悪人(上) の商品レビュー
九州で発生した一つの殺人事件。 進み行く捜査の裏側では、 容疑者と被害者、各々が持つ 心の闇に絡め取られるかの如く、 周囲の人間も葛藤や混沌に苛まれていく・・・。 ハイペースで描かれる群像劇に一心地 就いたところで、上巻読了。 いよいよ物語は「彼」と「彼女」の純愛に 包まれた逃...
九州で発生した一つの殺人事件。 進み行く捜査の裏側では、 容疑者と被害者、各々が持つ 心の闇に絡め取られるかの如く、 周囲の人間も葛藤や混沌に苛まれていく・・・。 ハイペースで描かれる群像劇に一心地 就いたところで、上巻読了。 いよいよ物語は「彼」と「彼女」の純愛に 包まれた逃亡劇へと展開する。 この分だと下巻もあっと言う間だな。
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淡々とした筆運びで文章から余り抑揚を感じない。作者独特の表現なのか。背後に不気味さを装いながら下巻へと。我が町福岡も頻繁に出て来る上九州弁の方言も。身近に感じる。
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※上下巻合わせてのレビューです。 物語は、石橋佳乃という保険外交員が遺体で発見され、その殺害犯として清水祐一という土木作業員が逮捕された、という説明から始まる。別に推理小説とかでは、ない。 いつだって、悲しみの涙にくれるのは、普通の、どこにでもいるような、ちょっと優しい人間...
※上下巻合わせてのレビューです。 物語は、石橋佳乃という保険外交員が遺体で発見され、その殺害犯として清水祐一という土木作業員が逮捕された、という説明から始まる。別に推理小説とかでは、ない。 いつだって、悲しみの涙にくれるのは、普通の、どこにでもいるような、ちょっと優しい人間なんだと実感させられたようで、ひたすら胸が痛い話だ。祐一は殺人という罪を犯してしまい、それを擁護することなんて絶対できないけれど、いろいろな事をうまく表現できない、不器用な、優しい人間だったんだと思いたい。
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人を受け入れようとしないのに だけどどこかで、心のどこかで誰かと繋がっていたい・・・。 そんな人物像がうまく描かれている。
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フェリー乗り場の情緒感を知ってるか知ってないかで大きく違いますね。 錆止め塗料のどこか陰鬱な感じとか。 重々しいフェリーのエンジン音とか。
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こわい、哀しい、ドキドキする。はやく続きが読みたい。これが悪人を読んでいるときの気持ちだった。博多弁?久留米弁?の理容院のお父さんのおしゃべりが、哀しい。
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複数の人の視点が入り混じって進んでいって うまく核心が伏せられてて終始どきどき 章題にも惑わされるなー 最後の最後でえーって思わされてほんとにびっくり 読み終わった時には悪人とは?と考えさせられる ミステリーなのに人間についても深く考えさせられる とてもおもしろい物語でした
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吉田修一氏の作品は以前に読んだことがあった。 「女は二度・・・」である。 私がこの本を読んで感じたことは、実に吉田修一という作家は進化しているということである。 なぜなら、人物の心情をディティールにここまでこだわって書く作家もまれであろう。 そして、読者はすでに犯人が誰なのかを...
吉田修一氏の作品は以前に読んだことがあった。 「女は二度・・・」である。 私がこの本を読んで感じたことは、実に吉田修一という作家は進化しているということである。 なぜなら、人物の心情をディティールにここまでこだわって書く作家もまれであろう。 そして、読者はすでに犯人が誰なのかを知っているにもかかわらず、彼女が会ったのはいったい誰なのか、もしかしたら・・・という気にさせられる。 悪人の意味がほんの少しずつ姿を現すのが、この上編である。
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裏表紙に主人公が女性を殺したという記載があるのに、最後のところに下巻が気になるような書き方をして部分があり面白いと思った
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いやぁぁ〜面白かったです。最初 昔懐かし「ウィークエンダー」の事件再現フイルムを見ているような感じだったのですが(決して悪い意味じゃないですよ〜サクサク読めたんです)最後は殺人を犯してしまった主人公祐一が可哀相で・・・←この感覚何かに似ている・・と考えていてわかりました!!「歌舞...
いやぁぁ〜面白かったです。最初 昔懐かし「ウィークエンダー」の事件再現フイルムを見ているような感じだったのですが(決して悪い意味じゃないですよ〜サクサク読めたんです)最後は殺人を犯してしまった主人公祐一が可哀相で・・・←この感覚何かに似ている・・と考えていてわかりました!!「歌舞伎」です。近松の心中ものや 遊女八つ橋と次郎左エ衛門の「籠釣瓶花街酔醒」を見ている感じなのです。下巻のラストシーンなぞ バックに浄瑠璃が聞こえてきそうでした。再現フィルムは読み終わった後には 切ないせつない人間ドラマに変わっていました。 映画化も楽しみです。
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