円朝の女 の商品レビュー
おもしろかった。終始円朝の弟子のひとり語り。芝浜、とか四谷怪談とか円朝の創作だったのかあ知らなかったなあ。是非、きいてみたかった。そーいや四谷怪談ってきいたことないな。話芸だけでじっくりきかせてくれるのが好きだけど、寄席では舞台もかくやってな奇抜な演出とかもしていた、というのがへ...
おもしろかった。終始円朝の弟子のひとり語り。芝浜、とか四谷怪談とか円朝の創作だったのかあ知らなかったなあ。是非、きいてみたかった。そーいや四谷怪談ってきいたことないな。話芸だけでじっくりきかせてくれるのが好きだけど、寄席では舞台もかくやってな奇抜な演出とかもしていた、というのがへーっという感じ。それもまたおもしろいかも。一番心に残ったのはやっぱりお嬢さん、かな。凛とした立ち姿が綺麗だねー。なんてゆーか結ばれないからこその美しさってあるよな。あと花魁も素敵だった。一流の花魁は大名の御姫様もかくやっていうほどだった、とゆーのはきいたことあったけど、幼い頃からお姫様のように大切に育てられてそーなるってゆーのにびっくり。なるほど、男の、夢、ねえ。でもとなると小さな頃からこれは美人になるってゆーのを選ぶのかしら?松井さんは吉原手引き草だっけ?おもしろいとゆーはなしだったのでずっと読みたいと思っていたのだけれどまだ読んでなくて、これが初。上手いなあって感じ。今度こそ吉原読もう!でも円朝の女ってゆーより円朝と女、って感じかな?
Posted by
じんわりとした味わいのある連作短篇集。名人円朝をめぐる女性達が活写されていて、さすがのうまさだ。円朝その人、語り手である円八、円朝を愛する女性達、みんな美点もあるが欠点もあり、なかなか一筋縄ではいかない面々だ。なんというか人の体温を感じさせる。大作もいいけど、こういうのもいいもの...
じんわりとした味わいのある連作短篇集。名人円朝をめぐる女性達が活写されていて、さすがのうまさだ。円朝その人、語り手である円八、円朝を愛する女性達、みんな美点もあるが欠点もあり、なかなか一筋縄ではいかない面々だ。なんというか人の体温を感じさせる。大作もいいけど、こういうのもいいものだなあとあらためて思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
三遊亭円朝は、江戸噺家の大名跡。 落語中興の祖としてつとに有名だ。落語好きなら、知らない人はいないだろう。 語り継がれている、人情噺の「芝浜」や「文七元結」、怪談では、「牡丹燈籠」「四谷怪談」「真景累ヶ淵」「怪談乳房榎」などを創作した。 本書には、そんな円朝が出合った女たちとの物語が五つ。 ホントか嘘かわからない。著者の松井さんが様々な資料を紐解き、自身の頭の中に当時を再現したのがこの物語なのだろう。 円朝のことを知りたいと専門書を開くより、本書の方が面白いかもしれない。 ただ、本書の円朝には謎が多く残されている。仕方ないが、ややもの足りなく感じるところではある。書かないところ、余白は、日本美のひとつなのだから、その朧なあたりは読者が想像して楽しんでください、ということかもしれない。 読んでいて、円朝の落語を聴いてみたい、そう思った。様々な資料から著者が推理して、物語の中、活字でいいからもっともっと語らせてほしかった。表情、語り口、仕種。どんな雰囲気を漂わせたのか。作家のテクニックの見せ所なのだから。 この調子で、落語家シリーズを書いてくれないだろうか。
Posted by
さて、どんな特別な女だろうと期待しすぎたのかもしれない。へえ〜結構普通、と思ってしまった。いい女達だけどね。
Posted by
三遊亭円朝のまわりの女性を描きながら、その時代を生きた女性を社会風景とともに語っている。 1、惜身の女ー幕末の旗本のお嬢様千尋 2、玄人の女ー吉原の花魁長門太夫 3、すれ違う女ーお金持ちの娘里、円朝の一人息子の母 4、時をつくる女ーもと新橋の芸者お幸、円朝の妻 5、円朝の娘ー円朝...
三遊亭円朝のまわりの女性を描きながら、その時代を生きた女性を社会風景とともに語っている。 1、惜身の女ー幕末の旗本のお嬢様千尋 2、玄人の女ー吉原の花魁長門太夫 3、すれ違う女ーお金持ちの娘里、円朝の一人息子の母 4、時をつくる女ーもと新橋の芸者お幸、円朝の妻 5、円朝の娘ー円朝が引き取った娘せつ
Posted by
実在の落語家・三遊亭円朝にまつわる5人の女を、円朝の元弟子が軽妙に語る連作5編。 江戸と明治を半分ずつ生き、後の世までも語り継がれる大名人となった円朝。 まずは、維新の波にのまれ、強く生きていった旗本の娘・千尋。 2人目は、若い円朝が馴染みになった花魁・長門太夫。 江戸の吉原...
実在の落語家・三遊亭円朝にまつわる5人の女を、円朝の元弟子が軽妙に語る連作5編。 江戸と明治を半分ずつ生き、後の世までも語り継がれる大名人となった円朝。 まずは、維新の波にのまれ、強く生きていった旗本の娘・千尋。 2人目は、若い円朝が馴染みになった花魁・長門太夫。 江戸の吉原の風情が感じられる。 吉原で生きる花魁と、洋品店の妾として生きる姿は、自分の力で生きている女性の強さを見ました。 けれど、花魁と妾。どちらも小さいかごの鳥で、心にぽっかりとあいた穴をうめられずに生きる寂しさが漂う物語でした。 3人目は、唯一円朝の子を産んだ幕臣の娘・里。 大事に育てられ、芸人の子を成し、自分の子を育てることなく女郎に身を落とした。正に、江戸から明治の世の変遷の中で翻弄された女性。 4人目に来るのが、円朝の本妻・お幸。 元柳橋の名妓で、円朝を裏で表で盛り立て続け、自らも自分の人生を思うままに生きた。 5人目は、円朝の娘として登場するせつ。 日清・日露をと続く戦の世を、タフにたくましく、楽しいことも悲しいことも乗りこえて、「普通」に生きていく女性の姿が見えます。 5人の中で、これからの未来に続く道が見える、新しい世を生きていくせつ。 以前に読んだ「吉原手引草」もだけど、この人の書く吉原はとってもいきいきしていてすばらしいです。 5人の中でも、わたしは2人目の長門太夫が一番心に残りました。
Posted by
三遊亭円朝を彩った女性たちの話を元弟子の円八がひたすら語ります。 面白かったです。 芸人やら花魁やら芸妓やらの生きざまがかっこいいと思いました。 粋だねえ。
Posted by
幕末、明治を生きた落語の名人円朝を巡る女達の短編集。幕臣の娘、花魁、子を産んだ女、正妻、娘…それぞれの円朝とのなれそめや関わりを弟子の目から描きながらしみじみ味わい深く読ませてくれる。流石だな…と浸らせていただきました。面白かった☆
Posted by
円朝に関わった5人の女たちを弟子の語り口調で構成されている。 興味深くはあるが、数々の名作を残した円朝の人となりを想い描くにはちょっと盛り足りなさが残る
Posted by
- 1
- 2