1,800円以上の注文で送料無料

の商品レビュー

3.5

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    9

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/08/08

猫に関する随筆集。 物語というよりは、エッセイ。 各作家の猫にまつわるあれこれが、まとめられている。 今から90年以上も前の作品もあったりする。 「呼ぶと尻尾で返事をする」など、今でも見られる猫の生態が垣間見える。 一方で、昔ならではの、なかなかえげつない描写もある。 なので、...

猫に関する随筆集。 物語というよりは、エッセイ。 各作家の猫にまつわるあれこれが、まとめられている。 今から90年以上も前の作品もあったりする。 「呼ぶと尻尾で返事をする」など、今でも見られる猫の生態が垣間見える。 一方で、昔ならではの、なかなかえげつない描写もある。 なので、ほっこりしたい、とかには向かない。

Posted byブクログ

2024/03/07

名だたる著者の、猫にまつわる短編集。 その時代の日常も感じられ、描写の巧さに当時の生活も感じとれます。 また、雌猫のお産に触れた作品もあり、生き物を飼うにはしっかり知識も必要だと、責任を伴うと改めて思いました。 当時の原文の記載になっており、言葉を読む愉しさもあります。

Posted byブクログ

2023/02/23

作家と猫の相性というものがひたすらに良い。 それぞれがただ眺める・触れるだけで、こっちまで安らぎを得られる気分。読みにくい部分もあるけれども、およそ1世紀前を生きる作家でも共感をもって読み進められて楽しい気持ちになる。 ---- 「船の狭いベッドで寝ていると、毎朝のように仔猫に起...

作家と猫の相性というものがひたすらに良い。 それぞれがただ眺める・触れるだけで、こっちまで安らぎを得られる気分。読みにくい部分もあるけれども、およそ1世紀前を生きる作家でも共感をもって読み進められて楽しい気持ちになる。 ---- 「船の狭いベッドで寝ていると、毎朝のように仔猫に起される。バリバリと爪を立てて、カーテンの上によじ登り、ベッドの上に上ってくる」(p.68) 「現在私の家には人間が二人、猫が三疋いる。猫が主で、人間は従であるから、家の問題はもちろん三対二の多数決で運営されている」(p.81) 「妻が抱き上げて顎の下や耳の周りを掻いてやると、胸のあたりで物の沸騰するやうな音を立てた。猫が咽喉を鳴らすとか、ゴロゴロいふとかいふ事は書物や人の話ではいくらでも知つて居たが、実験するのは四十幾歳の今が始めてである。これが喜びを表はす兆候であるといふ事は始めての私にはすぐにはどうも腑に落ちなかつた」(p.132) 「私は夜更けて独り仕事でもやつて居る時に、長い縁側を歩いて来る軽い足音を聞く。そして椅子の下へはひつて来てそつと私の足を撫でたりすると、思はず「どうした」とか「何だい」とか云ふ言葉が口から出る。それは決して独り語ではなくて、立派にわてしの云ふ事を理解し得る二人称の相手にさういふ心持で云ふのである。相手は何とも答へないで抱き上げてやればすぐにあの音を立てはじめるのである」(p.140)

Posted byブクログ

2020/12/31

アンソロジーで猫を愛でる。色んな家に溶け込む猫の話を読んでいった最後に、柳田國男「猫の島」で各地の猫にまつわる話がたっぷり語られる構成が素敵。

Posted byブクログ

2018/12/12

お軽はらきり(有馬頼義) みつちゃん(猪熊弦一郎) 庭前(井伏鱒二) 「隅の隠居」の話猫騒動(大佛次郎) 仔猫の太平洋横断(尾高京子) 猫に仕えるの記猫族の紳士淑女(坂西志保) 子猫(瀧井孝作) ねこ猫―マイペット客ぎらひ(谷崎潤一郎) 木かげ猫と母性愛(壺井榮) 猫子猫(寺田寅...

お軽はらきり(有馬頼義) みつちゃん(猪熊弦一郎) 庭前(井伏鱒二) 「隅の隠居」の話猫騒動(大佛次郎) 仔猫の太平洋横断(尾高京子) 猫に仕えるの記猫族の紳士淑女(坂西志保) 子猫(瀧井孝作) ねこ猫―マイペット客ぎらひ(谷崎潤一郎) 木かげ猫と母性愛(壺井榮) 猫子猫(寺田寅彦) どら猫観察記猫の島(柳田国男) 忘れもの探しもの(クラフト・エヴィング商會) 著者:有馬頼義(1918-1980、港区、小説家)、猪熊弦一郎(1902-1993、高松市、洋画家)、井伏鱒二(1898-1993、福山市、小説家)、大佛次郎(1907-1973、横浜市、小説家)、尾高京子(翻訳家)、坂西志保(1896-1976、東京、評論家)、瀧井孝作(1894-1984、高山市、小説家)、谷崎潤一郎(1886-1965、中央区、小説家)、壺井榮(1899-1967、香川県小豆島町、小説家)、寺田寅彦(1878-1935、千代田区、物理学者)、柳田国男(1876-1962、兵庫県福崎町、民俗学者)、クラフト・エヴィング商會(作家)

Posted byブクログ

2018/01/27

1955年出版の『猫』を底本として、クラフト・エヴィング商會の創作とデザインを加え再編集したもの。 底本の筆者たちははいずれも、明治・大正の生まれ。 描かれる風景も、縁側のある木造の民家をほうふつとさせる。 それぞれの時代の、動物とのふれあいや関心が描かれている。 有馬頼義 『...

1955年出版の『猫』を底本として、クラフト・エヴィング商會の創作とデザインを加え再編集したもの。 底本の筆者たちははいずれも、明治・大正の生まれ。 描かれる風景も、縁側のある木造の民家をほうふつとさせる。 それぞれの時代の、動物とのふれあいや関心が描かれている。 有馬頼義 『お軽はらきり』 自分で手術した猫。 猪熊弦一郎『みつちやん』 猫を連れて疎開し、農村で問題を起こす。 猫の世界にも戦争があった。 井伏鱒二『庭前』 蝮と猫の攻防。 大佛次郎 『「隅の隠居」の話』 不細工で孤高のおじいさん猫の話。 『猫騒動』 どう見ても「うちの猫が外で作った」猫が乱入して大喧嘩! そっくりで見分けがつかな~い! 尾高京子『仔猫の太平洋横断』 米国滞在から帰国する船待ちの日々、立ち寄ったレコード屋さんの子猫たちに一目ぼれして… 坂西志保『猫に仕えるの記』『猫族の紳士淑女』 正直なところ、猫に「飼われて」いる。 彼女のところに通うにも飼い主に同行させる箱入り君と、ろくに子育てもせず、楽しいことだけして優雅に暮らし、気がつくと、いつの間にか孕んでいる貴婦人猫。 瀧井孝作『小猫』 よその子猫をたまに可愛がるくらいがいいかな… 谷崎潤一郎 『ねこ』 犬はジャレつく以外に愛の表現を知らないが、猫は技巧的。 『猫――マイペット』 美しいだけの猫はすぐ飽きる。利口なのがよい。 『客ぎらひ』 呼ばれて返事をするのが億劫な時、猫は聞こえたという合図に尻尾だけ振ってみせる。 自分も、客の長話に飽き飽きしてきたとき、返事をせずに尻尾だけ振っているつもりになる。 壷井栄 『木かげ』 優雅な猫をもらって育てたが、近所の身元正しい雄猫たちの求愛を撥ね退けて、庭先に来る汚いどら猫とねんごろに。 『猫と母性愛』 一番の出来そこないの末っ子を溺愛した母猫と、いつまでも乳離れできないその子猫。 寺田寅彦『猫』『子猫』 貰われてきた三毛のメスは、家の姉妹に愛玩されすぎて、ストレスでやせてしまう。 あとから貰われてきた猫は、行儀悪く野性的だが、なんとか仕付けた。 月夜に、二匹並んで庭を眺める後ろ姿を見ると、不思議な気持ちになる。 柳田國男『どら猫観察記』『猫の島』 民族学者らしい、猫にまつわる言い伝えなどの蒐集と考察。 牛馬犬などの家畜と明らかに違い、猫は人に飼われていない。 人がいなくても生きていける。 人は人で、そんな猫に、信頼できぬ部分や油断ならぬものを感じて、「化ける」「復讐する」といった言い伝えを残すのだろう。 クラフト・エヴィング商會『わすれもの、さがしもの』

Posted byブクログ

2018/01/05

タイトルからして猫好きな人が手に取る本、なのに求めるような内容では決して無いと感じました。飄々とした猫さながらの話もあるんだけど、ちょっとツライ話もあって、なんかそれをここに入れなくてもいいのにって思った。アイコンとしての猫好きならあれなんだけど、猫と共に生きてる人にはわかりすぎ...

タイトルからして猫好きな人が手に取る本、なのに求めるような内容では決して無いと感じました。飄々とした猫さながらの話もあるんだけど、ちょっとツライ話もあって、なんかそれをここに入れなくてもいいのにって思った。アイコンとしての猫好きならあれなんだけど、猫と共に生きてる人にはわかりすぎてツライ。時代がちがうから猫との距離感が違うんだろうけど、そにかくそう感じました。

Posted byブクログ

2016/03/08

いつだかの「犬」に引き続き。 柳田國男とか井伏鱒二とか。 猫もいいもんですね。自由すぎるのもあれですけど。

Posted byブクログ

2015/12/09

ちょっと前に図書館で借りた本。 少し前の時代の作家さんの随筆集なのでなんというか飼い方が今と大分変ってきたなあ、と思いました。今では完全室内飼育が殆どですがあの頃はノラが闊歩してたんだよなあ…と思うとその状況はかなり羨ましいです。 とは言え野良猫は押しなべて寿命は短いし、嫌いな...

ちょっと前に図書館で借りた本。 少し前の時代の作家さんの随筆集なのでなんというか飼い方が今と大分変ってきたなあ、と思いました。今では完全室内飼育が殆どですがあの頃はノラが闊歩してたんだよなあ…と思うとその状況はかなり羨ましいです。 とは言え野良猫は押しなべて寿命は短いし、嫌いな人は仔猫が増えてさらに猫が嫌いになるだろうし今時は庭付き一軒家なんて大分少なくなってしまったし変わってしまったのも仕方ないのかなあ、と思います。 それにしても犬スキって人は大体血統書付きだかの良い犬を飼って自慢する人が多い気がしますが猫好きってのはノラでもなんでも堂々とウチの子!と可愛がる感じが微笑ましくていいなあと思います。

Posted byブクログ

2014/05/31

まさにタイトルの通り、本という本の中をねこが歩きまわって、あるいは足元にすりついてきて、あるいは一定の距離を保ちこちらを見つめ、または無邪気に跳ねまわってなどいるような本。つやつやとした書籍用紙の手触りまでもが、どこか彼らの毛並みを撫でているように思えてくる。 旧かなづかいに苦手...

まさにタイトルの通り、本という本の中をねこが歩きまわって、あるいは足元にすりついてきて、あるいは一定の距離を保ちこちらを見つめ、または無邪気に跳ねまわってなどいるような本。つやつやとした書籍用紙の手触りまでもが、どこか彼らの毛並みを撫でているように思えてくる。 旧かなづかいに苦手意識のある場合は、はじめ少々抵抗感があるかもしれないが内容の面白さに引きずられてやがてそれも気にならなくなると思う。 ねこ好きには是非お勧めしたい。

Posted byブクログ