烏金 の商品レビュー
私は月村さんの作品のような、バリバリの戦闘シーンが大好きだ。いわゆる血沸き肉躍るってゆうやつ。しかし精神的には興奮するものの、読後の疲れも半端じゃない。 そんな時に西條那加さんの作品を読むと、精神が柔らかく落ち着いてくる。まるで暖かい母親の腕に抱かれているような安心感。今回の烏金...
私は月村さんの作品のような、バリバリの戦闘シーンが大好きだ。いわゆる血沸き肉躍るってゆうやつ。しかし精神的には興奮するものの、読後の疲れも半端じゃない。 そんな時に西條那加さんの作品を読むと、精神が柔らかく落ち着いてくる。まるで暖かい母親の腕に抱かれているような安心感。今回の烏金もそうだった。内容は結構スリリングな場面もあったのに暖かい。ラストにはびっくりするようなシーンも待っていたのだが、それがまた泣ける。しかも暖かい涙だ。 月村さんの作品で精神が疲弊したら西條さんの作品で心を癒し、そしてまた戦場へ向かうように月村さんへ向かう。これがこのところの読書ルーチンなんだなぁ。
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朝借りて、翌朝返すという烏金という江戸の金貸しのお話なんだけれども、想像以上に面白かった。 与えられるのではなく、自ら得たものは強い。
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西條奈加さんの、上野池之端 鱗や繁盛期が、人の心がかよっていて面白かったので、烏金を読んでみた、烏金とは、大体内容は想像がついたが、最後のお吟と浅吉の関係は予想外でした。近々作者の本をもう一冊読んでみようと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
西條奈加さん期待通りでした。 「烏金」からすがね、とは朝借りた金で仕入れをし その日の儲けの中から元金と利息を夕方に返すという 借金の事。 ある思惑があって因業な金貸しお吟婆さんの金貸し業の手伝いをはじめた浅吉は得意の算術と新しい発想で借金を返せずに焦げ付きそうな借り主に仕事を世話したり、 借財整理を指南して生活がなんとか立ち行くようにしていく。 江戸時代の経済事情や悪徳金貸しの手口、和算に親しむ江戸の人々も興味深いし、貧乏に苦しむ人達にきちんと稼げる方法をそれぞれに合わせて考えてあげる所が楽しかった。 借金がきれいになって明るく前向きに変わっていくのは借り主だけじゃなく手を貸した浅吉も人の誠意や人情に触れて変わっていくのが面白い。 やっぱり人情話上手いな~ 他の作品も読みたい。
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江戸の金貸し話。テンポのいい話の展開と味のある登場人物。何か裏があると思わせる浅吉の切れ者っぷりも小気味良い。
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L 装丁表紙が児童向けの歴史本みたいで違和感があったが、中身はなかなかテンポがよく小粋いい流れ。金貸しの婆の元に転がり込んだ浅吉は自らの才覚で金貸し相手を救い商売の枠を広げていくがなにやら曰くありげ。焦点は業突く張りの婆に意趣返しを企む浅吉はの狙いと婆との関係。 金貸しの仕組み、...
L 装丁表紙が児童向けの歴史本みたいで違和感があったが、中身はなかなかテンポがよく小粋いい流れ。金貸しの婆の元に転がり込んだ浅吉は自らの才覚で金貸し相手を救い商売の枠を広げていくがなにやら曰くありげ。焦点は業突く張りの婆に意趣返しを企む浅吉はの狙いと婆との関係。 金貸しの仕組み、借金にあえぐ武家の窮状、物乞いの子供たちなどなかなか読み応えあり。 後半、浅吉が一気に転がり落ちるところが見所。浅吉と婆の関係は予想してなかったな。 なかなか面白かった。
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ひさびさにきたー。ほわっとした。「本は人生のおやつです」さんが書いた帯どおり。『良い話に涙したい方へ』
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「はむ・はたる」の前のお話。 勝平達は出てくるけれど、主人公は浅吉さんという若い男。 金貸し婆のお吟さんのもとに、何か秘密の意図を持って押しかけ、 貧乏人に金をかしつつ、それぞれの暮らしが立ち行くように 知恵も手もかし感謝される金貸しとして成功していく。 だけどそもそもの目的は、...
「はむ・はたる」の前のお話。 勝平達は出てくるけれど、主人公は浅吉さんという若い男。 金貸し婆のお吟さんのもとに、何か秘密の意図を持って押しかけ、 貧乏人に金をかしつつ、それぞれの暮らしが立ち行くように 知恵も手もかし感謝される金貸しとして成功していく。 だけどそもそもの目的は、金貸しになる事ではなくて・・・。 だんだん種があかされて面白くなっていく。 最後はちょっとほろっとしたり。 浅吉さんもとい、吉郎太であれば生まれ故郷でも上手くやれるでしょう。
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金春屋ゴメスを読んでいたのでなんとなく買ったのですが、当たりでした。こっちのストレートな江戸時代物のほうが登場人物を活かせていると思います。主人公の当初の目的を達成するためにとったある意味真っ当過ぎる手段が、心を温めさせてくれました。
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初西條作品。 綺麗すぎない江戸物。わざとらしくなく、市井の人々が頑張って生きてる様がよく伝わってきた。 もつべきものはやはり知識、教養か。 物語的に浅吉の狙いはもっとゲスなことかと思ったいたが、 その思いの裏切りもとてもよかった。
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