犬はいつも足元にいて の商品レビュー
混濁する思考、一歩ズレてる歩調、人間の生理的な部分の露呈。 すべて意図して描かれてるんだろうな。ちょっと斜めに傾いてしまった視界をみているような、三半規管がおかしくなるような。 たぶん、サダを好意的に描いていると思う。頭のおかしなヤツだけど、好意的に。それがラストに救いのように描...
混濁する思考、一歩ズレてる歩調、人間の生理的な部分の露呈。 すべて意図して描かれてるんだろうな。ちょっと斜めに傾いてしまった視界をみているような、三半規管がおかしくなるような。 たぶん、サダを好意的に描いていると思う。頭のおかしなヤツだけど、好意的に。それがラストに救いのように描いてあるような気がした・・・んだけど、どうもおあつらえ向きというか。頬に自分で傷をつけてるくだりなど、怖い、と本気で思ったけれど。手首などでなく、顔っていうのが。そういうちょっと王道をわざと外すみたいなのは随所に感じられて、それが私的にはくどく感じたところもあった。本当に素直に見た世界なのか、面白半分に起こした世界なのか。ただ、主人公の暗澹とした空気感を描く文章はとてもうまいと思った。比喩的なところ。 考えさせられることが多い。 ラストは何を言いたかったのか、結局、主人公のいう、「すごい」とはどういった感触なのか。 イマイチついていけなかったからだ。 でも私としては、こういう作品になったのは中学生という曖昧な年齢を描いたからである、と解釈したし、思いたい。
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不思議な雰囲気がある。好き嫌いとかの、感覚的に微妙な境目みたいなのを書いているような。で、面白いかと言われると、微妙。
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第46回文藝賞受賞作品 早速、読んでみました。 闇の部分が深く暗い。 主人公も含め、周りの人物・犬 全てが変わっている。 一般受けする作品では無い気がしますが 次回作も読んでみたいです。
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中学生の僕と犬が、茂みの奥で見つけた得体の知れない“肉”の正体とは?―兄+弟による驚愕の完全共作!第46回文藝賞受賞作。(「Book」データベースより) TVで紹介されていた兄弟作家さんです。大森兄弟さんは本当の兄弟です。お兄さんが看護師さん、弟さんが会社員だそうです。 ...
中学生の僕と犬が、茂みの奥で見つけた得体の知れない“肉”の正体とは?―兄+弟による驚愕の完全共作!第46回文藝賞受賞作。(「Book」データベースより) TVで紹介されていた兄弟作家さんです。大森兄弟さんは本当の兄弟です。お兄さんが看護師さん、弟さんが会社員だそうです。 インタビューの受け答えとかとても好青年って感じで、どんな本なんだろうって、とても待ち遠しかった本です。 でも私にはちょっと難しすぎたのでしょうか・・・・意味が・・・いまいち・・・・わかりません。 中学生の僕の両親は離婚していて、なんか暗い感じ。 クラスでも人気がないというか、目だ立たない存在。 飼っている犬は、父さんと犬との暗い過去があって、父さんが付けてくれた名前があるけど、僕は「犬」と呼んでいる。 友達との関係、親との関係、そして犬との関係。 どれをとっても、暗くゆがんでいるように感じます。 中学生の多感な時期ってこんな感じだったのかな・・・・・・ 中学校のとき息子がちょっと難しい時期があったけど、それともちょっと違うと思う。 読みやすい文章で、スラスラ読めるんだけど、時々僕の冷め切った言葉や態度に鳥肌がざわざわ。 「肉」の正体は?と帯に書かれているけど、読み取れません。 「肉」は何だったのでしょうか?
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不思議な本だぁ不思議だぁ…。謎の”肉”がちょいちょい出てくる。ちょっとずつ”違う”人達、”掛け違ってしまったまま”のボタンっていう感じ。「ふわん」とした本かなぁと思ったらちょっと違う。「ざわん」とか「ぜわん」とした雰囲気。しばらく”肉”が気になって仕方がなくなりそう…。
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