歴史入門 の商品レビュー
歴史学のアナール派についての入門書となる本書。 ブローデルの著書を要約して、まとめている内容である。 経済、とりわけ資本主義や市場経済を論の本筋として14-18世紀の歴史を展開していく。それも、これまでの政治史のように年代を追うのではなく、経済の発展や動向を横軸で展開したものだ。...
歴史学のアナール派についての入門書となる本書。 ブローデルの著書を要約して、まとめている内容である。 経済、とりわけ資本主義や市場経済を論の本筋として14-18世紀の歴史を展開していく。それも、これまでの政治史のように年代を追うのではなく、経済の発展や動向を横軸で展開したものだ。 堅苦しい内容だが、アナール派の歴史観の基本を体験できるもので、横軸で見る歴史の考察の手助けとなった。 最後の解説が分かりやすいので、解説から読んで本書を読むのがいいと思う。
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政治的な事件などの歴史的事象ではなく、日常に埋もれているような膨大な歴史(=日々の生活の営み、すなわち経済活動)について焦点を当てている。 著者は、その経済活動について、「物質生活」「市場経済」「資本主義」に区別している。 「物質生活」は、その地域で閉じられている経済活動、18世...
政治的な事件などの歴史的事象ではなく、日常に埋もれているような膨大な歴史(=日々の生活の営み、すなわち経済活動)について焦点を当てている。 著者は、その経済活動について、「物質生活」「市場経済」「資本主義」に区別している。 「物質生活」は、その地域で閉じられている経済活動、18世紀までは、残り2つに比べほぼこれが膨大な領域を占める。 「市場経済」は地域を跨いだ交換や商取引の様態。「資本主義」は、市場経済の様態に社会ないし国家が結びついた状態。 これらは直線的な時間軸で変化を生じたのではなく、重曹的に折り重なっているという。いまも物質生活や市場経済の様態は存在し、その上に資本主義が乗っている。 歴史の時間軸について、新たな気づきを与えてくれる。
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贈与論読む前に読むと、(ブローデルの)資本主義における交換の立ち位置・重要性を頭に入れた上で読めるのかなと思った
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内容はなかなか難しかったけど、薄かったのでかなり読みやすかった。 ブローデルの歴史観について簡単な理解があるとより読みやすいかなあ。
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著者まえがきによれば、本書は1976年にアメリカのジョン・ホプキンズ大学で行った講演の際に用意したテキストで、『物質文明・経済・資本主義』全体の大まかな内容を紹介したもののようである。 もし上記の著作を読んでいない場合は、本文を読む前に解説に目を通して、アナール派やフェルナン・...
著者まえがきによれば、本書は1976年にアメリカのジョン・ホプキンズ大学で行った講演の際に用意したテキストで、『物質文明・経済・資本主義』全体の大まかな内容を紹介したもののようである。 もし上記の著作を読んでいない場合は、本文を読む前に解説に目を通して、アナール派やフェルナン・ブローデルの基本理念についての概略を知ってからのほうが良いかもしれない。 正直に言うと、何度読んでも難解で、読み終えても「読んだ」という感じがしない。
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今までの歴史は事件や戦争などに焦点を当てていた。 例えば 1789年 フランス革命 1937年 日中戦争 など。 でも本当の歴史はいろんな要素が複雑に絡み合って、その結果として事件などが起こる。そこでブローデルは、本当の歴史は事件や戦争に焦点を当てても理解できないと思い、その背...
今までの歴史は事件や戦争などに焦点を当てていた。 例えば 1789年 フランス革命 1937年 日中戦争 など。 でも本当の歴史はいろんな要素が複雑に絡み合って、その結果として事件などが起こる。そこでブローデルは、本当の歴史は事件や戦争に焦点を当てても理解できないと思い、その背景にある経済や文化などに焦点を当てた。 この視点の変化により「なぜ」歴史はそう動いたのか、という流れが理解されるようになった。 この「なぜ」というのを理解するためには心理学、経済学、社会学、地政学、政治学など色々な学問に精通しておく必要がある。 一つの見方ではなく、色々な学問を使った総合的で多角的な歴史アプローチを発明したのがブローデルである。 これにより、初めて歴史が時間的にも空間的(グローバル的)にも繋がるように認識されだした。 それ一個だけで生じている歴史的事件などは一個もなく、全ての出来事が時間的にも空間的にも関係しあっているのだ。 つまり、ヨーロッパで起きたルネサンスが資本主義になり、日本の明治維新に繋がっており、第二次世界大戦にも繋がっているのだ。
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原書名:La dynamique du capitalisme 第1章 物質生活と経済生活の再考(歴史の深層;物質生活;経済生活―市と大市と取引所;市、大市、取引所の歴史―ヨーロッパ世界と非ヨーロッパ世界) 第2章 市場経済と資本主義(市場経済;資本主義という用語;資本主義の発...
原書名:La dynamique du capitalisme 第1章 物質生活と経済生活の再考(歴史の深層;物質生活;経済生活―市と大市と取引所;市、大市、取引所の歴史―ヨーロッパ世界と非ヨーロッパ世界) 第2章 市場経済と資本主義(市場経済;資本主義という用語;資本主義の発展;資本主義の発展の社会的条件―国家、宗教、階層) 第3章 世界時間(世界=経済;世界=経済の歴史―都市国家;世界=経済の歴史―国民市場;産業革命) 著者:フェルナン・ブローデル(Braudel, Fernand, 1902-1985、フランス、歴史学者) 訳者:金塚貞文(1947-、東京都、評論家)"
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フェルナン・ブローデルが書いた経済書の公演を書籍したもの。難解だ。資本主義と市場経済とは全く別物。資本主義はその構造の中に搾取が盛り込まれており、一部の少数の搾取する側と、多くの搾取される側にすみ分けられる構造だ。資本主義は、等価交換が実現されれば崩壊するシステムだから膨張し続け...
フェルナン・ブローデルが書いた経済書の公演を書籍したもの。難解だ。資本主義と市場経済とは全く別物。資本主義はその構造の中に搾取が盛り込まれており、一部の少数の搾取する側と、多くの搾取される側にすみ分けられる構造だ。資本主義は、等価交換が実現されれば崩壊するシステムだから膨張し続けなければならない。ゆえに貧富の差は拡大し、持てる者の権力はさらに強くなる。 と、こんな考え方なんだろうな。 語らんとするところは大いに共感。ただ惜しむらくは、ではどうしたらいいのか、どのような経済構造が良いのか、sの結論になんら触れていないところ、ただ単に批判するだけなら誰でも出来るよ、、なんて偉そうなこと思うが、正直この本からはブローデルの真意はくみ取れない。かといって彼が記した何部にも及ぶ書物を読もうとは、さすがに思わない。資本主義はどこか間違ってる。それは言われなくとも万人が思い出しているところ。それに代わる新システムの発明こそが歴史の転換期になるのではないのだろうか
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ブローデルが自著『物質文明・経済・資本主義』のエッセンスをまとめたのが本書である。訳者は本書を最高の「ブローデル」入門と呼んでいる(邦題については出版社の意向とかで決まったものだろう)。ブローデルと言えば有名な「アナール派」の代表的人物の一人。僕はアナール派について概要ぐらいしか...
ブローデルが自著『物質文明・経済・資本主義』のエッセンスをまとめたのが本書である。訳者は本書を最高の「ブローデル」入門と呼んでいる(邦題については出版社の意向とかで決まったものだろう)。ブローデルと言えば有名な「アナール派」の代表的人物の一人。僕はアナール派について概要ぐらいしか知らなかったもので、「とりあえず何か一冊」と思って本書を手に取った次第である。 そんなわけだから、僕は『物質文明・経済・資本主義』も読んでいないのだけど、大著の内容をこれだけコンパクトに(文庫本150頁足らず)まとめるわけだから、統計的なデータ類は捨象されて出てこないし、様々なエピソードなども思い切り削ぎ落とされているはずである。だが、その結果なのかどうか、本書からは著者の歴史学者としてのパースペクティブをはっきりと読み取ることができる。歴史の基層には著者が物質生活と呼ぶ、人々の日常生活からなる層があり、その上に市場経済そして資本主義の各層が折り重なっていく。特に、市場経済と資本主義の区別などは、新鮮で面白いところである。
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アナール学派の泰斗、フェルナン・ブローデルの講演録。 邦訳の本書は『歴史入門』というタイトルなのだけど、原題は『資本主義の活力』。講演の内容も「歴史学とは」云々でなく資本主義や資本主義の発展の定義付けというべきもの。邦題の付け方に疑問を感じざるを得ないけど、あえて寛大に解釈すれ...
アナール学派の泰斗、フェルナン・ブローデルの講演録。 邦訳の本書は『歴史入門』というタイトルなのだけど、原題は『資本主義の活力』。講演の内容も「歴史学とは」云々でなく資本主義や資本主義の発展の定義付けというべきもの。邦題の付け方に疑問を感じざるを得ないけど、あえて寛大に解釈すれば「ブローデル歴史学の入門」といった意味だろうか。 そういう意味で言えば、たしかに本書はブローデルの歴史観をざっくり理解するのに適しているのかもしれない。それは非常に大雑把に言えば商業と資本主義の歴史ということになるか。とはいえそういう全体理解は脇に置き、第三章に登場する「世界経済」(economie modiale)と「世界=経済」(economie-monde)の対比、というかその対比で示される後者の概念がおもしろい。 「世界経済」は単に全世界的規模でみた経済状況のことを指している。一方「世界=経済」は、経済活動により組織され秩序付けられた、相対的に独立した地理的範囲であり、自律的な歴史を持ち、拡大と収縮、統合と分離、中心移動を繰り返す圏を指している。この範疇は万博の世紀において大英帝国のもと「世界経済」と領域的な一致を見る。 本書の中でしばしば参照・対比されるE・ウォーラステインの世界システム論と似ていて、それは現実であると同時に分析のための概念的なツールの意味合いが強いように思える。近代以前の地球上に分布していたヨーロッパ以外を中心とする世界=経済への言及は東アジアの中華思想の世界の歴史学とも観点が相通じていて──どちらが学術的に先行しているのかは不明だけれど──、なるほど歴史の巨視的理解に有用に思えた。 そういう点で収穫もあったが総じてブローデルがしゃべっていることの1割も理解できていない気がする。ともあれぺらっぺらの文庫本なのでとっつきやすさは抜群であった。。
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