、会話のみならず独白に至るまで最後に仕掛けられた【閉じたトリック】の為の布石です。シンプルだけど、最後の最後で素直に驚かされる。この設定、この構成でなければ出来ないトリックがお見事です。このオチと世界観がタイトルにぴったりハマって、読んだ人と意見を戦わせたくなる作品です。 …ネタバレに抵触するから、遠回しにしか言えない( ; ; )もどかしい… 【衝撃のラスト!】という煽りに期待しすぎると、肩透かしな印象が強まるかもしれません。 でも、何と言っても特筆すべきは、会話だけで構成してこれだけの恐怖と気味の悪さを表現したということじゃないでしょうか。少なくとも私は既存ミステリの中でこれほど挑戦的な試みをした作品は記憶にありません。短編なんかだと会話だけでライトな読み応えもありますが、このページ数をずっと保たせてしかもこのオチっていうのは至難の技じゃないかなあ。 盲目者の語る【無】の世界に存在するのは、己の思考と他者との会話だけ。 それでも淡々と生活を営んできた老人が、ある青年を生活に介入させたことで感じ始めた違和感の正体を探ろうにも、読者に提示されるのは飽くまで「会話」のみ。老人の洞察さえ音声になった言葉でしか表現されていないので、読者は想像を働かせるしかありません。 多分ミステリスキーは漏れなく引っかかると思うんですが、後半に発生する事件の動機は、幾分唐突過ぎる感はありますね。事前に匂わせるような描写があればまだすんなり受け入れられたと思うんですが、会話だけじゃそれも無理か…。 他の作品は未読ですが、もしかすると技巧派な作家さんなのかしら(o^^o) 事故で目を失い、隠遁生活を送っていた作家・ポール。ある日、彼は筆耕助手として青年ジョンを雇い入れる。家事や散歩などにも快く応じるジョンは助手として最適な人物に思われたが、ある出来事をきっかけに、ポールはジョンの言葉に疑念を抱くようになる。 ーー青年の言葉が綴る世界は、果たして真実なのか? 会話と独白のみで構成され、最後には衝撃の事実が明らかになる意欲作。
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本屋にて海外ものを、と思い偶然目についたタイトルに惹かれて手に取る。 久々に文章が好みだった。 あまり海外のものを読まないのでどうなのかわからないが、翻訳もの独特の洒落た文調なのかもしれない。 一言一言が結構グッとくるものであった。それだけに主人公の素性が明かされ、その文学性も...
本屋にて海外ものを、と思い偶然目についたタイトルに惹かれて手に取る。 久々に文章が好みだった。 あまり海外のものを読まないのでどうなのかわからないが、翻訳もの独特の洒落た文調なのかもしれない。 一言一言が結構グッとくるものであった。それだけに主人公の素性が明かされ、その文学性も悪い方向に(あたかも陳腐なものの表れであるように)象徴されてしまったのが悲しかった。 日本のこまごました小難しいミステリになれたせいか、謎自体は割合シンプルに解決されたように感じた。 殺されてからのシーンにただよう「これはまだ何かあるな」という空気がいかにも海外作品のものであって、おちがシンプルにスマートにつく感じが好きだった。 空気感といえば会話と独白のみという構成で間に空気を置くような、臨場感を活かすような描かれ方も好ましかった。 作者が映画・舞台評論家だというのも無関係ではないのかもしれない。 また全然違うものでどうかとも思うが、最近噂のパラノーマル・シリーズを思い出した。 手法の問題だろうか 追記、本文中では取り扱われ方がいささかかわいそうではあるが、主人公の考察にはとても見るべきものがあるように思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これは怖い……。 つまり、ポールの独白と会話のみで地の文が無いため、よりポールの恐怖感を味わえるという話。 けど、手法の効果を味わえた後は想像に易い結末を待つのみ。 楽しみがあるとすれば、ジョンのラストの直滑降だろうか。 とりあえず再読には向かないと思われる。 ……しかしなんというか……動機(きっかけ?)には度肝を抜かれたというか、面食らったというか、焦った。 あまり人に勧めようとは思わないかも……。
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事故で眼球を失った大作家ポールはバイト青年に筆耕を依頼。TV・ラジオ・家族もいないポールが外界のことを知るには青年が頼りだった…がしかし!というやや不気味な作品。
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あらすじを読んで読み始めたのに矛盾してるけど、あらすじを読まなければ良かった。 見えない恐怖と、知らない恐怖。 でたらめの言語の下りは面白い。 会話だけでも成り立つんだと。 確かに目が見えない人にはそれが世界の全てなのか。 不可解な出来事の理由に、他の可能性も考えられるよう...
あらすじを読んで読み始めたのに矛盾してるけど、あらすじを読まなければ良かった。 見えない恐怖と、知らない恐怖。 でたらめの言語の下りは面白い。 会話だけでも成り立つんだと。 確かに目が見えない人にはそれが世界の全てなのか。 不可解な出来事の理由に、他の可能性も考えられるようにして欲しかった。 でも最後の最後が予想外。
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会話だけで成り立たせるサスペンス。 …てなところに惹かれましたが、「動機」の明らかになるところで一気に興ざめ。 いきなりそこですか! そこんとこを動機にされると、生理的に受け付けませんのでー そこまでの努力に星二つ。
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2日程で読了。ほぼ会話文なので話の流れが速い。 純粋な推理小説ではないが、物語としては完成度が高いと思う。
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お耽美かと思いきや……。 若干期待はずれ。 まさかまさかの常道な展開なんですが 表紙から耽美ぽいのかと思い込んでいたら 予想外に俗世間じみていて ショックでした。嘘と動機が。
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