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ほかならぬ人へ の商品レビュー

3.3

220件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    75

  3. 3つ

    74

  4. 2つ

    24

  5. 1つ

    9

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2023/04/02

1話目の感想 明男と東海さんこそ一緒になって欲しかった。 想いを伝えても、相手の気持ちは近づいてくれない。一緒にいたい人ほど、去っていく。切ない辛い寂しい…。 2話目の感想 みはるの最後の覚悟がやるせない。 こうして姿を消してしまわれると探すすべのない煙のような存在

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2023/02/19

大切な人とはどんな人なのか、具体的には書かれていないけど,本を読んだことにより少し分かった気がする。 泣きたい気分になり、大切な人のことを考えたくなる本

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2022/07/12

自分が好きだと、さまざまなことに集中できる。将来の夢や目標に向かって地道な努力をしてもいいし、趣味や娯楽に熱中してもいい。誰かに好かれるために、他人の役に立つことをやってもいい。何もすることがなくたって大好きな自分のことを考えていればいい。 他人を大事だと思い詰めることも、そう...

自分が好きだと、さまざまなことに集中できる。将来の夢や目標に向かって地道な努力をしてもいいし、趣味や娯楽に熱中してもいい。誰かに好かれるために、他人の役に立つことをやってもいい。何もすることがなくたって大好きな自分のことを考えていればいい。 他人を大事だと思い詰めることも、そうした情熱に駆られる自分自身を無条件に肯定しなければならない。つまりは、自分が大事ではない人間には他人を大事に思う力も不足しがちなのである。 いまが苦しくて仕方がないことでも、やがてはどうしてあんなことに悩んだのだろうとか、何であんなことにこだわったのだろうとか、なぜああいうことが可能だなんて馬鹿げた錯覚をしたのだろうとか、冷静に振り返ることができるようになる。それが自分に裏切られるということなのだろうか。誰が誰を裏切るのだろう。将来の自分がいまの自分を裏切る? 生きていたらいろいろあるよ。でもね、何年か経ったらどんなことでも大したことじゃなかったって分かるから。人間はさ、そうやって毎回自分に裏切られながら生きていくしかないんだよ。 この世の中、イヤなことばかりではない。捨てる神あれば拾う神ありだ。 俺が何もしないのは、どうしていいか分からないからもあるし、いまは何もしない方がいいような気もしてるからだよ。たとえ答えが一つだとしてもさ、その答えを見つけるのに時間をかけるか、かけないかは人それぞれだよ。 自信なんて感情に任せて突っ走ってるうちについてくるんじゃないの。ちょうど筋肉みたいに。 やっぱり時間が大切じゃないのか。本物の自信がない行動はそのうち破綻するし、やってる本人も冷静になってくれば自分の過ちに気づくようになる。

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2022/02/15

どこか突き放しているようで底に熱いものが通っている人間関係。読んでいて心地よい。 「生きてたらいろいろあるよ。でもね、何年か経ったらどんなことでも大したことじゃなかったって分かるから。人間はさ、そうやって毎回自分に裏切られながら生きていくしかないんだよ」

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2021/11/18

いつかの直木賞。 「ほかならぬ人へ」と「かけかえのない人へ」の二篇。一時期この著者の作品にはまったことがあったな若い時。感動する訳ではなく何故だかわからないけどその溢れ出す生々しさが癖になった。 久々に読んだ著者の作品。ずっと本棚にあったけどなかなか手に取れなかった。 でも今読ん...

いつかの直木賞。 「ほかならぬ人へ」と「かけかえのない人へ」の二篇。一時期この著者の作品にはまったことがあったな若い時。感動する訳ではなく何故だかわからないけどその溢れ出す生々しさが癖になった。 久々に読んだ著者の作品。ずっと本棚にあったけどなかなか手に取れなかった。 でも今読んで良かったと思う。何故かは分からない。いつ読んでも「今読んでよかった」というのかもしれない、笑。 人と人ってこうで、単純じゃなくてドラマも感動もなくて、当人ですらよく分からなくってでも心のどこかでは気づいてて。みたいなもんだろう、と思ってる自分に刺さる二篇でした。 運命なんてない。巡り合わせや配分。期待して裏切られながらも人は生きていく。 なんだこのレビュー。 後から読み返したら絶対そう思う、笑。

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2020/04/19

宇津木明生 企業の御曹司 会社の先輩・東海さん33歳・バツイチ 妻なずき キャバクラで知り合う→不倫・部屋を出て行く 調香師 「俺、香水には詳しくないんですけど、こんなにいい匂いの香水は初めてです。やっぱり特別製だったんだ」 結婚 葬儀で調香師の箕輪さんと出会う  思い出して...

宇津木明生 企業の御曹司 会社の先輩・東海さん33歳・バツイチ 妻なずき キャバクラで知り合う→不倫・部屋を出て行く 調香師 「俺、香水には詳しくないんですけど、こんなにいい匂いの香水は初めてです。やっぱり特別製だったんだ」 結婚 葬儀で調香師の箕輪さんと出会う  思い出してみればあれほど過酷な状況で、彼女が一体いつ香水などつけていたというのだろう?あまりに日常になりすぎて、そんな簡単な疑問にも気づくことができなかった。  彼女は、この家で過ごした最後の夜、「明生くんの赤ちゃんを産めなかったことだけが心残りかな。ごめんね明生くん」と言って彼の胸でさめざめと泣いたのだった。 2010年1月14日直木賞・講評 五木寛之 「男女の愛憎が、単なる風俗的なお話に終っていないところが、この作家の才能だろう。」「人物の輪郭というか、キャラクターが鮮かに描かれていて感心した。人物描写のエッジが立っている、という印象だ。」「いま流行りの単語がしばしば出てくる。アイスキャラメルマキアートとか。私はこういうやり方に賛成である。」 渡辺淳一 「この作品は久々に男女関係を正面から描いたもので、二部に分かれているが、仕上がりは前者の表題作のほうがはるかにいい。」「さまざまな男女の、そして夫婦の関わりがあるが、もしかしてその各々が少しずつ食い違っていて、その相互の関わりを一斉にずらしたら、両者の溝が埋まっていくのではないか。そんな予感がリアリティーをもって迫ってくるところが、この作品の妙味であり、作者の着眼点の非凡なところでもある。」 阿刀田高 「確かに、現代の男女はこういうことなんだろうな――と読者を納得させてくれるところがすばらしい。登場人物のそれぞれにリアリティがあり、気負いのない筆致もこころよい。」 林真理子 「私がまずこの方を推そうと決めていたのは、白石一文氏である。」「私はむしろこの小説から、恋愛の虚無を感じる。」「また上流の青年の描写が、具体的でリアリティがある。日本の小説では珍しいことなので心に残った。」 平岩弓枝 「(引用者注:「廃墟に乞う」と共に)筆力充分、品が良く、手馴れた巧者の感がある。その意味では文句のつけようがないけれども、読者の立場からいうと、なんとなくもの足りない。」「読む進む中に心の深い部分に衝撃を与えてくれるような人間の奥行が書かれていたら、作品にもう一つ、陰影が出たのではないかというような気持が残っている。」 宮城谷昌光 「自己を嫌悪するのであれば、もっと細部にあるいは恥部に精密な描写をほどこすべきだ。そこを徹底せずに切り上げたという感は否めない。」 宮部みゆき 「白石さんには大変申し訳ないのですが、私はこの中編二作の作品集に対して何とも勘違いなアプローチをしてしまい、最後までそこから抜け出すことができませんでした。」「後半の「かけがえのない人へ」では、主人公の〈みはる〉が前半の〈なずな〉であるとこれまた勝手に思い込み(引用者中略)それが読み違いだとわかると、情けなくもまた迷子になってしまいました。」 浅田次郎 「その完成度の高さからは受賞にふさわしい。」「ならばなおさらのことこの作品が、受賞作にはふさわしくとも作者の代表作としてよいものかどうかと迷った。直木賞作家の冠名はその受賞作とともに語られ、つまり一生祟るからである。」 北方謙三 「完成度にも、不足はあるまい。表題作の方がおおむね評価されたが、結婚と恋愛がなにかを考えさせる『かけがえのない人へ』の中に漂う、妙ないとおしさと、結末の寂寞感も、恋愛小説の苦い味があって、私は好きであった。」 かけがえのない人へ☆2作目・時間を空けて読むべし・似た話で登場人物の混乱発生する?

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2020/02/09

二編あるうちの「ほかならぬ人へ」への一文一文が本当に心に刺さった。 「自分が大事ではない人間には他人を大事に思う力も不足しがちなのである。」 「自分なんてあってもいいが、なくてもいい。その程度でも、人間というのはちゃんと生きられるようにできているのではないだろうか?」 明夫の考え...

二編あるうちの「ほかならぬ人へ」への一文一文が本当に心に刺さった。 「自分が大事ではない人間には他人を大事に思う力も不足しがちなのである。」 「自分なんてあってもいいが、なくてもいい。その程度でも、人間というのはちゃんと生きられるようにできているのではないだろうか?」 明夫の考え方がすごく心に響いた。

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2019/12/14

「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠ががあるんだ」  自分にとってベストではない人たちとの関係を経て、ベストな人が見つかっても、その人はいつか自分の前から消えてしまう。死んでしまったり、いなくなってしまったり。最後は誰でも一人ぼっち。それでも...

「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠ががあるんだ」  自分にとってベストではない人たちとの関係を経て、ベストな人が見つかっても、その人はいつか自分の前から消えてしまう。死んでしまったり、いなくなってしまったり。最後は誰でも一人ぼっち。それでも、ベストな相手を見つけることができたという経験自体がかけがえのないことなのだと思う。他人からすると理解できない相手かもしれないけれど、自分にとってベストならそれでいい。その出会いがあったからこそ別れのあとも人生を続けていけるし、生きていけるのだと思う。

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2019/08/11

初めて読む作家さん。 そして久々の恋愛小説。 年のせいか!!、恋愛テーマにはいまいち共感できないことが多く、なかなか読み進められない。 主人公の女性上司が、魅力的だった。 苦しい人生経験を積んだ重み・・・

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2019/09/12

理不尽でわかがままで素直。この複雑な登場人物の感情を表現できる白石さんはすごいって感想で書いてた人がいて、この本の感想として1番しっくりくるなって思った。 自分はこの話をあまり好きだと思えなくて自分の感想としては「なんともいえない」だったけどこの人の感想をみてこの話の面白さとい...

理不尽でわかがままで素直。この複雑な登場人物の感情を表現できる白石さんはすごいって感想で書いてた人がいて、この本の感想として1番しっくりくるなって思った。 自分はこの話をあまり好きだと思えなくて自分の感想としては「なんともいえない」だったけどこの人の感想をみてこの話の面白さというか伝えたかったことが少しだけわかって、少しだけ好きになった。人の感想読むのって大事だなって思いました。

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