定義 の商品レビュー

谷川俊太郎(著者)

2015/05/07

良くも悪くも、『言葉以外のもの』によって『言葉』を描こうとしているな、という印象を、僕はこの詩人に持っている。
肯定的だとか、懐疑的だとか、そんな単純な態度ではなしに、『言葉』と対峙しているのだろう。
そういう意味では、まさに詩人のお手本と言える人物なのかもしれないし、僕も「水遊びの観察」には、作家としての居住まいを正された。
けれども、どうしても、物足りなく思ってしまう。僕が描きたいものは、やはり『言葉の外側』なのだ。