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ジャンピング・ジェニイ の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/05/23
  • ネタバレ

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不満点 1.ロジャーがチャーマーズの片腕が不自由だから容疑者から外すのは想像力が無さすぎ。イーナの性格を考えれば実際に起こった経緯は考えうる。 2.チャーマーズの往診終了時間とパーティへ戻った時間の15分の誤差を警察もロジャーも追及していない。読んでいる最中はこれが解決のカギになると思っていた。 3.事件の舞台の屋敷、特に屋上の様子が分かりにくいので図を入れてほしかった。 4.最後のオチいる?一旦助けた人がいつまでも縄を首にかけたままでいるとは思えないし不自然。 あと、ロジャーとコリンがイーナ失踪後にロジャーが一人で屋上に行ったことを議論していたが、そんなシーンありましたっけ。読み返しても見つけられなかった。 などありますが、楽しく読みました。

Posted byブクログ

2022/02/24
  • ネタバレ

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作品を読む順序って大事なんだな!という事をヒシヒシと学べた一冊。 2017年12月に読んだ『毒入りチョコレート事件』以来2作目のアントニイ・バークリー。 そちらにも探偵ロジャー・シェリンガムは登場していましたが、どちらかと言えばチタウィック氏の方が印象に残っており、また、作品としても古典推理小説の白眉とは聞き及びつつも私にはそこまで刺さらず、深淵な推理小説の敷居に踏み入るにはあまりに未熟だったか…と独り涙を飲んだあの日。 4年の時を経て、たまたま本作『ジャンピング・ジェニイ』を書店の棚で見つけ、あのバークリーか!と御礼参り宜しく読み始めたのであります。 序盤は登場人物の多さに四苦八苦。しかも夫婦が多く、この人は誰の奥さんだっけ?とメモと格闘。しかも皆さん、犯罪史に残る殺人者や犠牲者に仮装をしている為、そちらの設定も頭に入れておくべきでは?…と、読み始めてしばらくは混乱の極み。 あぁまた返り討ちか…とめげつつも挫けずに読み進んでいくと、物語はどんどん面白くなっていくではないか! なんと言っても哀れな犠牲者が信じられないくらい嫌われ者で、「病原菌」(p209)とまで呼ばれる始末。 それでいて探偵シェリンガムを含めた大勢が犯人探しをしない(!)。どうにかして事故と言うことにしよう、と奔走する姿があまりにも滑稽でめちゃくちゃ面白い。 そして迎えた検死審問の日。イタズラを隠蔽した子供の気持ちさながら、片棒を担がされた読者である私も固唾を呑んで顛末を見守ることになるのだが…!! これ以上は言えない! ともかく『毒入りチョコレート事件』もきちんと読み返そうと思いました! 勿論、他のバークリー作品も読みたいです。 3刷 2022.2.24

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2020/07/15

何を解くかではなくいかにして解くかを追求した作家、という評価の意味がわかった。 展開はかなり驚かされる。こんな推理小説あるんだな、と思った。主人公の行動はいかにも古き良きイギリスらしいというか…古典海外ミステリってたまにこういうのあるよね。 バークリーは人気みたいやけど、毒入り...

何を解くかではなくいかにして解くかを追求した作家、という評価の意味がわかった。 展開はかなり驚かされる。こんな推理小説あるんだな、と思った。主人公の行動はいかにも古き良きイギリスらしいというか…古典海外ミステリってたまにこういうのあるよね。 バークリーは人気みたいやけど、毒入りチョコレート事件は主人公の話し方が合わなさすぎて読むのやめた。 でも初めて主人公に共感できなかったなぁ。友人コリンに同情する。その不完全さが魅力?にもなるのかな?

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2019/06/10

参加者が過去の有名殺人者に扮装して行われたパーティー。用意された3つの絞首台からぶら下がっている3つの死体のオブジェ。 そのうちの1つが参加者の死体と置き換えられた事件。 事件はこの1件のみで、これと言ったトリックが使われているわけではないし、大したロジックが示されるわけでもなく...

参加者が過去の有名殺人者に扮装して行われたパーティー。用意された3つの絞首台からぶら下がっている3つの死体のオブジェ。 そのうちの1つが参加者の死体と置き換えられた事件。 事件はこの1件のみで、これと言ったトリックが使われているわけではないし、大したロジックが示されるわけでもなく、結果だけを見れば、真相に捻りのある変格ミステリー。 シェリンガムはやはりボンクラ探偵という位置づけなのだろう。ある人物を助けるためとは言え、証拠の捏造、偽証、他の参加者への偽証要求と相当ひどいことをやっている。 最後の二転三転の捻りは、確かに面白い。

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2015/09/17
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序盤で犯人(?)がわかってしまい、これを探偵が暴いていくのだろうと思っていたら、探偵がめちゃくちゃな推理をするという予想外の展開に。 今まで読んできた推理小説は完全な善人すぎて、感情移入できないことが多々あったが、この主人公の持つ人間らしい自尊心や適度な善意が感情移入をしやすくしてくれた。 ただやはり、海外小説に対する苦手意識のため、そこまで楽しむことができなかった。

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2012/08/04

探偵ロジャー・シェリンガムが出席したパーティーでおきた殺人事件。被害者は亡くなっても惜しまれるどころか、やっと人の役に立ったと言われるような女性。さて、ロジャーは真実にたどり着けるか? 読者には真相が分かっているので、ロジャーの捜査を楽しむ構成になってます。被害者の性格を考えると...

探偵ロジャー・シェリンガムが出席したパーティーでおきた殺人事件。被害者は亡くなっても惜しまれるどころか、やっと人の役に立ったと言われるような女性。さて、ロジャーは真実にたどり着けるか? 読者には真相が分かっているので、ロジャーの捜査を楽しむ構成になってます。被害者の性格を考えると、犯人を告発するのも忍びない。しかし自分の興味としては真犯人が知りたい。という訳で、真犯人と目される人物を庇おうとあれこれ策を練るんですが…自分が犯人だと疑われたり、有利な状況を作り出すはずが余計追い詰められてしまったり。この展開と、イギリスの畏まった言葉によるユーモアにクスクス笑いが止まりません。とどめは最後の一言。何かあるに違いないとは思ってましたが、やはり持ってましたねかくし球。 名探偵としては失格のロジャーですが、冒頭にもある通り彼にとっては真犯人を捕まえ刑罰に処すことよりも、人間観察をしたり事件をまるく収めたりすることのほうが意味あることなのです。こんな人好きのする探偵さんなら仲良くなってみたいもんです。

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2012/05/31

『第二の銃声』を読んですぐさまファンになったバークリー。すこぶる面白かったです。本格物ながら、ひとひねりもふたひねりもある趣向で、ユーモアもあります。被害者は自己中心的で人騒がせ、注目を浴びるためだけに平然と嘘をつくばかりでなく、嘘で他人を貶めることも厭わない厄介な女性イーナ。こ...

『第二の銃声』を読んですぐさまファンになったバークリー。すこぶる面白かったです。本格物ながら、ひとひねりもふたひねりもある趣向で、ユーモアもあります。被害者は自己中心的で人騒がせ、注目を浴びるためだけに平然と嘘をつくばかりでなく、嘘で他人を貶めることも厭わない厄介な女性イーナ。この作品を成り立たせるためではありますが、「生きていては害ばかり、死んで当たり前」(!)という、極端な人物として描かれていて、実際にこんな女性が居たら絶対関わりたくないと思いました。というわけで、実際に手をくだすかどうかはともかく、関係者全員に非常に嫌われていて、また何人かは具体的な動機になるような脅迫めいた嫌がらせの予告をされており、全員が犯人の資格ありというか、誰が犯人であってもおかしくないという設定になっています。とりわけ一番それらしいのはこの女性と不幸な結婚をしているデイヴィッドと弟想いのその兄ロナルド。最初は自殺と捉えられた事件は、パーティがお開きとなり仲間内だけが残った時間帯に起こるので、必然的に容疑者はわずかに限られます。この小説が普通のミステリと違うのは、動機が最初から明らかにされているだけでなく、事件がどのように起こり誰が関わっていたのかが、早い段階で作者によって明らかにされていること。普通は犯人を探して糾弾しようとする探偵ですが、シェリンガムは気の毒なデイヴィットか、又は義憤に駆られ犯罪を犯す犠牲を払って世の中に善をもたらした高潔な人物が犯行に及んだと思いこみ、彼もしくは彼女をかばうため、殺人ではなく自殺だ、という結論に導こうと、縦横無尽の大活躍(というか空回り)。イーナの人物設定と、「死んで当たり前」「犯人は善いことをした」という前提はものすごく強引なのですが、嫌な女ぶりが本当にイキイキと描かれているので、そうだよなぁ、と思わされてしまい読んでいる最中はあまり気になりませんでした。本当に面白かったです。

Posted byブクログ

2012/03/03

探偵が殺人現場に居合わせたら、事件をつぶさに調べ証拠を見つけ真犯人を見つけ出すものだが、ロジャー・シェリンガムはひと味もふた味も違う。 現場を引っ掻き回し勘違いし迷走する。 彼は有能な探偵であり、ピエロでもある。 古典ミステリは王道だけど単調でありきたりなイメージを持っている人は...

探偵が殺人現場に居合わせたら、事件をつぶさに調べ証拠を見つけ真犯人を見つけ出すものだが、ロジャー・シェリンガムはひと味もふた味も違う。 現場を引っ掻き回し勘違いし迷走する。 彼は有能な探偵であり、ピエロでもある。 古典ミステリは王道だけど単調でありきたりなイメージを持っている人は読んでみて欲しい。 ある意味ぶっ飛んでるから。

Posted byブクログ

2011/12/20

絞首台にぶらさがった藁人形を余興に設置した、〔殺人と犠牲者〕パーティという舞台がまずふざけています。悪趣味!でもおもしろそう! しかもみんなの嫌われ者イーナが藁人形と代わって絞首台にぶら下がって発見される、という事件のはじまりはインパクト大です。 自己顕示欲が強く目立ちたがり屋...

絞首台にぶらさがった藁人形を余興に設置した、〔殺人と犠牲者〕パーティという舞台がまずふざけています。悪趣味!でもおもしろそう! しかもみんなの嫌われ者イーナが藁人形と代わって絞首台にぶら下がって発見される、という事件のはじまりはインパクト大です。 自己顕示欲が強く目立ちたがり屋のイーナははたして自殺なのか?他殺なのか? 全てを見ている読者としては、(迷)探偵シェリンガムの迷走っぷりが楽しい。 必死に推理している姿がこうも滑稽になってしまうとは。 しかも、正義の為に事件を追うのではなく、保身と嫌われ者イーナを殺してくれた犯人を守る為に、偽証したり捏造したり、あらぬ方向にがんばるシェリンガムには苦笑いです。 しかし、シェリンガムを「どうしようもないやつだなぁ」とにやにや眺めていたわたしも、最期には作者の手腕にがつんとやられてしまいました。 事件を動かしているのは華々しい探偵や狡猾な犯人ではなく、むこう三軒両隣のそこらへんの人たちなんだなぁ、と感じます。

Posted byブクログ

2011/11/09

名探偵のシェリンガムが、右往左往しながら迷走する様を 少しまどろっこし感じつつも楽しく読めます。 突っ込みたくなる場面もちらほら。 最後の本当の真相には、おお!とさせられました。 面白かったな。

Posted byブクログ