天地明察 の商品レビュー

冲方丁【著】

2023/05/08

2010年（第7回）。1位。
時代小説苦手だなぁ、、と思いつつ。太平の世の江戸時代。綱吉あたり。碁打ちの家に生まれた次男坊（長男は養子）、算術が好き。暦にささげた一生。江戸時代、顔も知らない相手と家のために結婚は当たり前。絵馬に算術問題書いて、読んだ人が解く。合ってれば「明察」。そして答えがない場合もある。へーと思いつつ読み進め、気づけば読み終わり。

2023/02/26

日本史用語集でしか知らなかった、渋川春海、関孝和、保科正之…たちが生き生きと目の前に現れ、人間味溢れる姿に、何度も鳥肌がたった。

男のロマンという言葉が浮かんだが、そんなものではなくて、もっと人間らしいし、社会的だし、とにかく面白かった。

2023/01/30

尊敬できるライバルが居て、敬い敬われ、研鑽を積む。
学びとは本来こうであって欲しいと願う。
学びが、お役に繋がり、刺激のある仲間達と成し遂げる達成感たるや想像に余る。
人として学ぶ事の多い登場人物は、みんな魅力的で、ビジネス書となりそうな位得るものも多い。
今の世で何をしたら、来世、関孝和になれるだろうかと、安易に想像する時間も、こんなふうにドラマティックに語り継がれる人生が送れたらと、妄想にふける時間も、読んでこその愉しみ。

2022/10/05

恥ずかしながら、”暦”というものの重要さについて全く無知無頓着でした。太陽暦と太陰暦の違いくらいしか分かってなかったです。
同じく、江戸時代の碁打ちの生活とか、再婚事情とか知らない事だらけでした。和算に至っては掛け算割り算くらいまでしか無いものと思ってました。江戸時代の方、ごめんなさい。でもやっぱり数学の魅力は理解出来ませんでした。
江戸理系小説とでも呼べば良いのでしょうか。知らなかった情報にばかり気を取られてストーリーに目が向きませんでした。もう一回読んだ方が良いのかなぁ。

2022/08/28

小説版「その時歴史は動いた」と言うべきだろうか。

日本独自の暦を作った男、渋川晴海。
城勤めとはいえ碁打に過ぎなかった彼は、どのようにして、暦という事業にたどり着いたのか。
登場人物の「ひたむきさ」には本当に感心する。
なによりも、観測隊の上役の方々。

人間として、悩み、苦しみ、答えを見出すことのできたこの人たちは、本当の意味で「偉人」なのだろう、と感じる。

2022/07/22

読み終わるのが惜しい本と出会えるのは一年に一、二冊程度。面白くてページが残り少なくなってくるのが寂しかった。
タイトルから難しそうな印象を受けたけど、とても読みやすい。江戸時代の暦や算術、天文術、碁などに造形が深かった渋川春海の話。

2022/02/23

春海のように暦を残すような大事業でなくてもいい、自分も志を共にする人達と夢中で何かに打ち込みたい。そんな熱い想いにさせてくれる本でした。

2022/01/29

読み始めは、とっつきにくいのですが、読み進むにつれて、色々なことが気になり、この圧い本を思いのほか短時間で読み終わりました。
読後は、とてもいい気分になれました。

2021/12/14

素晴らしい物語。
何度か泣いた。

この1冊にたくさんの人の人生が、努力が、物語が詰まっていて、何度も読みたい。

2021/11/07

難しそうだと思って、興味はあったが手が伸びなかった作品。読んでみると非常に読み易い文章で、台詞も時代物にしては今風の分かりやすい言い回しが多く、登場人物に感情移入することが容易い作品。読み終えて大河ドラマを見終わったような感覚を覚える。