罪灯 の商品レビュー
4人の少女が、それぞれ未必の故意?だけではないけれど子供的な残酷さや悪意から続く犯罪をわざと放置し、事件への後悔ややけっぱちさなどの揺れ動く心理と登場した男性への恋とで大人への悟りを得る?話。書いていて何がなんだかわからないがサスペンスを風味として入れた青春恋愛物の方がしっくりく...
4人の少女が、それぞれ未必の故意?だけではないけれど子供的な残酷さや悪意から続く犯罪をわざと放置し、事件への後悔ややけっぱちさなどの揺れ動く心理と登場した男性への恋とで大人への悟りを得る?話。書いていて何がなんだかわからないがサスペンスを風味として入れた青春恋愛物の方がしっくりくる。 この作者は心理描写の変化に重きを置いているのか、句点を多用した断片的な文章と私的な比喩とで心の動きのスピードを表現しているのか?と感じる。 詩というか舞台というか、古典の海外の文章を訳しているようで状況描写よりも比喩の心理描写が多い文なんだか読みにくさが勝ってしまう。
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四季の名を持つ四人の少女たちが、それぞれプロバビリティの犯罪を犯すが、知り合ったばかりの青年にだけは見抜かれてしまうというプロットを繰り返す連作集。探偵役の青年が毎回変わるのが意外だったけれど、四人とも著者の別のシリーズでおなじみのキャラクターだそうな。一種のファンサみたいなもの...
四季の名を持つ四人の少女たちが、それぞれプロバビリティの犯罪を犯すが、知り合ったばかりの青年にだけは見抜かれてしまうというプロットを繰り返す連作集。探偵役の青年が毎回変わるのが意外だったけれど、四人とも著者の別のシリーズでおなじみのキャラクターだそうな。一種のファンサみたいなものか。
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「未必の故意」というやつに近いのかな。因果関係は証明されなくとも、心理状態が問われる状況。少女を裁くのが、法ではなく恋人である点がいかにも佐々木丸美作品。昭菜にしろ飛鳥にしろそうだった。少女たちは、罪の自覚を経て成長する。犯罪と恋愛とが絡まりあって通過儀礼の様相を呈す。 四人の性...
「未必の故意」というやつに近いのかな。因果関係は証明されなくとも、心理状態が問われる状況。少女を裁くのが、法ではなく恋人である点がいかにも佐々木丸美作品。昭菜にしろ飛鳥にしろそうだった。少女たちは、罪の自覚を経て成長する。犯罪と恋愛とが絡まりあって通過儀礼の様相を呈す。 四人の性質や、傲慢→恐怖→合理化→後悔→安心 という心の揺れが巧みに描き分けられているのも面白い。
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ミステリなのか微妙なところだが…。 ふらっと本屋に行ったらみたことのない佐々木丸美作品が うっかり購入。 そして、相変わらずの丸美調。 言葉使いがすごい!くらくらするわ。
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春夏秋冬の名を冠する四人の偶然と悪意によって成り立つ連作短編集。心理学的な要素と宗教が絡むのが少しだけしつこい気もするけど、佐々木さんの文体の雰囲気を十分に満喫しました。お気に入りは最後の秋都の話。全員から垣間見た狂気の印とコミカルな会話のアンバランスさがなんとも言えません。それ...
春夏秋冬の名を冠する四人の偶然と悪意によって成り立つ連作短編集。心理学的な要素と宗教が絡むのが少しだけしつこい気もするけど、佐々木さんの文体の雰囲気を十分に満喫しました。お気に入りは最後の秋都の話。全員から垣間見た狂気の印とコミカルな会話のアンバランスさがなんとも言えません。それと、春夏秋と見覚えのある顔が出てきたのですが、一体、三科さんてだれなんだろう?
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四季の名前をもつ少女たちが、それぞれに抱えた「完全犯罪」 佐々木丸美の連作短編集。 蓋然性(プロバビリティ)の犯罪を扱っている。 って、蓋然性ってなんぞや? 簡単に言ってしまえば「確率」のことなんだそうだ。 彼女たちは直接手を出したわけじゃない。この後どうなるか、...
四季の名前をもつ少女たちが、それぞれに抱えた「完全犯罪」 佐々木丸美の連作短編集。 蓋然性(プロバビリティ)の犯罪を扱っている。 って、蓋然性ってなんぞや? 簡単に言ってしまえば「確率」のことなんだそうだ。 彼女たちは直接手を出したわけじゃない。この後どうなるか、予測していただけだ。 そして、彼女たちはその悪意を否定しない。 かといって、悪人のなりきれない彼女たちの前には、その謎を解き明かす男性が現れ…。 こういう展開は、佐々木丸美らしいと同時に苦手な部分なんだが、今回はこれが効果的だった。 大人になるということは、自分の思い通りにならないことを、知り、受け入れることなのだろう。それは、あきらめでも我慢でもない。ただ、それは自分の人生とは重ならないという、それだけのことであると。 創元推理文庫、順調に出してくれていてうれしいです。 完走まで、がんばってくれ。
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悪意による一言が殺意になり、悪意により黙ることが 殺意になる。それを指摘され自分の罪に気がつく。 純粋すぎて、ひねた大人になってしまった私にはちょっと 重い。
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「手を下さなければ殺人ではない。私は何もしていない」 主人公の4人の少女はみんな百人浜に行くのかな…。
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四季の名を持つ4人の少女と、蓋然性を持つ4つの事件の短編集。 偶然と悪意が重なった瞬間、そこにある罪はどんな罰を受けるのか。 少女たちの、悪意と罪悪感と(それを見抜く男性への)恋心が描かれるが、どことなく不安にさせる描写なので、読んでいて落ち着かなかった。 今から27年前の作品。
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4人の女性が主人公の、プロバビリティの犯罪の連作短編集ですが、 どちらかと言うと、それぞれの主人公の前に現れた男性とのやりとりに焦点が置かれている感じです。 犯罪を介した恋愛小説という感じで、ミステリを期待していると肩透かしかもしれません。 この作者さんは初めて読みますが、文体...
4人の女性が主人公の、プロバビリティの犯罪の連作短編集ですが、 どちらかと言うと、それぞれの主人公の前に現れた男性とのやりとりに焦点が置かれている感じです。 犯罪を介した恋愛小説という感じで、ミステリを期待していると肩透かしかもしれません。 この作者さんは初めて読みますが、文体に癖があって、ちょっと難解な気がします。 でも妙に惹きつけられる印象を持った作品だとは思いました。
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